目次
■旧車の運転に関するアンケート調査
国産スポーツカーを中心に近年人気が高い旧車。
魅力のひとつには、運転が楽しいということをよく耳にしますが、一方で、最新型のクルマと比べると、運転中は気にしなければならなことも多そうなイメージがあります。
では、実際に、旧車オーナーは、愛車を運転する上で、どんなことに気をつけ、どういったことが大変だと思っているのでしょうか?
旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車では、旧車に興味のある199名を対象に、旧車の運転に関するアンケートを実施。
その結果、旧車乗りの約44.7%が、トラブルに関し常に不安を持っていることなどが分かりました。
●旧車の運転はトラブルの不安がつきもの?
今回の調査は、2022年12月15日〜2022年12月26日の期間、インターネットによるアンケート形式で行われたものです。また、ここでは、2010年以前のクルマを旧車と定義しています。
調査では、まず、「旧車を運転する上で大変だと思うことはありますか?」といった質問を実施。結果は以下の通りです。
1位:「トラブルに対して常に不安を抱えている」 89票
2位:「ガソリンの消費が早い」 54票
3位:「大変だと思うことはない」 52票
4位:「エアコンがない(効きが悪い)」 47票
5位:「ヘッドライトが暗い」 35票
※上位5位までを抜粋
1位には、前述の通り、「トラブルに対して常に不安を抱えている」が入り、全体の約44.7%を占めました。
旧車乗りの多くが、愛車のトラブルを気にしながら運転しているようですね。よく旧車では、モデルや年式にもよりますが、オイル漏れや電気系のトラブル、サビや腐食によるトラブルが多いと言われますが、そうしたことを気にしながら乗っている人も多いようです。
●突然に発生した重ステの原因
実際に、筆者も、9年ほど前に、2001年に登場したBMW製「ミニクーパーS」の初代モデルに乗っていましたが、やはりトラブルにはいつもドキドキしていました。
きっかけは、ある日突然にオルタネーターが故障し、バッテリーに充電されなくなってしまったこと。しかも、首都高速道路を走行中、コーナー手間で急に電動パワーステアリングが効かなくなり、ハンドルが超重くなる「重ステ」になってしまったのです。
いつもよりハンドルが重いことで、あやうくコーナーを曲がりきれないところでしたが、なんとか急減速をし、その時は事なきを得ましたが、かなり冷や汗ものでした。
しかも、輸入車ということで、オルタネーターの修理代もかなり高く、当時、国産車なら4万〜5万円ですむといわれていたのに対し、リビルト品を使っても15万円近くかかり、出費の面でもかなり痛かったことを覚えています。
軽量ボディにスーパーチャージャー付き1.6L・4気筒エンジンを搭載、6速マニュアルシフトを駆使した走りは、かなり楽しかったモデルですが、その事件以来、いつ故障するかの方が気になり、結局すぐに売ってしまいました。
筆者はこの時に、「古いクルマ、しかも輸入車に乗ることは、それ相応の覚悟がいる」ことを実感しました。
ちなみに、今回のアンケートで2位は、「ガソリンの消費が早い」。旧車は最新のクルマに比べたら燃費が悪く、またガソリン価格も少しは下がったとはいえまだまだ高い傾向。「乗るには出費もかさむ」と思っている人も多いようです。
また、3位には、意外にも「大変だと思うことはない」が入っています。そうした人は、よっぽどメンテナンスをこまめにやっているのか、故障が少ない「当たり」モデルに乗っているのかも。もしくは「故障することも含め」愛車に愛情を持っているのかもしれません。
●旧車の定期的なメンテナンスが最多
アンケートでは、次に、「旧車の運転で気をつけていることはありますか?」といった質問を実施。結果は以下の通りです。
1位:「定期的なメンテナンスを心がける」 126票
2位:「雨の日は乗らない」 75票
3位:「走らない日も定期的にエンジンをかける」 67票
4位:「暖気時間を十分にとる」 56票
5位:「弱っている箇所を労わりながら運転する」 51票
※上位5位までを抜粋
最も多かった回答が「定期的なメンテナンスを心がける」で、全体の63.3%以上を占めています。
最初の質問で最多だった「トラブルに対して常に不安を抱えている」に対し、対策している人が多いことが分かりますね。旧車乗りの多くが、日頃から愛車のメンテナンスをよく行っているようです。
2位の「雨の日は乗らない」も旧車乗りの多くがやっていることをよく耳にしますね。旧車は、これも年式やモデルにもよりますが、水抜けが悪い構造だったり、防錆性が甘かったりするクルマもあると聞きます。
もし雨に降られた場合は、車庫に入れてから水を拭き取ったり乾かしたりと、雨には苦労している旧車乗りの人も多いのではないでしょうか。
3位に入った「走らない日も定期的にエンジンをかける」ということは、旧車に限らずクルマを維持するためには必要なことですよね。特に、長い期間クルマに乗らないと、エンジンの故障やバッテリーの充電がなくなる原因になりやすいですからね。
ほかにも、足まわりのゴム類やタイヤなどが劣化しやすいなど、クルマに長く乗らないと故障の原因をまねきやすい部品は多いといえます。
長期間乗らない場合でも、週に1回は30分ほどでもいいのでしばらくの間走行するか、時間がないときは駐車場で少し動かすだけでも、部品の寿命を延ばすことができるようです。
●運転時に便利なナビ、スマホを使う人が40.6%
ちなみに今回の調査では、「運転中のナビゲーションは何を使っていますか?」という質問も行っていて、1位には「スマートフォン(タブレット)」が入り、全体の40.6%を占めています。
比較的年式が新しいクルマであれば、今や純正のナビゲーションシステムは当たり前ですが、旧車の場合は、元々付いていないのか、あっても古くて使えないモデルも多いのでしょう。
しかも最近はスマホのナビアプリはそこそこ使いやすいですから、新たに社外ナビなどを付けるよりも、スマホで十分と思っている人も多いようです。
ともあれ、今回の調査を見る限りでは、旧車乗りの多くは、愛車のトラブルに気を付けながら運転し、日々のメンテナンスもしっかりしている人が多い傾向にあるようです。
また、毎日乗れなくても定期的にエンジンをかけたり、走らせたりする人も多いようですから、旧車のオーナーには、愛車へこまめな配慮を注いでいる人が多いことも分かります。
(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)