SNSで話題!特急券なしで乗れるJR特急列車とは?

■本来は有料だけど特例で無料に!

宮崎〜南宮崎間を走行中の特急「きりしま」。この区間は特急料金が不要です

最近SNSで、特急券なしで特急に乗車している写真が話題になっています。

本来、JRの特急列車に乗車するためには特急券を購入しなくてなりません。しかし、JRの特急列車にも特急料金不要で乗車できる特例があります。ここではそんな特例を紹介します。

●JR九州は宮崎と佐世保に特例区間を設定

JR九州には、特急料金不要の特例を採用している区間が、宮崎〜宮崎空港間と早岐〜佐世保間の2ヵ所あります。

どちらも運賃だけで普通車自由席に乗車できるほか、普通車指定席には普通列車の指定席券、グリーン車には普通列車用グリーン指定席券で乗車することができます。また、特例区間外から特急を利用する場合は特例区間の特急料金は計算されません。

宮崎空港駅に停車中の特急「にちりん」

宮崎〜宮崎空港間は宮崎空港と宮崎市内のアクセスの利便性を図ったものですが、特例区間内の宮崎駅・南宮崎駅・田吉駅・宮崎空港駅の相互で利用することができるので、宮崎空港駅に行かない人でもこの区間では特急を無料で利用することができます。

特例が適用される列車は「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」「きりしま」「海幸山幸」。

全車グリーン車指定席の「36ぷらす3」も他の特急と同様に、普通列車用グリーン車指定席料金で利用することができます。

早岐駅に停車中の特急「みどり」

早岐〜佐世保間は、2018年3月17日に普通列車が8往復廃止されたことの代替策として特例が適用されていて、「みどり」を利用することができます。

この区間には大塔(だいとう)駅と日宇(ひう)駅がありますが、特急「みどり」は停車しません。

●東北新幹線アクセスの名残が今も

2010年12月4日に東北新幹線・八戸〜新青森間が開業。新青森駅が青森市の新しい玄関口となりました。青森市の中心部にある青森駅と新青森駅は3.9km離れていたので、在来線でアクセスする必要がありました。

新青森駅に停車中の特急「つがる」

そこで、普通列車のほかに新幹線と接続して新青森〜函館間を結んだ特急「スーパー白鳥」「白鳥」と、秋田〜青森間を結ぶ特急「つがる」の新青森〜青森間を新幹線アクセスのための特例区間として、運賃だけで普通車自由席を利用することができました。

2016年3月に北海道新幹線が開業して「スーパー白鳥」「白鳥」は廃止となりましたが、秋田〜青森間の「つがる」は引き続き運行していて、特例もそのままです。ただし運行本数は1日3往復なので、便利とは言えないかもしれません。

●1時間も無料で特急に乗れる区間

トマム〜新得間を走る特急「おおぞら」

JR北海道石勝線の新夕張〜新得間は、特急「おおぞら」と「とかち」しか運行していなくて、普通列車が存在しません。そのため、新夕張駅・占冠(しむかっぷ)駅・トマム駅・新得駅の各駅相互間で利用する場合に限って、運賃のみで特急列車の普通車自由席に乗車することができます。

新夕張〜新得間の距離は89.4kmもあって、所要時間も約1時間とお得度はダントツですが、実際にこの区間を利用する乗客は、青春18きっぷ(春・夏・年末年始に発売されるJR線の普通・快速にのみ乗車できるフリーきっぷ)で旅行している人が多いようです。

●かつては青函トンネルを通過する特急も無料だった

北海道新幹線が開業するまでは、海峡線・蟹田〜木古内間も特急料金不要で特急列車の普通車自由席を利用することができました。この区間の距離は92.2kmもあり、途中には本州と北海道を結ぶ青函トンネルもありました。

海峡線蟹田〜津軽今別(現・北海道新幹線奥津軽いまべつ)間を走っていた特急「スーパー白鳥」

2002年11月30日までは快速「海峡」を運行していましたが、翌12月1日から特急列車のみの運行となったため、石勝線と同じ特例措置が適用されました。

海峡線の区間は2016年3月に開業した北海道新幹線に切り替わり、特例も廃止されました。

現在は青春18きっぷと併用する青春18きっぷ北海道新幹線オプション券で、北海道新幹線・奥津軽いまべつ〜木古内間の普通車を利用することができます。

青春18きっぷとオプション券で利用できる北海道新幹線の奥津軽いまべつ〜木古内間にある、青函トンネルから出てきた「はやぶさ」

このオプション券は2490円で別途購入する必要があり、実質的には青春18きっぷで利用できる新幹線特急券という意味合いとなっています。なお、このオプション券は本来青春18きっぷでは利用することができない道南いさりび鉄道も利用することができます。

特急券なしで利用できるちょっとお得な特急列車。旅行先で乗る機会があればぜひ乗ってみたいところですね。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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