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■ハイソカーをけん引したソアラも4代目で終焉を迎える
2001(平成13)年4月3日、トヨタの高級パーソナルカー「ソアラ」の4代目が登場しました。
初代ソアラは、1981年にデビューして、“ハイソカー”を代表するクルマとして大ヒット。4代目は、電動式メタルトップの高級オープンクーペに変貌し、最後のソアラとなったのです。
●ハイソカーブームの火付け役となった初代ソアラ
1981年に誕生した初代ソアラ(Z10系)は、スポーティな高級2ドアセダンの先駆けとして、その後バブル時代の象徴となったハイソカーブームの火付け役となりました。
欧州車にも負けない最高級スペシャリティカーを目指して開発されたソアラには、当時のすべての先進技術が結集され、国内最強の170PSを発揮する高性能6気筒の2.8L(5M系)と2.0L(1G系)エンジンを搭載。特にインテリアに、デジタルスピードメーターやマイコン式オートエアコン、エア式のランバーサポートなど、国内初となる数多くのエレクトリック技術が採用されたのも斬新でした。
ターゲットにしたのは40歳代以上のハイステータスのサラリーマンでしたが、高級車ながらスポーティさをアピールしたソアラは、若者の憧れのクルマとしても大人気となったのです。
●2代目はバブル景気で加速、3代目はバブル崩壊で失速
1986年に登場した2代目(Z20系)ソアラは、初代のイメージを引き継ぎながら、より洗練されたスタイリングとパワフルなターボエンジン(1G系/7M系)を搭載。上品なスタイリングと力強い走り、そして先代を上回る先進技術満載の2代目ソアラは、バブル景気と重なったこともあり、400万円を超える最上級モデルが飛ぶように売れました。
そして、バブルが崩壊した1991年に3代目(Z30系)ソアラに移行。初代と2代目が採用した直線基調のフォルムを、フロントノーズからリアデッキにかけて曲面で構成されたフォルムに一新。また、3代目からは「レクサスSC」という車名で北米に進出、グローバルなモデルと位置付けられました。
北米でレクサスSCは人気モデルとなり、レクサスブランドの知名度アップに一役買いましたが、日本では、バブルの崩壊によって飛ぶように高級車が売れた時代が終焉、厳しい販売を強いられたのです。
●最後のソアラは電動メタルトップのコンバーチブルに大変身
2001年に登場した4代目(Z40系)ソアラは、3代目の流れを汲んで北米をはじめとする海外市場を重視した高級クーペとなりました。
流線型のフォルムに、当時のトヨタのフラッグシップ「セルシオ」と同じ、最高出力280PSを発揮する4.3L V8 DOHCエンジン(3UZ-FE型)と電子5速ATを組み合わせたパワートレインを搭載。最大の特徴は、電動で開閉できる“電動格納式メタル(アルミ)トップ”の採用です。約25秒でクーペ←→オープンへと変身できるハードトップのコンバーチブル搭載の4代目の標準価格は600万円、これは初代ソアラのほぼ倍の価格です。
この4代目を最後にソアラの名前は消滅、2005年に「レクサスSC(コンバーチブル)」へ一本化されましたが、そのレクサスSCも2010年に生産を終了。4代目ソアラも、3代目同様に国内販売は低迷しました。
曲面を多用したグラマラスなコンバーチブルの4代目ソアラ。高級クーペとして魅力的ではありますが、初代や2代目の直線基調のシャープなソアラに憧れた人には、違和感や失望感があったのではないでしょうか。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)