■国からのお墨付きを得たドライバー異常時対応システム(DEA)
マツダCX-60が、ドライバー異常時対応システム(DEA)に関する最新の「国連協定規則第79号第4改訂」を踏まえた改正保安基準に適合し、日本で初めて型式指定を取得しました。適合するのは、日本仕様の「e-SKYACTIV D」「SKYACTIV-D 3.3」「e-SKYACTIV PHEV」「SKYACTIV-G 2.5」搭載モデルになります。
マツダは、2040年を目途にクルマに関する技術で対策可能なものについて、同社の新車が原因になる「死亡事故ゼロ」を目指しています。
その一環として、2022年9月に販売が開始されたCX-60から、意識を喪失したドライバーが運転を継続できないと判断した場合、クルマが自動で減速停止し、緊急通報までつなげる先進安全技術「ドライバー異常時対応システム(DEA)」が導入されています。
今回の型式指定の取得は、上記の改正保安基準の新型車への適用が予定される2023年9月に先駆けたもので、日本初。この型式指定は、国土交通省の方針に沿ったものになります。
同省は2016年3月に、ドライバー異常時対応システムの「単純停止方式」と「車線内停止方式」のガイドライン策定をリード。
さらに、2018年3月には、「路肩等退避型(高速道路版)」のガイドライン策定を主導してきました。2019年8月には、「路肩等退避型(一般道路版)」のガイドラインに発展しています。
加えて、日本が世界で初めて要件化したこうしたガイドラインをベースに、2021年6月、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において、国連協定規則第79号4改訂案が合意されたことを受けて、2022年1月には、道路運送車両の保安基準(1951年運輸省令67号)の改正が行われています。
CX-60に搭載されている「ドライバー異常時対応システム(DEA)」のリスク低減機能が、改正保安基準で定める国連協定規則第79号第4改訂の技術要件に適合するものとして、国土交通大臣より型式指定を取得したことになります。
2022年1月7日の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の一部改正ほか」では、ドライバーが意識喪失などにより無反応状態になった際に、自動で安全に停止や操舵する緊急機能を備えるクルマについて、国連協定規則第79号の要件が適用されるようになりました。
作動例(要件例)は、ドライバーをモニタリングし、その状態を検知(手動作動開始も可)し、ドライバーに警報を発報(少なくとも作動開始5秒前)し、ドライバーの介入がない場合、車両を減速し停止(減速度=4m/s2以下)となっています。
また、車線変更機能付の場合は、車線変更先の車線の安全が確認された際に、車線変更(周辺検知機能装備)すること。さらに、車線変更完了後、道路脇に停止(方向指示器とハザードの切り替え)することが作動例(要件例)となっています。
(塚田勝弘)