■2代目となる新型コルトはヨーロッパ向けに投入
三菱自動車の欧州事業を統括する「ミツビシ・モーターズ・ヨーロッパ・ビー・ブイ」は、ヨーロッパ向けの新型コンパクトハッチバックである新型コルトを発表しました。
コルトといえば、日本でも発売されていたコンパクトハッチで、初代は2002年に発売。
当時、ダイムラークライスラーとのアライアンスで共同開発されたプラットフォームをベースに、1.3L、1.5LにCVTが組み合わされ、FFのほかにビスカスカップリングを備えるフルタイム4WDも設定されていました。
新型コルトは、2023年3月から欧州で販売され、好評を得ているというコンパクトSUVの「ASX(ルノー キャプチャーのOEM版)」に続いて、アライアンスを組むルノーからOEM供給を受ける形になります。
新型コルトは、アライアンスによる「CMF-B」プラットフォームがベースで、クリオ(日本名はルーテシア)のOEM版になります。
5ドアコンパクトハッチバックは、三菱では9年ぶりのヨーロッパへの投入になるそうです。同車はトルコにあるルノー社ブルサ工場で生産され、2023年10月より三菱の販売ネットワークを通じて、欧州で販売が開始される予定になっています。
ルーテシアのオーナーはもちろん、クルマ好きが見るとOEM版であるのがひと目で分かる一方で、フロントマスクに三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」の要素が採り入れられ、単なるバッジエンジニアリングではないことが写真からもうかがえます。
両サイドまで広がるワイド感と勢いが表現されたグリルをはじめ、上部にスリムなフルLEDヘッドライト、下部にL字型のLEDデイタイムランニングランプが配置され、欧州の街並みに映えるスポーティでシャープな顔つきになっています。リヤまわりは、ワイド感が強調されるバンパーにより、スポーティで安定感のあるデザインを採用。
一方のインテリアは、ステアリングの三菱のエンブレムをのぞくとクリオとほぼ同じように見えます。インパネ中央にスマホ連携ディスプレイオーディオ(SDA)を配置。走行モードやエンジンの出力特性、ステアリングフィール、車内環境などを個別設定できる「マルチセンス」システムの操作ができます。
走行モードは「マイセンス」「スポーツ」「エコ」の3つから選択可能。さらに、ルノーの各モデルでも人気だというBOSEプレミアムサウンドシステムも装備されています。また、アダプティブクルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープなどの先進安全装備も充実しています。
搭載されるパワートレーンは、環境に配慮されたハイブリッドとガソリンエンジンが設定され、前者には1.6Lガソリンエンジンに駆動用と発電用の2つのモーター、マルチモードの自動変速機と1.2kWhの駆動用バッテリーが組み合わされています。
ガソリンエンジンモデルには、1.0Lガソリンターボエンジンと6速MT、1.0Lガソリンエンジンと5速MTの組み合わせが設定されています。純ガソリンエンジンモデルは欧州向けらしく、MTのみとなっています。
(塚田勝弘)