目次
■大型化と上質化によってワンランク上のアッパーミドルセダンへ
2008(平成20)年12月5日、ホンダの「アコード」が7回目のモデルチェンジで、8代目アコードに移行。セダンとワゴンが用意されましたが、ワゴンは「ツアラー」と名称が変更。大型化や安全装備の充実などで、ワンランク上を目指してブラッシュアップが図られました。
●大ヒットのファミリーカーも、上級化するにつれ販売は低迷
初代のアコードは、シビックのワンランク上のセダンとして1976(昭和51)年にデビュー。シビックをベースにボディとエンジン排気量を拡大して、ゆとりの室内スペースとシビックゆずりの走りが人気を呼び、特に米国では大ヒットを記録しました。
1981年デビューした2代目は、キープコンセプトながら米国における海外ブランド車のトップセールスを記録。3代目は、ワイド&ローのスタイリングにリトラクタブルヘッドライトでスポーティさをアピール。4代目は、固定ヘッドライトに戻して4WSやABSが装備されたのが特徴でした。
その後5代目は、衝突安全設計を採用するとともに、全幅の拡大により3ナンバーボディに。6代目は全車VTECエンジンを搭載し4WD車を設定。7代目は国内仕様が欧州仕様と統合され、再び全車3ナンバー化され、上級化が進みました。
しかし、2000年を迎える頃にはセダン冬の時代が到来、販売は徐々に伸び悩みました。
●さらに大型化してすべてをブラッシュアップした8代目
2008年に登場した8代目アコードの開発目標は、ボディを大型化してすべてをワンランク上げることでした。
ボディタイプは、セダンとワゴンの2種で、ワゴンは「ツアラー」と名称が変更。ツアラーに変更したのは、ワゴンのイメージよりも、楽しくツーリングするというイメージを強調するためでした。
スタイリングは、先代の低いノーズとウェッジシェイプを継承し、ワイドトレッド化することで室内空間は先代よりも拡大。パワートレインは、2.0Lエンジンを廃止して2.4L直4 DOHC i-VTECエンジンとマニュアルモード付5速ATの組み合わせのみ、駆動方式はフルタイム4WDが廃止されFFのみとなりました。
また、安全装備として“モーションアクティブEPS”を採用。これは、エアバッグシステムやトラクションコントロール、横滑り防止VSAを協調制御するシステムです。
8代目アコードは、乗り心地や静粛性などレベルアップしましたが、市場の評価はアコードがまた大きくなったといった程度でした。販売も伸び悩み、ヒットすることなく2013年に9代目にモデルチェンジしました。
●ホンダアコードの生産が一旦終了
9代目アコードから全車ハイブリッド専用モデルとなり、2017年(日本の発売は2020年)にはさらに上質感や走りをレベルアップした10代目がデビューしました。
ところが、レジェンド、インサイトに続き、今年の9月にアコードも生産を終えました。在庫がなくなり次第販売も終了するそうですが、アコードがこのまま消えるということでなく、次期モデルが登場するまで一旦生産を終了するということのようです。
海外では人気があるアコードなので、近々モデルチェンジされるでしょうが、販売が低迷している日本で販売するかどうかは不透明です。
レジェンド、インサイトに続きアコードも販売終了となれば、日本市場においてホンダのセダンが消滅することになります。軽自動車は絶好調のホンダ、コンパクトのみならず、ミドルサイズ以上の魅力的な車両にも期待したいですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)