■今のアメリカ車、ガソリンエンジンはかなりのダウンサイジング
皆さんが抱くアメリカ車のイメージはどんなものでしょうか? 大トルクの大排気量エンジンで、ひたすら直線路を走っていくイメージでしょうか?
アメリカンスポーツカーの代名詞として、シボレー・コルベットに次ぐ存在のシボレー・カマロ。
カマロは今発売されているモデルが6代目にあたりますが、この6代目カマロの日本導入モデルには、ガソリンエンジンの排気量が2種類あり、大きい方は6.2リッターのSSグレード、小さい方はLT RSグレードとコンバーチブルの2リッターターボエンジンです。
カマロの場合、6.2リッターエンジンは特別なモデルとして存在し、主力は2リッターエンジンモデル。
2リッターといっても270馬力超・トルクも400Nmと、かつての5代目にあった3.6リッターNAモデルよりも馬力は下がったもののトルクは増加。また、最高トルクの発生回転数も4800rpmから3000rpmに下がったことにより、体感できるエンジンの余裕はむしろ上がっているともいえます。
つまり、アメリカ車のもつ「トルクで走る」イメージは健在といえるのです。
●大排気量の代名詞なキャデラックも2リッターターボで自動車税が安い!
アメリカのバイデン大統領も乗る、大統領専用車を作っているブランドとして名高いキャデラック。
こちらも各報道やアメリカ映画の影響で、大排気量で走るイメージが強いブランドだといえますが、現在、日本に導入されているキャデラックのセダンは、なんと2リッターターボのCT5のみ!
このCT5は5m近い全長でかなり大柄。CT5の前身ともいえるCTSなどは、このサイズに3.6リッターのV6を積んでいましたが、このCT5は240馬力で350Nmの2リッターターボに10速オートマチックミッションを組み合わせて、3.6リッターモデルを大きく超える加速感などを実現しています。
またキャデラックのSUVエントリーモデルであるXT4も、全長約4.6m、全幅約1.9mというエントリーモデルとは思えない大柄なボディに、2リッターターボエンジンを組み合わせています。
ここで紹介したシボレーやキャデラックの主力モデルは、2リッターターボエンジン搭載ということで、年間の自動車税はなんと3万9500円(令和元年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用乗用車は3万6000円)!
排気量で決まる自動車税ですから当然と言えば当然なのですが、大排気量のイメージが強いアメリカ車にしては、イメージが覆る感じがします。
ただし、カマロのSSやキャデラックの大型SUVであるエスカレードなどは、排気量が6.2リッターもあるので、年間の自動車税は11万1000円(同11万円)なんです…!
(写真:GMジャパン/文:松永 和浩)