■使用済みバッテリーのリユースとして期待
EV(電気自動車)などの電動車の使用済みバッテリーは、主にリサイクル、リユースという活用方法があります。三菱自動車は、電動車の使用済みバッテリーを用いた自律型街路灯の開発検討を重ねてきました。
このほど、三菱自動車とMIRAI-LABOは、三菱自動車の岡崎製作所の所内にPHEV(プラグインハイブリッドEV)の使用済みバッテリーを活用した自律型街路灯を設置、実証実験を開始しました。
MIRAI-LABOは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた環境プラットフォームの構築、提供をはじめ、太陽光路面発電技術、EVリユースバッテリー技術、バッテリーの無瞬断切替技術、エネ照明技術などを軸とした自律型エネルギーインフラAIRの開発、提供を行っています。
自律型街路灯は、日中に太陽光で発電した電力を電動車の使用済みバッテリーに蓄電。夜間にその電力でLED照明を点灯させる街路灯です。2024年度内の販売開始を目指し、今回の実証実験では、使用時のバッテリーなどのデータを取得し、無日照日数の検証などが行われます。
2022年11月に環境省から脱炭素先行地域に選定された岡崎市と三菱自動車では、2022年6月にカーボンニュートラル社会の実現に向けた連携協定を締結。今回の実証実験は同連携の一環で、実証実験で得られた実績やノウハウが岡崎市と共有され、さらなる連携に向けて活用されるそうです。
実証実験の開始に伴って行われた点灯式では、岡崎市の中根康浩市長が「自律型街路灯は、先行地域事業にも位置付けていて、街行く人々の目に触れ、実際に体感していただける、目に見える脱炭素として非常に大きな取組みと考えています。岡崎市から全国へ広く普及していくことを期待しております」と挨拶。
世界初の量産EVを送り出し、PHEV化を進めている三菱自動車は、電動車のパイオニアとして培ってきた知見を活かし、バッテリーのリユースに取り組む構えです。さらに、岡崎市との連携を推進させ、脱炭素社会の実現に貢献するとしています。
(塚田 勝弘)