伝説の5ドア車!「くずはモール」で京阪5000系の展示を開始。レアな昇降式座席も

■大阪府の鉄道お楽しみおすすめスポット

●ラッシュ時の切り札として活躍した京阪5000系

大阪府枚方市の京阪本線・樟葉駅前にある「くずはモール」内のSANZEN-HIROBAがリニューアルされ、4月21日(金)にグランドオープン。新たに京阪5000系の展示が始まりました。

くずはモール内SANZEN-HIROBAでの展示が始まった京阪5000系
くずはモール内SANZEN-HIROBAでの展示が始まった京阪5000系

京阪5000系は、1970〜1980年に7両編成7本が導入されました。当時の京阪は、架線の電圧が600Vと低く(現在は1500V)、編成両数が7両に制限されていました。そのため、急速な宅地化による沿線人口の増大に対処しきれなくなっていました。

5000系は全長18.7mの中型車では標準的だった3ドアに対して、5ドア車としてラッシュ時の乗降時間短縮を実現。日本初の多扉車となりました。

現役時代の京阪5000系。5ドアを備えた多扉車なのが特徴です
現役時代の京阪5000系。5ドアを備えた多扉車なのが特徴です

なお、5ドアのうち2ドアは朝のラッシュ用で、それ以外の時間帯はラッシュ用ドアを締め切って3ドア車となり、ラッシュ用ドアの天井に格納している昇降式座席を降ろして使用する構造でした。

くずはモールでの展示に際して、5000系の内外装は登場時の状態に復元されました。スペースの関係上、5000系はカットボディとなっていますが、ラッシュ用ドアは残されました。また、5000系の特徴をプロジェクションマッピングで説明しています。

昇降式座席も稼働可能な状態となっていて、イベントなどで昇降実演が行われる予定です。

●京阪ファンにはたまらないSANZEN-HIROBA

SANZEN-HIROBAは、2014年3月12日にオープンしました。この施設の目玉は、デジタル動態保存されている京阪3000系テレビカーです。こちらは1両まるまる展示しています。

SANZEN-HIROBAのシンボルである京阪3000系テレビカー
SANZEN-HIROBAのシンボルである京阪3000系テレビカー

3000系テレビカーは1971〜1973年に製造された特急車両です。京都側先頭車に20インチカラーテレビを設置。屋根には八木アンテナを搭載していました。展示に際しては、内外装を極力、登場の姿に復元しました。当時のものとは違いますが、テレビも再設置しています。

今回のリニューアルでは、5000系の他に2600系の先頭部カットボディも展示されました。

2600系のカットボディも展示を開始しました
2600系のカットボディも展示を開始しました

2600系は、1978〜1982年に導入された通勤車両です。このうち0番代と呼ばれているグループは、1959年に登場した2000系(600V)仕様の車体を流用して1500V対応に改造しました。2000系は1960〜1970年代の京阪電車の標準車体となる「卵型電車」の嚆矢です。

また、高加減速性能が自慢で、「スーパーカー」と呼ばれていました。2600系を正面から見ると、特徴的な卵型車体がよく分かります。

京阪沿線ジオラマは、自分で運転ができます
京阪沿線ジオラマは、自分で運転ができます

SANZEN-HIROBAの魅力は車両だけではありません。特急車両8000系と通勤車両2600系の運転シミュレーターや、京阪電車の歴史や資料の展示、ジオラマなど、京阪ファンのみならず、家族連れでも楽しめる空間になっています。

京阪5000系や3000系・2600系がみんなを待っていますよ
京阪5000系や3000系・2600系がみんなを待っていますよ

GWは、リニューアルオープンしたSANZEN-HIROBAに行ってみてはいかがでしょう。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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