運転前には「#猫バンバン」! 猫の命とクルマを守ろう【2月22日は猫の日】

■猫の日を契機に始めたい運転前のボンネット叩き

もうすぐ2月22日、「にゃん、にゃん、にゃん」の猫の日です。この日は、かわいい猫と一緒に暮らせる幸せに感謝する日だそうで、愛猫家の筆者も、当日は我が家のご主人様(飼い猫)にたくさんの感謝を送りたいと思っています♪

猫は、寒い日などにクルマの中に入ることもある
猫は、寒い日などにクルマの中に入ることもある

そんな猫の記念日も近づいた昨今ですが、まだまだ寒い日が続くこの時期には、クルマで出かける前に気をつけたいことがあります。

それは、エンジンルーム内に入り込んだ「猫」。野良猫はもちろん、家で飼っている猫でも外に散歩にでかけたり、脱走して家が分からなくなるケースもあり、そういった子たちが、エンジンルームなどの見えない車内で、ひっそりと寝ていることがあるのです。

もし、そんな時に気づかずエンジンを始動してしまうと大変。猫が大けがをしたり、最悪は命を落とすことも。また、クルマにも重大なトラブルが起こってしまう危険性があるのです。

そんな猫やクルマに関するトラブルを未然に防ぐのが「猫バンバン」。一体、どんなことをやるのか紹介しましょう。

●冬場に多い猫のトラブルとは?

ロードサービスを手掛けるJAFによれば、「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」ことが原因で救援要請を受ける事例は、毎年一定数あるそうです。

エンジンルーム内は猫にとって快適な場所
エンジンルーム内は猫にとって快適な場所

たとえば、2022年の1月1日(土)〜1月31日(月)の1ヵ月間だけでも全国で21件。このうち、エンジン始動後に気づいてJAFを呼んだケースは11件もあったそうです。

JAFによれば、「猫が入り込んでいることに気づかずエンジンをかけてしまうと、エンジンやパワーステアリング、エアコンなどの機器にあるベルトなどに巻き込まれる場合」があるといいます。

そうなると、猫の命が危険にさらされることはもちろん、クルマのエンジン関連部品などにも、さまざまなトラブルが起こることがあります。

特に、猫を巻き込んだまま気づかずにしばらく乗り続けてしまうと、エンジン音の異変や異臭がすることも。こうしたケースでは、エンジンに悪影響が出る可能性があるため、JAFなどのロードサービスを呼んだり、ディーラーや修理工場などに連絡する必要があります。

●なぜ猫はエンジンルームに入るのか?

では、なぜ猫はエンジンルーム内に入ってしまうのでしょうか? 同じくJAFによれば、理由は「猫は暖かい場所や狭い場所を好む」ため。

ベルト類などの近くに猫が潜んでいると、重大なトラブルになることも
ベルト類などの近くに猫が潜んでいると、重大なトラブルになることも

駐車しているクルマのエンジンルームは風雨が入りにくく、特に、寒い日は周辺に比べて暖かい場所だといえます。

また、エンジンルーム内は猫が好きな暗く狭い空間。特に、人の往来が少ない場所に駐車しているクルマの場合は、警戒心の強い猫にとって、エンジンルーム内はとっても安心できる場所なのです。

そして、そんなエンジンルームにいる猫に気づかずにエンジンをかけてしまうと、猫は驚いてパニック状態になる可能性もあり、前述の通り、回転部分などに巻き込まれてしまうこともあるのです。

小さな体ですきまに入り込みやすい子猫は、特に注意が必要
小さな体ですきまに入り込みやすい子猫は、特に注意が必要

しかも、こうした出来事は瞬間的に起こるため、ドライバーが気づいたときはもはや手遅れ。尊い命が失われたり、クルマにダメージが出たりするのです。

ちなみに、JAFによれば、こうした痛ましい事故は「冬場だけでなく、1年を通じて発生している」といいます。特に、子猫の場合は、小さな体ですきまに入り込みやすいので、子猫が生まれる季節も注意が必要です。

また、過去には、猫だけでなく、ネズミやヘビが入り込んだり、鳥が巣を作ったりした事例もあったそうです。

●乗車前の軽い「バンバン」で守れる命

では、そんな悲しい事故を防ぐためには、どうしたらいいのでしょうか? まず、エンジンルームでスヤスヤと寝ている猫は、ドライバーが車内に乗り込んでも気づかないこともあるそうです。

ボンネットをバンバンと数回軽く叩くのが「猫バンバン」
ボンネットをバンバンと数回軽く叩くのが「猫バンバン」

そのため、ただ近づくだけでは、事故を防止できないため、なんらかの方法で猫に人間の存在を知らせる必要があるのです。

それが、前述の「猫バンバン」です。これは、クルマに乗車する前に、ボンネットをバンバンと数回軽く叩き、車体を揺らすアクションのこと。警戒心の強い猫は、この音に驚いてクルマから出てくる可能性があります。

ただ、すべての猫がそうだとは言い切れず、叩いて出てくるかは「個猫差」もあるそうです。そこで、叩いた後に、猫の声や気配を感じたらボンネットを開けて、中まで確認してみることが有効だといいます。

ほかにも、エンジンをかける前にクラクションを鳴らすことも効果的。また、日頃から猫をクルマに近づけないように、屋外でクルマを保管する場合は、市販の猫避けグッズや忌避剤(臭いなどで近づけさせない薬剤)を使う方法もあります。

●猫バンバンは日産の活動が由来

ちなみに、「猫バンバン」というフレーズは、日産が行っている啓蒙活動が由来だといわれています。同社では、2015年に公式ツイッターで「#猫バンバン」を発信したところ、SNS上で多くの反響があり、2016年からプロジェクトを本格始動。

日産の「#猫バンバン」ロゴ
日産の「#猫バンバン」ロゴ

現在も、公式ホームページで、プロジェクトムービーを公開しているほか、50匹の個性あふれる「#猫バンバン ロゴ」を無料ダウンロードできるといったサービスを実施。

また、抽選で6000名に当たる特製ステッカーのプレゼントも行っています(2023年の応募期間は3月5日まで)。

猫バンバンというアクションを楽しく学べる内容ですから、興味がある人は、ぜひサイトを覗いてみて下さい。

(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)

【関連リンク】

日産:#猫バンバンプロジェクト公式サイト
http://www.nissan.co.jp/SOCIAL/CAMP/NEKOBANBAN/

出展:日産自動車Youtube公式チャンネル

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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