米国で「カローラ クロス」に2.0Lエンジン搭載のハイブリッド仕様が初設定。 国内仕様も改良へ

■第5世代のハイブリッドシステムを搭載

米国仕様のカローラ クロスHEV
米国仕様のカローラ クロスHEV

トヨタ自動車が2023年4月6日(現地時間)、第5世代のハイブリッドシステムを搭載した「カローラ クロス」を米国で6月に発売すると発表しました。

米国向けのカローラ クロスはこれまでガソリン仕様のみの設定でしたが、今回2.0Lダイナミックフォースエンジンを搭載したHEV(ハイブリッド)仕様を初めて設定。

エクステリアに関しては、フロントバンパーのグリルフレーム色や前後ランプ類の内部仕様などが日本仕様と異なっているようです。

米国仕様のカローラ クロスHEV 2.0Lエンジン
米国仕様のカローラ クロスHEV 2.0Lエンジン

TNGA-Cプラットフォームを採用しており、全グレード共にAWD(E-Four)仕様でシステム最高出力196hp(約199ps)を発生。

ハイブリッドシステムの軽量化などで0‐96km/h加速8.0秒をマークするそうです。

米国仕様のカローラ クロスHEV
米国仕様のカローラ クロスHEV

システムに電力を供給するバッテリーを後部座席下に配置することでラゲッジ容量を拡大しており、低重心化にも寄与。安全面では機能が強化されたトヨタセーフティセンス3.0を標準装備しています。

そんな米国向けカローラ クロスHEVは、アラバマ州ハンツビル市に設立されたマツダとの合弁新会社、「マツダ・トヨタ・マニュファクチャリング」で引き続き生産されます。

●国内仕様も今秋の改良でポテンシャルアップ

カローラ クロス 国内仕様
カローラ クロス 国内仕様

一方、国内市場では人気の高さや半導体不足の影響で生産遅延が顕著となったため、昨年末から受注停止状態が続いています。

今秋の一部改良で受注が再開される見通しで、先頃マイナーチェンジしたカローラシリーズと同様、1.8Lエンジンの改良やモーター出力向上などを施した第5世代ハイブリッドシステム搭載により、 システム最高出力は122psから140psへと向上する見込み。

カローラ クロス HEVのパワートレーン
カローラ クロス HEVのパワートレーン

これにより、0-100km/h加速が1.7秒短縮して9.2秒となる模様。

駆動用リチウムイオンバッテリーの刷新などで、WLTCモード燃費も現行の26.2km/Lから向上する見込みで、エンジンの回転上昇フィールについても改善されているようです。

●マルチメディア系や安全装備をアップデート

カローラ クロスのインテリア
カローラ クロスのインテリア

国内仕様は今回の改良で10.5インチディスプレイオーディオPlusや、12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ採用のほか、カラーヘッドアップディスプレイの搭載などを予定している模様。

カローラ クロスのインテリア
カローラ クロスのインテリア

またプリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロール、ロードサインアシストなどに新機能を追加すると共に、ドライバー異常時対応システムやプロアクティブドライビングアシストを新たに設定するなど、トヨタセーフティセンスについても進化しているようです。

●注目は「GRスポーツ」グレードの設定

カローラ クロス GRスポーツ(筆者予想)
カローラ クロス GRスポーツ(筆者予想)

そして国内で最も注目されるのが「GRスポーツ」の登場。

アジア市場向けには専用意匠で先行投入されていますが、いよいよ日本国内にも投入される見込みで、国内向けGR仕様のフロントマスクに加え、GR専用シート、専用サスペンション、専用アロイホイールなどが採用される見込み。

また、気になる新型カローラ クロスの車両価格については、改良を機に装備の充実が図られることから、現行の199.9万円~319.9万円に対して10~30万円程度の値上げが予想されます。

米国仕様のカローラ クロスHEV
米国仕様のカローラ クロスHEV

ちなみに、米国向けカローラ クロスHEVの販売価格はエンジンの排気量(2.0L)が異なることもあり、$27,970~$31,065と日本仕様より100万円以上高額。

日本市場では1年以上の納車遅延が続いたこともあり、新型を早期に入手するには、5月の連休明け頃から公開される詳報を参考に、正式発売を待たず先行予約しておくのが賢明そうです。

Avanti Yasunori

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カローラ クロス GRスポーツ
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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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