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■ガソリン車好きなドリキン土屋圭市がBEVに乗ってみた
ガソリン臭くて、音がうるさくて、手動式のサイドブレーキが付いたクルマが好き!と公言しているドリキンこと土屋圭市氏。
そんなドリキンに今回は、大磯プリンスホテルで開催されたJAIIA(日本輸入車組合)の試乗会で、最新の輸入車BEV(バッテリー電気自動車)に一気乗りしてもらいました。
後半はボルボC40リチャージとBMW i4の2台。ドリキンはどのように評価したのでしょうか。
●スポーツカーのようなボルボC40の走りは楽しくて笑いが止まらない!
ボルボは、2025年までにグローバルで販売するボルボ車の50%をBEVにすること。さらに、2030年には販売する全てのクルマをBEVにすることをいち早く発表した自動車メーカーです。
そのボルボが、初のBEV専用モデルとして2021年11月に導入したのが、C40リチャージで、オンライン販売のみとなっています。車両本体価格はシングルモーターが659万円、ツインモーターが759万円です。
C40リチャージは、XC40から採用したCMAプラットフォームをベースに、ボルボ初のBEV専用モデルとして設計されたモデルです。ボディサイズは全長4,440mm×全幅1,875mm×全高1,595mmとなっています。
C40リチャージの外観デザインは、新しいフロントデザインを採用。最先端のピクセル技術を用いたLEDヘッドライトで、先進性をアピールしています。クーペライクなスタイルを採用し、低いルーフラインに合わせて印象的なリアエンドデザインとなっています。
インテリアは、ボルボとして初めて、完全なレザー(本革)フリーインテリアを実現。動物福祉のための倫理的な立場を表明しており、今後登場するBEVはレザーフリーとなります。
C40に搭載されているパワートレインは、最高出力231ps・最大トルク330Nmを発生するシングルモーターと、69kWhのバッテリーを搭載するシングルモーター。そして最高出力204psを発生するモーターを前後に搭載し、78kWhのバッテリーを搭載するツインモーターの2種類で、今回はツインモーターに試乗しています。
満充電時の走行可能距離は、ツインモーターが485km。シングルモーターが434kmとなっています。
しかし、2023年3月にC40リチャージは一部改良を行い、ツインモーターを廃止し、シングルモーターはこれまでの前輪駆動から後輪駆動へと大きく変わります。ツインモーターは在庫のみの販売となっているそうです。
C40に搭載されているインフォテイメントシステムは、Googleと共同開発したAndroid OSをベースにしたモノ。
Google のアプリとサービス、Volvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)、ワイヤレス・スマートフォン・チャージへのアクセス、およびサービスを実行するために必要なすべてのデータ通信が含まれており、これらの機能は新車から4年間、無償提供されます。
また、ヒートポンプ機能を採用し、外気温が低い時、周囲の空気またはバッテリーから熱エネルギーを得て、このエネルギーを放出する事でキャビンを暖めます。
運転支援システムは、先進の安全・運転支援機能「対向車対応機能」や「歩行者・サイクリスト検知機能をはじめ、「全車速追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」「パイロット・アシスト(車線維持支援機能)」など充実しています。
ボルボC40リチャージを試乗したドリキンのコメントはこちら。
●まるでスーパースポーツカーみたいだな! 笑うしかないw
「今回試乗した4台の中で、一番驚いたし、楽しかったのがボルボC40リチャージ。前後に搭載されたツインモーターによる加速は、まるで瞬間移動。スポーツカーメーカーが作ったクルマみたいで、これまでのボルボのイメージが一変した。
タッチパネルのボルボは反応が良いけれど、やはりシフトレバーがあるのが良いね。迷わない。これまでの操作系を残してくれるのは我々世代には大切だね。そしてシンプルで余計なものがないメーター見やすいし、情報過多にならないのがいい。
このC40リチャージの走りは楽しい、笑うしかないね。前後のタイヤサイズが違うけれど、これだけのトルクとパワーだから仕方ないかな。こういう点にもボルボのマジメさが出ていると思う。
足回りもスポーツSUVそのもので、サスペンションの設定は硬めだけど、路面の悪い西湘バイパスを走っていてもゴツゴツ感はない。このツインモーターはもう在庫のみというから、気になる人はチェックしてもらいたい。今後は後輪駆動になるみたいだから、それもチェックしたいね」とのこと。
● i4 eDrive40 Mスポーツは車両重量が重くなってもガソリン車と変わらないハンドリングの良さは、さすがBMW!
最後に試乗したのは、BMW i4 eDrive40 Mスポーツで、車両本体価格は790万円です。i4は4ドアクーペモデル、4シリーズグランクーペに2022年2月に追加されたBEVです。
i4のボディサイズは全長4,785mm×全幅1,850mm×全高1,455mmで、最高出力340ps、最大トルク430Nmを発生するモーターをリアに搭載し、後輪を駆動させるRRの駆動方式を採用。
バッテリー容量は83.9kWhで、満充電時の走行可能距離は590kmとなっています。
このBMW i4 eDrive40のほか、前後に高出力モーターを搭載したトップモデルのi40 M50、そして満充電時の走行可能距離532kmを誇るi4 eDrive35の4グレードが用意されています。
i4のフロントデザインは、ガソリン車の4シリーズ同様に、BMWのアイコンとなるキドニー・グリルを、1930年代に一世を風靡したBMW 328、1960年代に登場のBMW 1600やBMW 2002同様に、縦型にデザインすることで、スポーティかつエレガントなキャラクターを際立たせているのが特徴です。
i4はサスペンション取り付け部やアンダー・フレームを強化すると共に、高剛性ボディを採用。
また、アルミニウム材を、ボンネットだけではなく、エンジン・キャリアや、エンジン・キャリア接続部に用いることで、ボディ剛性の強化と軽量化という相反する性能を実現。さらに、大きな開口部を持つハッチバック化に伴う車体剛性低下を補うために、リア周りにはブレースを追加しています。
i4はBMWの最新世代運転支援システムを搭載。高性能3眼カメラ&レーダー、および高性能プロセッサーによる高い解析能力の最先端運転支援システムが標準装備となり、高速道路での渋滞時において、ドライバーの運転負荷を軽減し、安全に寄与する運転支援システム「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」が装備され、一定の条件下において、ステアリングから手を離しての走行が可能となっています。
コネクティビティでは、「OK, BMW」と話し掛けることで、車両の操作、目的地の設定等が可能なうえ、Apple CarPlay への対応、BMWコネクテッド・ドライブ標準装備により、スマートフォンで事前に検索した目的地を車両に送信する等、高い利便性が特徴です。
また、車両のキーを持たずとも、スマートフォンをドアハンドルにかざすことで、車両のロック解除/施錠、さらには、エンジンの始動も可能となっています。
土屋さんがBMW i4をドライブしたコメントはこちら。
●瞬間移動した!? さすがBMW、らしいクルマ作りに脱帽!
「i4 e-Drive40の最高出力は340ps。やはり、これだけパワーがあるので瞬間移動のような加速をするし、これも笑うしかないね。スポーツモードでも突き上げ感がないし、コンフォートモードは抜群の乗り心地だね。
ミニバンやSUVといった背の高いクルマばかり乗っていると、改めてセダンの良さがわかる。セダンは横Gを感じない。ミニバンやSUVは横Gを感じやすいから疲れるけれど、セダンは感じない分、疲れにくい。
操作系もスイッチが直感的に操作できるし、車両重量は2tを超えているけれど、ハンドリングの良さは全くスポイルされていない。改めてBMWの安定したクルマ作りを感じることができたよ。
このi4は満充電時の走行可能距離は590km。エアコンなど電装品を使用しても400km走行できて、790万円は高くはないと思う」とのこと
今回、土屋さんと同乗試乗を行いましたが、その中で土屋さんも言っていたように、BEVがさらに普及するには、高出力の急速充電器が充実していかないと厳しいと感じました。そしてバッテリーの進化が、普及の鍵を握っていることは間違いないでしょう。
土屋さんのインプレッション動画はこちら ↓ !
(文・写真:萩原 文博)