メルセデス・ベンツ「Aクラス」がマイナーチェンジ。スポーティな外観と最新世代の「MBUX」にアップデート

■「パワードーム」を備えたエクステリアにリフレッシュ

2023年2月27日(月)、メルセデス・ベンツのAクラス、Bクラスのマイナーチェンジモデルが発売されました。ここでは、新型Aクラス、Aクラスセダンについてお届けします。

マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツAクラス
マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツAクラス

現行Aクラスは、2018年10月に初めて対話型インフォテイメントシステムである「MBUX」を擁して日本に上陸。

ワイド&ローのスタイリッシュなフォルム、衝突被害軽減ブレーキや自動再発進機能を備えるアダプティブクルーズコントロール(アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック)やアクティブパーキングアシストなどの先進安全装備が用意されています。

AMGラインのフロントグリル
AMGラインのフロントグリル

Aクラスのユーザーは平均年齢が56歳で、男性が64%、女性が36%。会社員や専業主婦、定年退職した会社員などが多いそうです。

また、スポーティなハッチバックということもあってか、他ブランドからの買い替え、新規顧客の獲得にも寄与しているとのこと。

マイナーチェンジを受けた新型Aクラスのリヤビュー
マイナーチェンジを受けた新型Aクラスのリヤビュー

一方のAクラスセダンは会社員や定年退職をした方が多く、平均年齢は58歳、男性が72%、女性が28%と男性ユーザーの比率が高く、平均年齢も少し高くなっています。購入理由は、セダンというボディタイプであること、エクステリアデザインや高い安全性が支持されているそうです。

新型のエクステリアは、前下がりのプロポーションが印象的。ボンネットに、メルセデスお馴染みのパワードームを備え、動きのあるスポーティなフロントマスクを構築しています。さらに、シャークノーズと呼ぶシャープなフロントセクションが前下がりの重心感を醸し出しています。

ボンネットに迫力をもたらすパワードームを配置する
ボンネットに迫力をもたらすパワードームを配置する

また、スポーティ仕様である「AMGライン」は、マットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターが配置された、シングルルーバータイプの「スターパターンフロントグリル」が備わります。なお、標準仕様はブラック仕上げ。

新型Aクラスのヘッドライト
新型Aクラスのヘッドライト

さらに、AMGラインには下部に広がる台形と両サイドに大口径のエアインテークが配置され、よりパワフルでレーシーな新デザインのフロントバンパーに刷新。また、シャープな造形の水平基調ヘッドライトデザインも採用されています。

リヤまわりでは新デザインのリヤディフューザーが与えられ、スポーティで安定感のあるスタンスに映ります。また、LEDリヤコンビネーションランプのデザインもヘッドライトと同様に、水平基調になりシャープなリヤビューをもたらしています。

新デザインのアルミホイール
新デザインのアルミホイール

足元には、ブラックペイントが施された新デザインのアルミホイールを用意。標準仕様には、17インチの5ツインスポークアルミホイール、AMGラインには、18インチの5ツインスポークアルミホイールが備わります。ボディカラーでは、新色「ローズゴールド」が追加されています。

インテリアも大きく変わっています。最大の見どころは、対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」がCクラス、Sクラスと同世代の最新世代にアップデートされ、音声操作での操作性が向上した点。

音声認識機能は、多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、気象情報)に加えて、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応。

新型Aクラスのインパネ
新型Aクラスのインパネ

また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも操作可能で、ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることができます。

加えて、メルセデス・ベンツの最新世代のナビに加えて、Cセグメントで初めて拡張現実の「MBUX AR(Augmented Reality)」ナビが採用されたのも注目点。Sクラス、Eクラス、Sクラスなどの上位モデルに採用されていた最新技術が、Aクラスでも享受できるようになっています。

タッチパッドが廃止され。すっきりしたセンターコンソールに
タッチパッドが廃止され。すっきりしたセンターコンソールに

さらに、センターコンソールのタッチパッドが廃止され、すっきりしたセンターコンソールまわりになっています。タッチパッドの廃止は、多機能化とMBUXの進化によるものだそう。

■ステアリングに静電容量式センサーを採用

新世代のステアリングホイールも採用されています。オプションの「AMGラインパッケージ」を選択すると、3本のツインスポークにより未来的なスポーティさを演出。ナビやインストルメントクラスター内の設定、ドライバー支援システムの設定を手元で完結できるのも特徴です。

ステアリングホイールに静電容量式センサーを用意
ステアリングホイールに静電容量式センサーを用意

ステアリングにはリムに静電容量式センサーを備えたパッドが備わり、ステアリングにかかるトルクがなくても、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識されやすくなり、「ディスタンスアシスト・ディストロニック」の操作性が向上。

またインテリアでは、オプションの「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」を選択すれば、従来、設定がなかったシックで高級感のあるインテリアを醸し出す本革ブラックにすることもできます。

安全装備では、A 200 d、A 200 dセダンには、ライトシステム「アダプティブハイビームアシスト」が標準化されています。状況に応じてハイビームとロービームを切り替え、ヘッドライトの照射範囲を自動調整し、状況を問わず常に最大限の視界を確保できるそう。

また、音響装備も合計10スピーカー、225W出力の「アドバンストサウンドシステム」が設定され、高音質サウンドを享受できます。

マイナーチェンジを受けたAクラスのフロントシート
マイナーチェンジを受けたAクラスのフロントシート

今回のマイナーチェンジではプラグインハイブリッドが廃止されています。これは、バッテリーEVのEQAが好評を得ているということもあるそうです。

エンジンは1.4L直噴ガソリンターボ、2.0L直噴ディーゼルターボの2本立て。またAMG仕様は、準備が整い次第、近日日本に上陸を果たす予定とのこと。

パッケージングの面での変更はないようだ
パッケージングの面での変更はないようだ

A 180に搭載されるガソリンエンジンの「M282」型には、「デルタ形シリンダーヘッド」が備わり、シリンダーヘッドが三角柱を横に寝かした形状になっています。

通常のシリンダーヘッドに比べると、装着時に高さが出てしまう一方で、幅や重さが小さくなり、軽量化、省スペース性能に貢献します。また、この高圧縮比4気筒エンジンは、ノイズの低減にも注力されていて、吸気ダクトにヘルムホルツ共鳴器を採用。触媒コンバーターには、遮音シールが施されたほか、カバーにもノイズ低減の役目を持たせているそう。

写真は2.0Lディーゼルターボエンジン
写真は2.0Lディーゼルターボエンジン

一方、A 200に搭載される2.0Lディーゼルエンジンである「OM654q」は、最高出力150PS(110kW)・最大トルク320Nmというアウトプットを誇り、トルクフルな走りと低振動で高い静粛性を両立。シリンダーピッチを90mm、シリンダー間の厚みを8mmとして、全長をコンパクトにまとめられたシリンダーブロックが軽量化のためにアルミニウム製になり、ピストンはスチール製になります。熱膨張率の異なる素材を採用することで、40%以上の摩擦低減に寄与しています。

Aクラスのラゲッジ
Aクラスのラゲッジ

そのほか、マイナーチェンジ前と同様に、最新の安全装備、ドライバーサポートを用意。

マルチパーパスカメラとレーダーセンサーを使う「インテリジェントドライブ」として、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」「アクティブブレーキアシスト」「トラフィックサインアシスト」「アクティブレーンキーピングアシスト」「ブラインド・スポットアシスト(降車時警告機能付)」「ドライブアウェイアシスト」「アクティブパーキングアシスト」が備わります。

●価格
「A 180」:498万円
「A 200d」:558万円
「A 180 セダン」:505万円
「A 200 d セダン」:570万円

(文・写真:塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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