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■2024年1月〜3月に運行
東急電鉄は、伊豆の豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を、四国・瀬戸内エリアで運行すると発表しました。
このプロジェクトは、四国・瀬戸内エリアの観光振興・地域活性化に向けて、東急電鉄とJR四国・JR西日本・JR貨物が協力して取り組むものです。
運行ルートは岡山駅を起点として高松、松山を4日間かけて巡り、『その地域ならではの食・文化に触れながら、記憶に残る最高の「美しさ・煌めく旅」を提供します』というもの。2024年1月〜3月の間に、6回程度の運行を予定しています。
「ザ・ロイヤルエクスプレス」は電車で、運行予定区間は電化されていますが、途中にある断面の小さなトンネルに対応していません。そのため、電気機関車が「ザ・ロイヤルエクスプレス」を牽引する手法が採られることになっています。また「ザ・ロイヤルエクスプレス」に電力を供給するための電源車が連結されます。
運行は、JR西日本が岡山〜児島間、JR四国が児島から瀬戸大橋を渡って四国島内の運行を担当。また、JR西日本の電気機関車が岡山〜高松間を牽引し、JR貨物の電気機関車がそのほか、四国島内を牽引することが発表されています。
形式は発表されていませんが、JR西日本はEF65形、JR貨物はイメージイラスト通りならEF210形が牽引することになりそうです。
●「ザ・ロイヤルエクスプレス」の内装は超豪華
「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、東急グループの伊豆急行が保有し、東急電鉄が運営。JR東日本・伊豆急行線の横浜〜伊豆急下田間を運行しています。
内外装は、ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏がデザインしました。水戸岡氏は、JR九州の新幹線、特急車両、観光車両をはじめ、地方私鉄の観光車両のデザインを多数手がけていて、その独特なデザイン手法に定評があります。
「ザ・ロイヤルエクスプレス」は、豪華な内装と一流料理を提供して、ゆったりとくつろいで移動することができるのが大きな魅力。
編成は1・2号車がゴールドクラス、3号車がイベントに対応したマルチカー、4号車がキッチンカー、5・6号車がプラチナクラス用ダイニングカラー、7・8号車がプラチナクラスの客席となっています。また、1号車には展望室、8号車にはライブラリーが設置されています。
四国・瀬戸内エリアで運行する編成は1・4〜6・8号車の5両編成となる予定です。
●機関車牽引の「ザ・ロイヤルエクスプレス」は北海道で実績あり、2023年も運行予定
機関車が「ザ・ロイヤルエクスプレス」を牽引するというスタイルは北海道で実績があり、2020年夏から「ザ・ロイヤルエクスプレス 北海道クルージングトレイン」として運行しています。
「ザ・ロイヤルエクスプレス 北海道クルージングトレイン」は、北海道胆振地震の復興支援と、道内各地の観光振興と地域活性化プロジェクトの一環として企画されました。運行ルートは札幌を発着地として、専用バスと組み合わせて、十勝・釧路・知床・北見・富良野を4日間で周遊しました。
「ザ・ロイヤルエクスプレス 北海道クルージングトレイン」の運行区間の多くが非電化路線であり、また、電化方式も東急の直流電化とは異なる交流電化であるため、JR北海道のディーゼル機関車が牽引するスタイルを採用。「ザ・ロイヤルエクスプレス」へ電力を供給するための電源車を連結。電源車は東急電鉄がJR東日本から購入した客車を改造したもので、「ザ・ロイヤルエクスプレス」5両分の電力を供給することができます。
「ザ・ロイヤルエクスプレス 北海道クルージングトレイン」は好評で、今年2023年も運行を予定しています。
出発日が8月18日(金)・25日(金)・9月1日(金)の便は、従来通り道東を巡るルートで運行。9月8日(金)・15日(金)・22日(金)出発の便は、道北を巡って稚内まで往復する新ルートが設定されます。
北海道での運行に続き、四国・瀬戸内エリアでも運行することになった「ザ・ロイヤルエクスプレス」。夏の北海道に対して、冬のクルージングエリアとして定着するのか、注目したいところです。
(ぬまっち)
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