鈴木僚太(ピーコックブルー) 
目次
■ウインカー操作のうっかりミスで交通違反になる。出し忘れや戻し忘れに要注意！
隣の車線のクルマがウインカーを出さずに突然、自分の前に入ってきてヒヤッとした。
前を走っているクルマのウインカーが点滅しっぱなしで戸惑った。
クルマを運転していると、誰しもがこのような経験をしたことがあるかもしれません。
そして、ウインカーの出し忘れや戻し忘れは交通違反になることをご存じでしょうか。
自身が誰かを危険にさらさないためにも、ウインカーの出し忘れや戻し忘れには注意する必要があります。
●ウインカーの役割とは？
ウインカーは、進路変更や車線変更、右左折をするときの意思表示に使用され、ウインカーの点滅によって、他のクルマや歩行者は自分の行動を予測することができます。
ウインカーを出すタイミングは、道路交通法施行令第21条で定められており、右左折や転回時は交差点の30m手前、進路変更する際はその3秒前です。
●「合図不履行違反」「合図制限違反」の反則金と違反点数
ウインカーを出さずに右左折や車線変更を行うと、合図不履行違反という交通違反になります。道路交通法第53条1項を見てみましょう。
「運転する際に、左折や右折、転回、徐行、停止、後退、同一方向で進路変更をする場合は、手や方向指示器、灯火での合図が必要。そして、合図を出したまま行動が終わるまで継続しなければならない」
と書かれてあります。
また、ウインカーの戻し忘れは、ウインカーを点滅させたまま走行を続けることで、合図制限違反になるのです。道路交通法第53条4項には次のように書かれています。
「運転手は、左折や右折、転回、徐行、停止、後退、同一方向で進路変更が終わったときは、合図をやめなければならない。そして、進路変更などをしないのであれば合図をしてはならない」
合図不履行違反や合図制限違反に該当する場合、反則金は普通車と二輪車が6,000円、大型車は7,000円で、原付は5,000円です。違反点数はそれぞれ1点になります。
●ウインカー操作の注意点とは
合図不履行違反や合図制限違反を犯してしまった運転手からは、「分かってはいたけど、ついうっかり」と聞こえてきそうです。そんなうっかりミスをなくすためには「ウインカー操作はハンドル操作の前に必ず行う」と意識することも重要。
クルマの進行方向を変えるときは、必ずハンドルを左右どちらかにきります。そして、その前にウインカーの操作は欠かせない、ということです。
そして、ウインカーを出すタイミングも重要です。右左折や転回時は交差点の30m手前が合図を出すタイミングとなりますが、時速40km/hで走行していた場合、3秒間で30m以上の距離を移動します。
したがって、30m手前と気づいてからウインカーを出すのでは遅いのです。ウインカーの合図は、速度や交通状況に応じて適切に出さなければいけないのです。
運転中だけでなく、運転する前にも意識的に振り返ることが大事です。そもそも「右左折時、車線変更時にはウインカーを出す」なんていうのは、運転手としては当たり前のことなのですが、何度も忘れてしまうという方は、リマインダーとして、紙などに「ウインカー」と書いて、運転席から見える位置に置いておくというのはどうでしょう？
また、車内で大きな音で音楽を聴くのにも注意が必要です。ウインカーの「カチカチ」という音が聞こえなくなる場合があり、戻し忘れの原因にもなります。
戻し忘れで注意したいことは他にもあります。
一般的な車のウインカーは、ハンドルを戻すと自動的にキャンセルされる仕組みになっています。しかし、車線変更時や停車からの発信時など、ハンドルの操作角度が浅い場合は、キャンセルされずウインカーが付きっぱなしになっている可能性があるので、意識して戻すようにしなければなりません。
ウインカーの出し忘れや戻し忘れは、些細なミスのように思えるかもしれませんが、事故に繋がるおそれがある、れっきとした交通違反です。
（鈴木 僚太［ピーコックブルー］）
【関連記事】
スピード取り締まりの新兵器「半固定式オービス」対処法として現時点で18ヵ所の設置場所を全公開！
https://clicccar.com/2023/04/19/1277270/
スピード違反の取り締まり方法と種類を調べてみた！「ネズミ捕り」「赤キップ」って何？
https://clicccar.com/2023/04/06/1272978/
飲酒運転の「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違いとは？
https://clicccar.com/2023/03/25/1271104/
飲酒運転で罰金1000万円にクルマ没収も!? 世界の飲酒運転罰則とは？
https://clicccar.com/2023/03/16/1267085/
