トヨタ「セリカ」デビュー。日本初のスペシャリティカーが若者を魅了【今日は何の日?12月1日】

■1970年代を代表する先進のスポーツクーペ

1970(昭和45)年12月1日、トヨタから日本初のスペシャリティカー「セリカ」がデビューしました。

スポーツカーのようなスタイリングと性能を持ち、快適性も重視した先進のスポーツクーペは、若者を魅了して1970年代を代表するヒットモデルになりました。

1970年にデビューしたセリカ1600GT、最強スポーツグレード
1970年にデビューしたセリカ1600GT、最強スポーツグレード

●斬新なスタイリングとフルチョイスシステムで人気沸騰

セリカのスタイリングは、ジェット機の翼に採用されている層流翼の断面形状を意識した、ロングノーズのピラーレス・ハードトップクーペでした。

エンジンは、1.4L&1.6L直4 SOHCのシングルキャブ仕様と1.6Lのツインキャブ仕様の3種、トランスミッションは3速ATおよび4速&5速MTの3種を設定。

1973年に登場したセリカLB。リフトバックと呼ばれたハッチバックスタイルが人気に
1973年に登場したセリカLB。リフトバックと呼ばれたハッチバックスタイルが人気に

注目されたのは、日本車として初めて採用された“フルチョイスシステム”です。エンジンやトランスミッション、ドアハンドルからシフトノブといった用品まで、ユーザーが自由に選ぶことができ、これもセリカヒットのひとつの要因となりました。

最強モデル「1600GT」は、ヤマハ製の1.6L直4 DOHCツインキャブの2T-Gエンジンと5速MTを搭載。最高速は190km/hという圧倒的な速さを誇り、多くの若者から支持されました。

さらに、1973年にはテールゲートをヒップアップさせたハッチバック「セリカLB」が登場、さらに人気はヒートアップしてセリカを歴史に残る名車へと押し上げたのです。

●上級派生車として、セリカXX、スープラが登場

1986年にデビューした3代目スープラ(国内では、初めてスープラを名乗る)
1986年にデビューした3代目スープラ(国内では、初めてスープラを名乗る)

1978年に、セリカの上級派生車として「セリカXX」がデビューしました。車名の“X”は、最大のライバルである日産自動車「フェアレディZ」の“Z”を意識したものとされています。

セリカXXは、2代目セリカをベースにしたワンランク上の“グランドツーリングカー”に仕上げられました。エンジンを4気筒から2.0L&2.6L直6 SOHCの6気筒に変更、フロントノーズを長くして全体的にボディを拡大し、スポーティさと高級感を両立。セリカXXは、北米で「スープラ」の車名で販売されたため、北米向けにパワフルで上質な走りが必要だったのです。

2019年に復活を果たした最新GRスープ
2019年に復活を果たした最新GRスープラ

そして1986年のセリカXXの3代目の切り替わりと同時に、日本でもスープラと名乗るようになり、「トヨタ2000GT」の血統を継承したトヨタのフラッグシップスポーツカーという位置づけになりました。

その後も高級スポーツカーとして人気を博したスープラでしたが、21世紀を迎え排ガス規制や燃費規制に膨大なコストがかかるようになり、2002年にいったん生産を終了します。

その後、スープラは2019年に17年ぶりに復活を果たし、大きな話題を集めました。

●WRCで活躍するも7代目をもって生産を終える

1986年にデビュー、WRCで大活躍したセリカ GT-FOUR
1986年にデビュー、WRCで大活躍したセリカGT-FOUR

スペシャリティカーブームの火付け役となったセリカですが、その後もモデルチェンジを続けながらスポーツカー要素を強めます。

5代目&6代目のWRC参戦のベースモデル「GT-FOUR」は、1993年にトヨタ初のWRCコンストラクターズとドライバーズの両タイトルを獲得するなど、世界中にセリカの名を轟かせました。

しかし、2000年以降スペシャリティカーやクーペは完全に失速し、セリカも販売台数を維持できなくなったことから、7代モデルで生産を終え、36年の歴史に幕を下ろしました。


世界初のスペシャリティカーは、1964年にデビューして大ヒットしたフォード「マスタング」とされています。セリカは、マスタングを参考にして開発されたとも言われており、そのように見ると確かに全体的な雰囲気が似ていますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。