新型「プリウスPHEV」の価格は460万円。19インチタイヤは最大87kmのEV走行が可能

■メーカーオプションの17インチタイヤを履けば、105kmのモーター走行が可能に

2023年3月1日(水)、トヨタは新型プリウスPHEVを3月15日(水)に発売すると発表しました。

新型プリウスPHEVが発売
新型プリウスPHEVが発売

プリウスPHEVのユーザーは、できるだけEVとして走りたい(モーター走行)というニーズが強いそうです。

新型プリウスPHEVのEV走行距離は19インチタイヤ装着車で87km、17インチタイヤ装着車では先代比75%向上になる105kmを達成しています。EV走行距離は、いずれもWLTCモード・充電電力使用時走行距離。日常の買い物程度であれば、EVとしてまかなえそうです。

ボディカラーは「エモーショナルレッドⅡ」
ボディカラーは「エモーショナルレッドⅡ」

同時に新型プリウスPHEVは、システム最高出力164kW(223PS)というハイパワーを実現しつつ、19インチタイヤ装着車は26.0km/L、メーカーオプションの17インチタイヤ装着車は30.1km/Lという低燃費を達成しています。

新型プリウスPHEVは、ハイブリッドモデルと同じ、ワイド&ローが際立つデザインが与えられています。PHEV専用のデザインとして、スポーティかつダイナミックな造形の19インチアルミホイール、先進性を印象づける金属調シルバー塗装のロアグリルと、グレースモークカラーのテールランプが用意されています。

リヤコンビネーションランプ&LEDバックアップランプ
リヤコンビネーションランプ&LEDバックアップランプ

新型プリウスPHEVには、トヨタ初採用となる新開発の2.0Lプラグインハイブリッドシステム(シリーズパラレルプラグインハイブリッドシステム)が搭載されています。駆動方式はFF(2WD)のみ。

最新の第5世代ハイブリッドシステムがベースで、コンパクトでありながら大容量の駆動用バッテリーをはじめ、高出力の駆動用モーターが組み合わされています。

新開発の2.0Lプラグインハイブリッドシステム(シリーズパラレルプラグインハイブリッドシステム)が搭載
新開発の2.0Lプラグインハイブリッドシステム(シリーズパラレルプラグインハイブリッドシステム)が搭載

システム最高出力は先代から約2倍となる164kW(223PS)、0-100km/h加速は6.7秒でクリアします。クローズドコースで走らせる機会がありましたが、速さとフットワークは、先代から大幅な進化を実感できます。

また、山道などでアクセルとブレーキの踏み替え頻度が高いシーンで活躍する「回生ブースト」機能の搭載もトピックス。設定に応じてBレンジ以上に相当する強い回生ブレーキを発生させ、ペダルの踏みかえ回数を減らしながら、意のままの走りを引き出すことができます。

充電イメージ
充電イメージ

発電・給電機能では、バッテリーに貯めた電力を外部に給電できる「EV給電モード」に加え、停電や災害などの非常時にクルマを電源として活用できる「HEV給電モード」が設定されています。

HEV給電モードでは、はじめはバッテリーのみで給電し、バッテリーが一定の残量を下回るとエンジンがかかり給電を継続。バッテリー満充電、ガソリン満タンの状態から約5日分の電力を供給できるため、給油できれば災害時などである程度の期間「走る電池」として使用できます。

ソーラー充電システム
ソーラー充電システム

給電用装備として、車内への虫や雨水の侵入を防ぐ外部給電アタッチメントが標準装備され、ドアガラスを閉じたままでの外部給電が可能になり、より安心して外部給電ができるようになっています。また、付属のヴィークルパワーコネクターを充電インレットに差し込むことで、100V/1500Wの外部給電コンセントとしても活用できます。

外部給電アタッチメント
外部給電アタッチメント

さらに、ルーフに太陽光パネルを設置できます。太陽光を効率よく電力に変換し、1年間でEV走行1250km分に相当する電力を生み出せる第2世代の「ソーラー発電システム」をメーカーオプションで設定。高効率ソーラーパネルがルーフに搭載され、充電スタンドがない駐車場や災害などで停電した場合でも、太陽光があれば充電ができます。

ソーラーパネルで発電された電力は駐車中は駆動用バッテリーに充電。走行だけでなく、エアコンなど多様な機能に電力が供給されます。走行中は、補機バッテリー系統に給電することで、駆動用バッテリーの消費低減に寄与します。

内装色は「マチュアレッド」
内装色は「マチュアレッド」

そのほか、普通充電時にパワースイッチをオンにすると、外部電源の電力を使い、エアコンやオーディオが使える「マイルームモード」も搭載。エンジンをかけずに車内で快適に過ごすことが可能で、車内をもう1つの部屋としてテレワークや休憩などに活用できます。

月販基準台数は、PHEVが450台、ハイブリッド仕様が4300台になっています。

●価格
「Z」:460万円

(塚田勝弘)

【関連記事】

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる