F-35B戦闘機のカラーを再現。モト・グッツィ特別仕様車「V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレ」が国内28台限定242万円で登場

■イタリア海軍航空隊とコラボした世界1913台の限定モデル

イタリアの老舗2輪ブランド「モト・グッツィ」を扱うピアッジオグループジャパンは、最新テクノロジーを満載したツアラーモデル「V100マンデッロ」をベースに、イタリア海軍航空隊とコラボした、世界1913台限定の特別仕様車「V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレ(V100 Mandello Aviazione Navale)」を国内販売することを発表しました。

イタリア海軍との100年以上にわたる固い絆を記念したモデル
イタリア海軍との100年以上にわたる固い絆を記念したモデル

創業100年以上を誇るモト・グッツィですが、創始者たちが第一次世界大戦の時に所属していたのが、イタリア海軍の航空隊。

その歴史的な絆を記念したというこの特別限定車は、現在イタリア海軍が運用している最新のF-35B戦闘機をモチーフに、専用のカラーリングやシリアルナンバーなどを施した注目モデルです。


●世界初アダプティブ・エアロダイナミクスを採用

ベースとなったV100マンデッロは、スポーツモデルのような軽快さと、長距離でも快適なツアラー的要素を合わせ持つモト・グッツィの最新ツアラーモデルです。

ウインドスクリーン付きフロントカウルや、アップライトなバーハンドルなどを採用するスタイルは、近年人気のスポーツツアラーらしいフォルムを継承。

ベースとなったのはV100マンデッロ
ベースとなったのはV100マンデッロ

加えて、モト・グッツィを象徴するイーグルをイメージしたというDRL(デイタイムランニングライト)付きフルLEDヘッドライトなどにより、オリジナリティあるスタイルを実現しています。

搭載するエンジンは、排気量1042ccの90度縦置きV型ツイン(V型2気筒)。モト・グッツィの伝統といえるエンジンレイアウトを採用しつつも、新設計の「コンパクトブロック」を搭載しています。

よりコンパクトで軽量なパワートレインは、スリムな車体に貢献し、軽快なハンドリングなどを実現。最高出力115HP(115PS)/8700rpm・最大トルク105Nm(10.7kgf-m)/6750rpmで、3500rpmという低回転域で最大トルクの82%を発生させ、シャープな加速感や扱いやすいパワー特性を味わえます。

最新テクノロジーも満載なのがこのモデルの特徴。特に注目なのが、世界初というアダプティブ・エアロダイナミクスです。これは、速度や選択したライディングモードに応じて、燃料タンクの両側にあるディフレクター(整流板)を自動的に開閉するシステムのこと。

停車時や渋滞などの低速走行時には閉じているディフレクターは、速度が上がるなど一定の条件下で開き、ライダーが必要とする時にだけ風圧からの保護と快適性を提供する仕組みになっています。

V100マンデッロの走り
V100マンデッロの走り

ほかにも、コーナリングABS、セミアクティブサスペンション(Sバージョン専用装備)、クイックシフト(オプション設定)などの先進機能を導入。

メーターには、5インチTFTカラーインストルメントパネルを採用し、燃料残量や気温、選択したギア、燃費など、さまざまな情報を表示することができます。

●シリアルナンバーのレーザー刻印付き限定車

そんなV100マンデッロをベースにしたのが、今回登場する特別限定車のV100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレです。

V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレのフロントビュー
V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレのフロントビュー

ちなみに、車名についた「アヴィアツィオーネ・ナヴァーレ(Aviazione Navale)」とは、イタリア海軍航空隊のこと。その創立年(1913年)にちなんで、1913台のシリアルナンバー付き特別限定モデルとして生産されます。

主な特徴は、前述の通り、最新のF-35Bジェット戦闘機にインスパイアされたカラーやグラフィックです。

ハンドルバーライザーにはシリアルナンバーをレーザー刻印
ハンドルバーライザーにはシリアルナンバーをレーザー刻印

F-35Bの塗装を忠実に再現したボディカラーに加え、カウル両脇には勲章や「ジェットインテーク」によく見られるストライプ模様も投入。燃料タンクの両側面には、同系色のトリコロールの花紋、海軍航空隊の紋章、空母艦載機部隊のロゴが配されています。

また、ハンドルバーライザーにはシリアルナンバーをレーザー刻印。なお、ハンドルグリップヒーターが標準装備され、専用バイクカバーや記念プレートも付属します。

●モデル誕生の由来は約100年前の悲しいエピソード

でも、なぜモト・グッツィは今回、イタリア海軍航空隊とコラボしたモデルを出したのでしょうか? それは、第一次大戦の時、モト・グッツィ創設者であるカルロ・グッツィとジョルジョ・パロディが、イタリア王立海軍の航空部隊で出会ったことに由来します。

F-35B戦闘機をモチーフした専用カラーを採用
F-35B戦闘機をモチーフした専用カラーを採用

この2人の友人とパイロットのジョバンニ・ラヴェッリは部隊で親しくなり、戦争が終わったらモーターサイクル製造の路に進むと誓い合ったのだそうです。ところが、ラヴェッリは1919年の事故で死去し、その夢を実現することは叶わぬこととなりました。

その後、グッツィとパロディは無き友人ラヴェッリを偲び、モト・グッツィを設立した1921年に、当時のイタリア航空部隊のシンボルである「翼を広げた鷲」、いわゆる「イーグル」を、現在も同社製バイクに採用されているエンブレムとして採用したのだそうです。

2022年9月には、空母カヴールの飛行甲板で世界初公開の式典も開催
2022年9月には、空母カヴールの飛行甲板で世界初公開の式典も開催

こうしたエピソードに由来し、モト・グッツィとイタリア海軍との100年以上にわたる固い絆を記念したのが、V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレなのだとか。2022年9月には、イタリア海軍が持つ空母カヴールの飛行甲板に豪華なステージを設け、このモデルを世界初公開する式典も開かれたのだそうです。

なお、V100マンデッロ アヴィアツィオーネ・ナヴァーレの国内販売価格(税込)は、242万円。日本では28台の限定販売となり、2023年6月20日よりすでに受注を開始。2023年7月より順次出荷されるそうです。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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