【今さら聞けない】ナンバーに絵が描いてある「図柄ナンバー」って何?取得する方法は?「ご当地ナンバー」「図柄入りナンバープレート」のすべて

■「義務」から「アピール」へのシフト。みんなの愛車が地域の魅力の発信源となる

図柄入りナンバープレートの一部
ふるさとの特徴をカラフルにグラフィック化

世に連れ、新しいテイストがどんどん登場してくるのが自動車のスタイリングです。車体が低くてかっこいいスポーツカーや、家族でどこかに出掛けたくなるファミリーカーなど、所有欲を刺激してくれる魅力的なカタチがあふれています。

一方、どんな自動車でも、車両を登録し公道を走る際においてかならず装着しなければならないのが、ナンバープレートです。

こちらは、車両デザインやボディタイプなどの相性とはなんら関係なく、ずいぶん長いあいだ決められた規格・寸法・色のままでした。そこには、ユーザーが自分の好みを反映する余地はなかったのです。

図柄入りナンバープレート一覧
図柄入りナンバープレート一覧

流れが変わったのは2006年10月でした。自治体の提案によって、地域に根差した新たな地名を表示できる「ご当地ナンバー」が登場したのです。 1998年からの希望ナンバー制度と合わせて、義務で付けなければならない「標章」から、能動的に選べるアイテムになった瞬間でした。 2017年からは、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの特別仕様のナンバープレートを皮切りに、ナンバープレートの背景にデザインが描かれた「図柄入りナンバープレート」が登場します。

●ふるさとを描いた美しいグラフィックとともに駆け抜ける歓び「図柄入りナンバープレート」

地方版図柄入りナンバープレート
全国58の地域に導入されている

さらに、2018年からは「町おこし」という目的を一歩進め、「地方版図柄入りナンバープレート」が登場します。 各地域の特徴ある景勝地、イベント、地元球団のマスコットなどが、文字・番号の判読を邪魔しない範囲で描かれ、ナンバープレートの背景をカラフルに彩っています。味気なかったナンバープレートのオシャレ度が一気にアップしました。

サイズが固定のナンバープレートは、さながらキャンバスのようで、図柄一覧を見ると全国のご当地物産展をながめているような楽しさがあります。できればふるさと納税のように、気に入った図柄ナンバーを付けてみたくなりますが、残念ながら管轄地以外のナンバープレートを付けることは、さすがに叶いません。

街を走るクルマを見ると、図柄ナンバーが増えてきていることがわかります。ときどき、旅先などで見慣れない図柄ナンバーを見つけると旅情も増すというものです。

可愛い図柄は、とくにお子さんの反応がいいようです。小さな子にはマイカーをもっと身近に感じてもらって、将来のクルマ好きに育ってもらいたいですね。ショッピングモール駐車場で迷ってしまったときの目じるしにもなりますし。

ちなみに、さまざまな図柄は、ペイント(塗装)ではなく、特殊な印刷をほどこしたフィルムシートによるもの。表現力が高く、かつ耐候性の高いシートが開発できたから、実現できたプロジェクトなのです。

●やわらかアタマの発想で地元の魅力を発信。カラフル&キュートな原付のご当地プレート

松山市の原付ご当地ナンバー
松山市ホームページより

ここで話題を変えて、原動機付き自転車(原付)のナンバープレートについても紹介しましょう。2007年から原付にもいわゆるご当地プレートが導入されており、こちらは形状の自由度も高いとあって、自治体ごとに趣向を凝らしたデザインで地元のアピールを競っています。導入する市区町村も600を超えており、とても活性化していることを感じます。

愛媛県松山市では雲の形をモチーフとしていたり、滋賀県の彦根市では、ゆるキャラのひこにゃんを図柄のメインに扱ったりと、ながめるだけで楽しいナンバープレートがたくさんあります。

喜多方市の原付ご当地ナンバー
喜多方市ホームページより

 

●シンプル志向の方にオススメの、背景に淡い花柄をあしらった「全国版図柄入りナンバープレート」

全国版図柄入りナンバープレート
全国版図柄入りナンバープレート(寄付金あり仕様)

そして2022年4月からは、新たに「全国版図柄入りナンバープレート」がスタートしています。こちらの図柄は全国共通で、花柄の背景のみの設定になります。ご当地感あふれるアピールはちょっと苦手で、シンプルな絵柄にしたいという方にぴったりでしょう。

図柄をよく見てもらえるとわかりますが、描かれている花は一種類ではありません。都道府県を代表する花たちが綺麗なグラデーションで、ナンバープレートにフラワーロードを描いています。

これは「日本を元気に!」「立ち上がれ!美しい日本」をテーマに、実際に公募で選ばれたデザインをもとに作られたそうです。

地方版図柄入りナンバープレートの種類
寄付金をすれば、図柄がカラー化される

そして、この「全国版図柄入りナンバープレート」は、種類がふたつあります。通常版はモノトーンなのですが、別途1,000円以上(100円単位)の寄付金をプラスすると、カラー版を選べる仕組みになっています。あまり主張をしたくない場合はモノクロを選べばいいと思いますが、やはり綺麗に花柄を見せたいならカラー版一択です。

ちなみに寄付金は、日本デザインナンバー財団という団体を通じて、バリアフリー化や観光地の環境整備などに充てられるそうです。支払った寄付金はクルマ社会において、誰かのために貢献できる仕組みになっているのです。

●赤がかわいらしい、「大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート」

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大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート(寄付金あり仕様)

2022年10月からは、2025年に開催される大阪・関西万博の公式ロゴマークのフォルムをモチーフとしてデザインされた、「大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート」も交付開始しました。万博開始前から楽しみが増えますし、赤の色がとても映えるデザインなので、気持ちも明るくなりますよね。

上段の全国版図柄入りナンバープレートと同様、こちらも交付料金に別途1,000 円以上(100円単位)の寄付金をプラスすると、カラー版を選べる仕組みになっています。

こちらの寄付金は、大阪・関西万博の開催に関連した交通サービスの充実などに使用されます。

●現在の番号のまま「図柄入りナンバープレート」に交換可能。専用サイトも完備、申込みはスマホでOK!!

図柄入りナンバープレート申し込み方法
申込みはカンタン

気に入った図柄が見つかったなら、すぐに交換したくなった方もいるでしょう。ほとんどは、新車購入時に販売店等で希望ナンバーとともに申し込むケースが多いと思われますが、好きなときに申し込むことができます。現在の番号を変えずに図柄入りナンバープレートに交換することもできるのです。

ご自身で手続きをするなら、図柄ナンバー申込サービスに、手続きの流れが詳細に載っています。指定のブラウザーを使えば、スマホからでも手続きをすることができます。窓口でも申し込むこともできます。手続き状況の進捗も知ることができ、図柄入りナンバープレートを取り付けるにあたっての不安を、できるだけ少なくする工夫がなされています。お住まいの地域に予約センター窓口が設けられているので、ここでも手続きは難しくありません。

交付までのスケジュール
申し込みから交付まではおおむね2週間かかる

申し込み(入金確認)から交付まではおよそ2週間くらいかかります。交付料金は2枚セットで7,380円から10,010円。地域や図柄、クルマの種類によって価格が異なることがあるので、事前にチェックしておきましょう。破損してしまった等の場合にも対応しており1枚だけでも申請は可能です。

このところ納期が延びがちな新車購入時は融通がきくと思いますが、在庫車をすぐに納車したい中古車購入の場合は、上手にタイミングを合わせて「図柄入りナンバープレート」を申し込みましょう。

(文:畑澤 清志/画像提供:国土交通省)

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【関連リンク】

図柄ナンバー申込サービス
https://www.graphic-number.jp/