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■大掛かりな渋谷駅工事の第4段階
●山手線渋谷駅ホームを内・外回り共用に改良
1月7日〜8日(2023年)、JRは渋谷駅の山手線外回りの線路の移設工事と山手線ホームの拡幅工事を実施しました。
従来の山手線渋谷駅ホームは外回りと内回りで別々となっていました。今回の工事では外回りホームを撤去して外回り線の線路をホーム跡に移設。さらに内回りホームを外回り線側に拡幅して、外回り・内回り共用ホームとしました。
渋谷駅改良工事のため、1月7日・8日は山手線外回りの大崎〜新宿〜池袋間を終日運休とし、池袋〜東京〜大崎間の運転本数は通常の3割程度に削減しました。
一方、山手線内回りも池袋〜新宿〜大崎間の運転本数を通常の7割程度に削減。残る3割は外回り線の折り返し列車として大崎〜東京〜池袋間で運転しました。
運転本数が減った山手線を補完するため、埼京線・湘南新宿ラインの大崎〜新宿間の臨時列車を運行。また、相鉄直通列車は日中の発着駅を新宿から池袋に変更しました。
また、田端〜品川間で並行する京浜東北線は快速運転を中止して山手線を補完しました。
山手線内・外回りを同一ホーム化したことに伴い、階段・エスカレーターの新設・廃止も実施しているので、1月9日以降渋谷駅を利用する際は注意が必要です。
●渋谷駅の線路切換工事は5段階で実施予定
JR渋谷駅は2015年から改良工事を行っています。山手線と埼京線の線路切換工事もその一環で、2018年5・6月にSTEP1、2020年5・6月にSTEP2、2021年10月にSTEP3、そして今回STEP4の工事を実施。STEP5で線路切換工事が完了する計画です。
STEP1・STEP2は埼京線の線路・ホーム移設関連でした。STEP1で埼京線上り線の線路を東側に移設して嵩上げ。STEP2では埼京線下り線の線路を東側に移設して嵩上げし、さらに埼京線ホームを北へ350m移動して山手線ホームの隣に設置しました。
この工事では埼京線・湘南新宿ラインの大崎〜新宿間を運休とし、この区間を通過する特急は運転区間を変更しました。
かつて、埼京線のホームは山手線の南側に大きくずれていました。その理由は埼京線はもともと山手貨物線であったものを旅客線化したからです。またその当時、山手線ホームの東側には東急東横線の渋谷駅が隣接していて、山手線ホームの横にホームを設置する余地がなく、その結果、貨物ヤードの跡地に埼京線ホームを設置したのです。
なお、東急東横線の渋谷駅は2013年3月に地下に移転したことにより、埼京線の線路とホームの移設が実現しました。
STEP3〜STEP5は山手線関連の工事です。まずSTEP3では山手線内回りの線路を東に移設して、内回りホームを拡幅しました。
この時は山手線内回りの池袋〜新宿〜大崎間が運休となっています。また、品川〜新宿間に山手貨物線経由の臨時列車を運転したことが話題となりました。
今回のSTEP4で内・外回りを同一ホーム化した渋谷駅。最後のSTEP5では山手線の線路とホームを嵩上げする予定です。
(ぬまっち)