日産「エクストレイル」にハイブリッド追加。リーズナブルな価格280.5万円(2WD)/301.1万円(4WD)で人気を獲得【今日は何の日?4月7日】

■人気のエクストレイルの燃費をハイブリッド化で改善

2015年に追加されたエクストレイルハイブリッド
2015年に追加されたエクストレイルハイブリッド

2015(平成27)年4月7日、日産自動車は「エクストレイル」にハイブリッドモデルを追加することを発表しました。2013年の3代目に、「フーガ」などで採用されているパラレルハイブリッドを採用して、モーターアシストによる優れた走りと低燃費を実現しました。


●デビューから10年間SUV NO.1の座に君臨したエクストレイル

初代エクストレイルは、2000年に乗用車ベースのSUVとしてデビュー。強靭なイメージのバンパーや立体的で大きい角型ヘッドライトとリアライトを装備した、直線基調のボクシーなスタイリングが特徴です。

2000年に誕生した初代エクストレイル
2000年に誕生した初代エクストレイル

パワートレインは、2.0L直4 DOHCのNA(無過給)/ターボの2機種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせ、駆動方式はFFと4WDを設定。電子制御のオンデマンド4WDなので、ハードな悪路を走破するような本格的なオフローダーではなく、一般的なアウトドアの用途では十分な走破性を発揮する、ライト感覚のSUVでした。

200万円台という低価格の魅力もあり、ライバルのトヨタ・RAV4やホンダ・CR-Vを抑えて、2001年から国内SUV販売台数トップの座に10年にわたり君臨するという快挙を成し遂げたのです。

●ハイブリッドで高性能と低燃費を実現したハイブリッドモデル

2013年に登場した3代目エクストレイル
2013年に登場した3代目エクストレイル

大ヒットした初代に続いた2007年の2代目では、「ポスト新長期規制」をクリアしたクリーンディーゼルモデルを追加。2013年の3代目は、それまでのオフロード走行から、市街地のオンロード走行を重視したクロスオーバーSUVへと変貌しました。

フーガに搭載のハイブリッド(インテリジェントデュアルクラッチコントロール)。トランスミッションは、7速AT
フーガに搭載のハイブリッド(インテリジェントデュアルクラッチコントロール)。トランスミッションは、7速AT

そして2015年、ハイブリッドモデルを追加。ハイブリッドシステムは、「フーガ」や「スカイライン」などで採用されている“1モーター/2クラッチ”のパラレル方式です。

これは、「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」と呼ばれ、2.0L直4 DOHCエンジンとエレクトロニックCVTの間にモーターを挟み込み、エンジンとモーター間、CVTと駆動系の間それぞれに配置されたクラッチによって、エンジンとモーターを切替えて効率よく走行するシステムです。

価格は、2WD仕様280.5万円、4WD仕様301.1万円で、モーターアシストによる優れた走りと低燃費も実現、エクストレイルの人気を加速させていきました。

●インテリジェントデュアルクラッチコントロールの特徴

日産独自の“1モーター/2クラッチ”のパラレルハイブリッドは、クラッチをOFFにすることで駆動系からエンジンを切り離すことが可能なため、エンジンとモーターの出力を状況に応じて最適に使うことができます。

2022年にデビューした4代目(現行)エクストレイル。ハイブリッドは、e-POWERを採用
2022年にデビューした4代目(現行)エクストレイル。ハイブリッドは、e-POWERを採用

モーターによるEV走行から、エンジンとモーターを使ったハイブリッド走行まで、効率のよい走りができ、また減速エネルギー回生時やEV走行時には、エンジンを駆動系から完全に切り離すことができるため、連れ回りによるエンジン回転のロスがないのも特徴です。

そして、2022年にモデルチェンジした4代目エクストレイルでは、ハイブリッドシステムが第2世代e-POWERとVC(可変圧縮比)ターボエンジンに変更され、大きな注目を集めています。


都会的な多目的SUVが多い中で、エクストレイルはややオフロードな雰囲気の強いSUVです。都会派SUVであれ、オフローダーであれ、燃費は重視され、やはり電動化は避けられません。ハイブリッドシステムでもまたエクストレイルならではの踏み込むようなものが感じられてきますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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