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■オジさんライダー(筆者)も魅了されたヤマハのカスタム車2台
最新テクノロジーを搭載しながらも、ネオレトロなスタイルが魅力のヤマハ発動機(以下、ヤマハ)のヘリテージスポーツ「XSR」シリーズ。
900ccの「XSR900」や700ccの「XSR700」といった大型モデルのほかに、あらたに125ccの「XSR125」も市販を予定していることが発表され、大きな注目を集めています。
そんなXSRシリーズのフラッグシップXSR900に、ビキニカウルやシングルシート、マットブラックの特別塗装を施したカスタム仕様「XSR900 Knight of the “9”」がモーターサイクルショーに参考出品され、大きな話題を呼んでいます。
また、ニューカマーとなるXSR125にも、フロントカウルやスペシャルシートを装備した市販予定のアクセサリー装着車が登場。
いずれのカスタム車も、クラシカルでレーシーなカフェレーサー的スタイルがかなりかっこよく、注目度も満点です。
第50回 東京モーターサイクルショー(2023年3月24日〜3月26日・東京ビッグサイト、通称「東京MCショー」)で、実際にこれらを見てきましたので、早速紹介しましょう。
●XSR900がよりワイルドに変身
今回のショーでヤマハは、XSR900のカスタム提案車を4台展示しましたが、それらの中でも筆者的に最もお気に入りだったのが、XSR900 Knight of the “9”です。
主なカスタム内容は、フロントカウルやシングルシート、フェンダーなどをオリジナルのカウルセットに変更。燃料タンクなども含め、全体的にマットブラックにゴールドのラインを入れたスペシャル塗装を施しています。
また、エンジンのクランクケースカバーやクラッチカバー、ウォーターポンプカバーには、表面がザラザラとなる「ちぢみ塗装」という特別なペイントも施して、スペシャル感を演出しています。
ほかにも、ホイールやドライブチェーン、スプロケットなどもカラーリングを変更。マフラーは、アクラボビッチ製フルエキゾーストタイプのスペシャル仕様に換装することで、さらにスポーティさを加味しています。
これらにより、全体のフォルムや色調は、1960年代などに人気を博したカスタムスタイルのカフェレーサーを彷彿とさせつつ、現代風なアレンジも加味している極上の仕上がり。特に、マットブラックを使ったボディは、ワイルドさも満点で、個人的には「このまま市販して欲しい」と懇願したくなるほど、かっこよさ満点でした。
ちなみに、このカスタム車は、参考出品ですが、おそらくカウルキットなどは、ヤマハの用品を手掛けるワイズギアが発売を予定する純正アクセサリーをベースにしているのではないでしょうか? フロントカウルやシートカウルのデザインが、かなり似ていますからね。
ちなみに、今回、会場にはその市販予定パーツ装着車も数台展示されていましたが、なかでも、ホワイトボディにレッドのラインが入った「Authentic Sports Blood line外装セット」を装着したXSR900は、先述したマットブラックのカスタム車とはまた違った意味でよかったですね。
なにせ、その雰囲気やスタイルは、1970年代や1980年代に、世界最高峰2輪レース「WGP(ロードレース世界選手権)」で活躍したヤマハのワークスマシンを彷彿とさせるのですから。昔からの2輪レースファンである筆者としては、こちらもじっくりと眺めてしまいました。
なお、Authentic Sports Blood line外装セットは、2023年6月に発売予定で、価格(税込)は22万円(取り扱いはYSP限定)。XSR900のオーナーや、これから車両の購入を考えている人のなかでも、特に往年のレーシングマシン好きなどには、かなり注目です。
●XSR125にも流麗なフロントカウルを装着
一方、XSR125のカスタム仕様車。こちらも、流麗なフォルムのフロントカウルなどが装着され、スポーティかつレトロな雰囲気が満点です。
ちなみに、XSR125は、主に、二輪免許取り立てなどの若いライダー向けエントリーモデルとして、ヤマハが市販を予定している原付二種スポーツモデル。まだ、詳しいスペックなどは未発表ですが、クラシカルなスタイルを持つXSRシリーズ共通のスタイルを持つことで、やはり注目度が高いモデルです。
今回、スタンダード仕様の隣に展示されたカスタム車は、同じく市販予定のアクセサリーを装着した仕様です。主な装着パーツは、フロントのビキニカウルをはじめ、段付き仕様でよりスポーティさを演出するカスタムシート、エンジン下にマウントするスキッドプレート、アルミ製のクランクケースカバーなど。
スタンダード仕様がライトブルーの車体にブラウンのシートを装備するのに対し、こちらはレッド×ブラックのボディカラーを採用し、さらにスポーティ感をアップさせていることも印象的です。
また、やはり往年のカフェレーサーをイメージさせると共に、小柄な原付二種バイクならではの軽快感もあることで、個人的にはかなり注目です。筆者のようなオジさんライダーでも、主に街乗りで使うセカンドバイクなんかにはいいな、なんて思ってしまいました。
バイクの楽しみ方にはさまざまありますが、愛車を「自分仕様」にできることが、カスタムの魅力。特に、ネオレトロなバイクが好きなライダーは、ぜひこうしたカスタム車も参考にしてみて下さい。
(文:平塚直樹 /写真:平塚直樹、ヤマハ発動機)