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■ユーザーの若返りを狙ったクーペ風スタイルに変貌
2018(平成30)年6月26日、トヨタ「クラウン」がフルモデルチェンジして15代目がデビューしました。
最大の特徴は、ユーザーの若返りを図るためにスポーティなクーペ風スタイリングに変貌したこと。また、トヨタが進めるコネクティッドカーの第1弾となったことです。
●15代目までクラウンが辿った歴史
・初代クラウン(1955~1962年)
世界に通用する上質感と信頼性にこだわった、日本初の本格的な高級乗用車として登場。
・2代目クラウン(1962~1967年)
長く、広く、低いヨーロピアンスタイルに変貌。国産初のV型8気筒エンジンを搭載。
・3代目クラウン(1967~1971年)
静粛性や乗り心地を改良し、公用車でなく、高級自家用車を意識したクルマとして登場。
・4代目クラウン(1971~1974年)
個性的すぎるスタイルであったため、落ち着いた顧客層には不評、3年の短命で終了。
・5代目クラウン(1974~1979年)
失敗作と言われた4代目の反省を受け、重厚さと安定感を強調したスタイルに回帰。
・6代目クラウン(1979~1983年)
厳しい排出ガス規制をクリアしながら、クラウン初の直列6気筒ターボエンジンを搭載。
・7代目クラウン(1983~1987年)
機能を充実させ、「いつかは、クラウン」のキャッチコピーは、多くの人を魅了。
・8代目クラウン(1987~1991年)
バブル経済絶頂期、クラウンも贅沢装備と最新技術を採用し、他車が太刀打ちできない存在に。
・9代目クラウン(1991~1995年)
バブル経済崩壊とともに、クラウンの販売も不調に。
・10代目クラウン(1995~1999年)
モノコックボディに変更し、先代より100kg以上軽量化した快活なクラウンへと変貌。
・11代目クラウン(1999~2003年)
若い世代にも目を向け、スポーツモデル「アスリート」「マイルドハイブリッド」を搭載。
・12代目クラウン(2003~2008年)
過去のしがらみを捨て「ゼロクラウン」をコンセプトに、直列6気筒からV型6気筒へ変更。
・13代目クラウン(2008~2012年)
本格ハイブリッドや「プリクラッシュ・セーフティ」によって、環境性能や安全技術を充実。
・14代目クラウン(2012~2018年)
デザインや内装、パワートレインなどすべてを刷新して、生まれ変わったクラウンをアピール。ピンククラウンも登場。
●若返りを目指してクーペ風スタイルに変貌
2018年のこの日、14回目のモデルチェンジによって15代目クラウンが登場。15代目クラウンは、ユーザーの若返りを図り、6ライトウインドウを採用しクーペ風のスタイリングに変貌しました。
車両価格は、2.0L直4ターボ仕様が460.6万~559.4万円、2.5L直4HV仕様が497.9万~632.3万円、3.5L V6 HV仕様が623.7万~718.7万円です。
キャッチコピーは、“挑戦と革新を続ける初代コネクティッドカー”です。特に注目は、次の5つの技術です。
・「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」をベースにしたプラットフォーム
・個性的な3つのパワートレイン:高効率ダイナミックフォースエンジンをベースとした2.0Lターボエンジン/2.5L HV/3.5L HVを用意
・新世代運転支援技術「トヨタセーフティセンスP」
・ITSとの連携を図ったITS(インテリジェント・トラフィック・システム)コネクト
・最新のコネクティッド機能:警告点灯時のコールセンターからのアドバイス、オイル量やバッテリー状態のスマフォからの確認、エアバッグ展開(事故)時に警察・消防署への通報など、最新のコネクティッド技術を実現
以上のように、優れた環境技術と安全技術、さらに伝統の上質の走りとともにスポーティさも加わりましたが、“セダン冬の時代”は深刻で、クラウンといえども販売は決して好調とは言えませんでした。
16代目となる新型クラウンの斬新なスタイリングには驚かされましたが、先代の15代目ですでにユーザーの若返りを狙ったスタイリングに変貌していました。セダンはオジサン世代が乗るというイメージを払拭する、これがセダン復活のカギとなるのでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)