お値段220万円。ヤマハの3輪モデル「NIKEN GT」が進化した【バイクのコラム】

■排気量をアップして平成32年排出ガス規制に適合

845ccから888ccへエンジン排気量をアップしたNIKEN GT。受注生産、メーカー希望小売価格220万円。
845ccから888ccへエンジン排気量をアップしたNIKEN GT。受注生産、メーカー希望小売価格220万円

ヤマハ発動機の3輪スポーツバイク「NIKEN GT(ナイケン ジーティ)」がモデルチェンジを発表しました。

ますます厳しくなる環境ニーズに合わせて、平成32年排出ガス規制に適合した新エンジンを搭載したことが進化のポイント。

ご存じのようにNIKEN GTは、フロントが15インチタイヤの2輪仕様で、タンクから後ろは後輪17インチのスポーツバイクを合体させたような唯一無二のルックスが特徴です。

このユニークなフロント二輪構造は LMW(Leaning Multi Wheel)と名付けられています。一見すると、前半部は四輪のような動きをするように想像してしまうかもしれませんが、バイクらしくリーン(傾斜)して旋回するメカニズムとなっています。

バイクに期待する軽快さを持ちながら、安定感も期待できるということで、筆者のようなリターンライダー諸兄においては、理想的なツーリングモデルという印象があるのではないでしょうか。

●エンジン懸架点を見直すなどフレームも刷新された

3輪のため扱いやすいイメージもあるが、車両重量270kg、シート高825mmというのは中々の巨体だ。
3輪のため扱いやすいイメージもあるが、車両重量270kg、シート高825mmというのは中々の巨体だ

モデルチェンジにおける主な変更点を整理してみましょう。

  • CP3エンジン(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)を845ccから888ccへ排気量アップ
  • クランクマス増加(慣性モーメント8%増)によりドライバビリティを向上
  • パイプ径やエンジン懸架点を見直した新設計ハイブリッドフレーム
  • 路面追従性を向上したリヤサスペンション
  • シフトダウンにも対応するクイックシフター
  • スマートフォンと連携する7インチ高輝度TFTメーター(ナビ機能対応)
  • 可動式スクリーン(スライド量は最大70mm)
  • 別売純正アクセサリーのサイドケース取り付けに配慮したステー
  • 足付き性を高めた新作シート

そのほかロングタイプの新しいグリップヒーターを採用するなどツアラーとしての快適性と機能性を高めつつ、 ”Visible and harmonized function”をキーワードに新たなスタイリングへと進化させたのもモデルチェンジの見逃せないポイントです。

カラーリングコンセプトは”Premium sport”、ボディカラーは漆黒ブラックの一色設定です。フレームやステムまわり、ホイールにブロンズカラーを組み合わせることでプレミアム感を演出しています。

●有料アプリで7インチ液晶メーターにナビ機能を追加

従来からのシフトアップに加えシフトダウンにも対応するクイックシフターに進化した。
従来からのシフトアップに加えシフトダウンにも対応するクイックシフターに進化した

ツアラーとしての進化ポイントとして注目したいのは、シフトアップ・ダウンに対応するクイックシフターの装備です。従来から引き続き、クルーズコントロールも搭載しているということですから、888cc 3気筒エンジンのパフォーマンスをハイウェイで存分に味わうことができるでしょう。

個人的に、ツーリングシーンで便利かつ楽しそうと感じるのは、スマートフォンと連携する機能が強化された大型7インチ高輝度TFTメーターを採用しているところでしょうか。

Bluetooth接続によってスマートフォンの着信や音楽再生などの情報がメーターに表示されるだけでなく、専用アプリ「MyRide – Link」Appをインストールすると、メール受信、現在地周辺の天気などスマートフォンの情報をメーターで確認できるということです。

さらにヤマハ発動機とGARMIN社が共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize(TM)」(有料)をインストールすると、NIKEN GTのメーター画面でナビ機能を利用することが可能になります。まさにツアラーに求める機能性が、この7インチ液晶メーターには詰め込まれているのです。

こうして生まれ変わったNIKEN GTのメーカー希望小売価格は220万円と内容を考えると、十分にリーズナブルなもの。国内での販売計画は100台と限られていますから興味があるならば、「NIKEN」取扱店へ予約受付の相談に行くことを強くおすすめします。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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