三菱自動車新型「デリカミニ」は5月25日に発売開始!若いユーザーの獲得を狙い価格は180万4000円から

■好調な予約注文状況で、人気必至の新型軽スーパーハイトワゴン

三菱自動車といえば、かつてのパジェロや現在のデリカD:5のように、「タフギア」という言葉が似合うモデル、アウトランダーPHEVやeKクロス EVのような電動車両を思い浮かべる方も多いはず。ブランドのファンが大切なのは、どのブランド、メーカーにとっても例外ではなく、熱烈なファン(ロイヤルカスタマー)に向けた商品開発は当然といえます。一方で、新しいファンの獲得もブランドを飛躍させ、持続可能なものにするには不可欠です。

こちらのカラーは「ナチュラルスタイルアイボリーメタリック」
こちらのカラーは「ナチュラルスタイルアイボリーメタリック」

三菱自動車は、今までロイヤルカスタマーをメインターゲットとして、若いユーザーの獲得という課題があったそうです。高齢化が進んでいるといわれている自動車のユーザーですから、どのブランドでもある程度共通の課題ともいえます。

半楕円のヘッドライトとダイナミックシールドによるフロントマスク
半楕円のヘッドライトとダイナミックシールドによるフロントマスク

軽スーパーハイトワゴンのeKクロススペースを終了させ、新型デリカミニにスイッチした背景には、若いユーザーの獲得があったそうです。eKクロススペースもどちらかというと、三菱自動車の主要層である男性ユーザー、それもある程度年を重ねた層を訴求したような、タフな印象のエクステリアが与えられていました。

「アクティブトーンスタイル」と呼ぶディーラーオプションを装着
「アクティブトーンスタイル」と呼ぶディーラーオプションを装着

以前お伝えしたように、すでに予約注文が開始され、2023年3月5日時点で約7000台のオーダーを獲得している新型デリカミニ。2023年4月6日(木)、発売日が5月25日と発表されました。

eKクロススペースの使い勝手の高さを受け継ぎつつ、若い層や女性にも振り向いてもらえそうなエクステリア(とくにフロントマスク)が目を惹きます。軽自動車の中でも売れ筋の軽スーパーハイトワゴンであり、両側スライドドアによる良好な乗降性、広々として開放感あふれるキャビン、利便性の高いラゲッジスペースが魅力です。

ブラックのマッドフラップはディーラーオプション
ブラックのマッドフラップはディーラーオプション

●親しみやすさとタフなイメージを融合させた「ちょっとやんちゃな男のコ」のような顔つき

まずは、老若男女を問わず支持されそうなエクステリアをチェックします。内外装のデザインテーマは、「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」。

こちらのカラーは、「アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ」
こちらのカラーは、「アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ」

インテリアに関しては、好評だったというeKクロススペースから大きくは変わっていません。さらに、以前お伝えしたように、エクステリア担当のデザイナーによると、顔つきは、小学校低学年のやんちゃな男のコをイメージしたような、可愛さとタフさを融合させたそうです。とくに、女性ユーザーの獲得において、ひと目見て「可愛い」と思ってもらえる顔つきがとても大切とのこと。

サイドデカールはディーラーオプション
サイドデカールはディーラーオプション

具体的には、同社お馴染みの「ダイナミックシールド」をベースに、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトが組み合わされ、キリッとした顔つきながらも親しみやすい印象も受けます。前後には立体的な「DELICA」ロゴが配置され、デリカ・シリーズであることを強調。

前後に「DELICA」のロゴが備わる。リヤには小さく「MINI」のロゴも用意
前後に「DELICA」のロゴが備わる。リヤには小さく「MINI」のロゴも用意

また、光沢のあるブラックのホイールアーチに加えて、前後バンパー下部にプロテクト感のあるスキッドプレート形状が備わり、SUVらしい力強さと高い質感も表現されています。また、タフさが強調された形状でありながらもスタイリッシュさを持ち合わせた、ダークシルバー塗装のアルミホイールが足元を引き締めています。

「T Premium」の165/60R15タイヤ+15インチアルミホイール(4WD)
「T Premium」の165/60R15タイヤ+15インチアルミホイール(4WD)

ボディカラーは、デリカミニのコンセプトに合わせて新開発された、新色の「アッシュグリーンメタリック」を用意。こちらは、流行のアースカラー系で、アウトドアから都会まで、あらゆるシーンに馴染む色になっています。2トーンは6色、モノトーンは6色で、全12色展開。

ディーラーオプション装着車。こちらのカラーは「ライトニングブルーマイカ×ブラックマイカ」
ディーラーオプション装着車。こちらのカラーは「ライトニングブルーマイカ×ブラックマイカ」

ブラックが基調の内装は、水平基調のインパネに、アクティブで明るい雰囲気のアイボリーがアクセントカラーとして配されています。高めのシートポジションにより、視界の良さを確保しつつ、ワイド感や開放感の高さも享受できます。

新型デリカミニのインパネ
新型デリカミニのインパネ

さらに、アウトドア派や小さな子どもさんがいるファミリーにうれしいのが、通気性の良い撥水シート生地の設定です。加えて、座面や背もたれ中央部に立体的なエンボス加工が施され、蒸れにくく、座り心地のよい機能的なシートも美点。

新型デリカミニのフロントシート
新型デリカミニのフロントシート

後席は、320mmの前後スライドが可能で、広々とした後席足元空間を確保。左右別々でスライドと背もたれの前倒しも可能で、乗車人数や荷物の量に応じた多彩なシートアレンジも美点になっています。

●グレード展開は4機種

グレード展開は、「T Premium」、「T」、「G Premium」、「G」という4グレードで、「T」系はターボ、「G」系はNAエンジンが搭載されています。トランスミッションはCVTで、両エンジンともにモーターが組み合わされたハイブリッドのみとなっています。

左右別々に320mmの前後スライドが可能
左右別々に320mmの前後スライドが可能

主な標準装備とオプションをご紹介すると、「T Premium」と「G Premium」には、運転席側電動スライドドア(イージークローザー付、ハンズフリーオートスライドドア)、助手席スライドドア(イージークローザー付、ハンズフリーオートスライドドア)、電動格納式ヒーテッドドアミラー(ブラック)、アダプティブクルーズコントロールと車線維持機能であるマイパイロット(ACC/LKA)/ステアリングスイッチ(マイパイロット)、ステアリングヒーター、樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバック、撥水シート生地(合成皮革&ファブリック+PCVシートバック)、助手席シートバックテーブル(コンビニフック付)、デジタルルームミラー(マルチアラウンドモニター)、マルチアラウンドモニター(移動物検知機能付)、電動パーキングブレーキ&ブレーキオートホールド、リヤサーキュレーター、リヤロールサンシェード、165/55R15タイヤ&15インチアルミホイール(2WD)、165/60R15タイヤ+15インチアルミホイール(4WD)が標準装備されています。

新型デリカミニのラゲッジ
新型デリカミニのラゲッジ

また、「T Premium」にのみアダプティブLEDヘッドライト(ALH)をオプション設定。ターボの「T Premium」と「T」には、パドルシフト(NAモデルは未設定)が標準装備されます。

大開口を誇るラゲッジスペース
大開口を誇るラゲッジスペース

「T」と「G」の標準装備は、助手席スライドドア(イージークローザー付、ハンズフリーオートスライドドア)、電動格納式ヒーテッドドアミラー(ブラック、サイドアンダーミラー付)、撥水シート生地(合成皮革&ファブリック)、リヤビューモニター付ルームミラー(自動防眩機能付)、155/65R14タイヤ&14インチスチールホイール(フルホイールカバー付/2WD)、165/60R15タイヤ+15インチアルミホイール(4WD)。「T」と「G」の運転席側電動スライドドア(イージークローザー付、ハンズフリーオートスライドドア)は、オプション設定になっています。

インパネシフトを採用
インパネシフトを採用

「Premium」系の装備が充実しているのはもちろん、以前お伝えしたように、デリカミニの世界観を存分に享受するのであれば、165/60R15タイヤを履く4WDがオススメという話をエクステリア担当のデザイナーから伺いましたが、気になるのは価格面。

4WDの方が約16万円〜20万円ほど高くなっています。降雪地域の方はもちろん、ウインタースポーツなどのアクティビティを目一杯楽しむのであればオススメの4WDを、デリカミニのデザインを気に入って非降雪地域での街乗り中心であれば、2WDモデルを選択するのが現実的といえそうです。

「ワイルドアドベンチャースタイル」と呼ぶディーラーオプションなどを装着する
「ワイルドアドベンチャースタイル」と呼ぶディーラーオプションなどを装着する仕様

●価格
「T Premium」:207万4600円(2WD)、223万8500円(4WD)
「T」:188万1000円(2WD)、209万2200円(4WD)
「G Premium」:198万5500円(2WD)、214万9400円(4WD)
「G」:180万4000円(2WD)、201万5200円(4WD)

(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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