■独立したフロントサスペンションとリジッドリアアクスル、4つの電気モーターを装備
メルセデス・ベンツは現在、人気オフローダー「Gクラス」(ゲレンデヴァーゲン)のエレクトリック版となる『EQG』を開発していますが、その最新プロトタイプを捉えるとともに、内部を激写しました。
初めて捉えたコクピットには、ドライバー側からセンタースタックまで広がるワイドなデジタルディスプレイを搭載。新設計のフラットボトムステアリングホイールを装備するなど、ベースとなるGクラスと非常に似たレイアウトに見えます。
中央にある丸いエアベントと、ボタンのあるクラスターも一見、同じに見えますが、Gクラスがデフロックするための3つのロッカースイッチを配置するのに対し、EQGでは、「ローレンジ」ボタンと「Gターン」機能を有効にするスイッチが見られます。
さらに下に移動すると、アナログ時計と周囲のボタンが削除されているなど、Gクラスより洗練されている様子が伺えます。
エクステリアは、依然デジタルカモフラージュで覆われていますが、フロントエンドでは、最終的にコンセプトモデルのようにグリルが完全に囲まれていない可能性もあるといいます。
また、空気力学的に最適化されたホイールと、抗力を最小限に抑えるのに役立つと思われる、独自のフェンダーフレアベントも確認できます。
市販型では、独立したフロントサスペンションとリジッドリアアクスルを装備し、4つの電気モーターとGターン(ドーナツターン)モード、およびファンが期待するすべてのオフロード機能も搭載されています。
同ブランドでは、バッテリーパックが低重心を提供、電気モーターが巨大な牽引力と制御性を備えており、「急な坂道や深い地形でも有利であることを証明している」と語っています。
またシリコンアノード技術を使用する拡張バッテリーパックをオプションで提供することが明らかになっています。
これはエネルギー密度を20~40%増加させ、同じスペースにより多くのエネルギーを蓄えることで航続距離を大幅に伸ばすことが可能になるといいます。
先日報じたとおり、現在メルセデスは「EQ」ブランド廃止に向けて動いている可能性が高く、市販型では「EQG」を名乗るか断言できません。このGクラスEV版のワールドプレミアは、2023年内と予想されます。