■BEVによるロングドライブがより便利で快適に!
2023年のゴールデンウィーク中の高速道路の渋滞ピーク予想は、下り線が5月3日(水)〜4日(木)。上り線では5月3日(水)〜5日(金)となっています。
渋滞が長くなると、注意したいのが燃料不足によるガス欠や電気不足による電欠です。
渋滞を予想して早め早めの給油、充電を心がけたいところですが、高速道路のSAやPAに設置された急速充電器などのインフラは脆弱なため、電気自動車(BEV)のユーザーが集中すると待ち時間が長くなってしまいます。
筆者も昨年の夏に大阪まで日産アリアでロングドライブしましたが、当時90kWの急速充電器は新東名高速の長篠設楽原PAの下り線ぐらいしかなく、上りのほとんどが44〜50kWだったため、東京に戻るまで4回の充電を行うことになりました。
BEVに搭載されるバッテリーの容量が大きくなり航続距離走行距離が延びても、急速充電器などのインフラが拡充しないと、まだまだ利便性が低いと実感しました。
しかし、2023年のゴールデンウィークではBEVユーザーに朗報です。ネクスコ中日本管轄の新東名高速道路や中央自動車道で、急速充電器が拡充されています。
東日本と西日本を結ぶ大動脈の新東名高速道路では、2023年3月から、駿河湾沼津SAの上下線で、150kW級の急速充電器が1台設置されると同時に、4口のマルチコネクトタイプが設置され、同時に6台の充電が可能となりました。
最もスゴイのが浜松SAです。上下線で、150kW級の急速充電器が各1台設置されると同時に、6口のマルチコネクトタイプが設置され、同時に8台の充電が可能となっています。
また、充電器の設置されている場所も従来の駐車スペースと異なっているため、エンジン車が誤って駐車するということもなくなります。
さらに、中央自動車道では、山梨県の双葉SA上下線で6口のマルチコネクトタイプが設置されました。
そのほか、最近マルチコネクトタイプが設置されたSA、PAを紹介すると、ネクスコ東日本管轄では、常磐自動車道の友部SA上りが6口、下りが4口。関越自動車道三芳PA上り・下りが各4口。上里SA上り・下りが各6口。谷川岳PA上り・下りが各2口。
ネクスコ中日本管轄では、先ほどのサービスエリアに加えて、名神高速道路の多賀SA上りが4口。ネクスコ西日本管轄では、山陽自動車道の岡山県吉備SAの上り・下りに各6口。そして、九州自動車道の熊本県宮原SA上り・下り線に各4口が設置されています。
ネクスコ各社と株式会社e-Mobility Powerは、2022年度は、EV・PHEV向け急速充電器の新設機器更新(複数口化を含む)により、2021年度末から充電口数を82口増設しています。
さらに、2023年度は更なる新設・機器更新を進め、充電口数をさらに155口増設する予定となっています。
2021年度以降は、2台同時充電が可能な急速充電器の整備を主体として、2022年度以降は特にご利用回数の多いSA・PAにおいて、更に充電口数の多いマルチコネクタタイプ(6口)の急速充電器を整備し、2025年度には約1,100口を目指しています。
150kW級の急速充電器は、まだ駿河湾沼津SAと浜松SAですが、2台で充電しても90kW級となります。この急速充電器が充実していけば、BEVでの旅行の利便性は向上し、普及が加速する可能性が高まりそうです。
(文・写真:萩原 文博)