スズキが2023年型「Vストローム800DE」「GSX-8S」を発表。革新の776cc・2気筒エンジン搭載

■「スズキクロスバランサー」を量産2輪車で初採用

スズキは、イタリアのミラノで開催されているEICMA2022(通称ミラノショー、2022年11月8〜13日)で、新型のスポーツアドベンチャーツアラー「Vストローム800DE(V-STROM 800DE)」と、ストリートバイク「GSX-8S」を発表しました。

スズキ・GSX-8S(欧州仕様)のエンジン
スズキ GSX-8S(欧州仕様)のエンジン

2023年に欧州や北米を中心に全世界で発売されるこれら2モデルには、新開発の776cc・並列2気筒エンジンを搭載。いずれも、量産二輪車で初となる「スズキクロスバランサー」を採用するといいます。

この新エンジンを搭載する2モデルには、一体どんな魅力があるのでしょうか? 概要を紹介しましょう。

●Vストローム800DE

まずは、スポーツアドベンチャーツアラーの新型Vストローム800DE。通勤・通学などの日常の足から休日のツーリング、オンロードからオフロードまで幅広い用途で楽しめるスズキのVストローム・シリーズの新型です。

現行のVストロームには、1050ccや650cc、250ccがありますが、新型は1050ccと650ccの中間に位置するモデルとなります。

スズキ Vストローム800DE(欧州仕様)
スズキ Vストローム800DE(欧州仕様)

ツーリングから日常の通勤通学まで全てにおいてベストパフォーマンスなアドベンチャーバイクを目指して開発されたのが、Vストローム800DE。

注目は、前述した新開発の776cc・並列2気筒エンジンです。1050ccや650ccのVストロームが、V型2気筒エンジンを搭載するのに対し、Vストローム800DEでは並列2気筒を採用します。大きな特徴は、量産二輪車で初めて(2022年11月時点)、クランク軸に対して90°に一次バランサーを2軸配置した「スズキクロスバランサー」を搭載した点。

スズキが特許を取得済みという新機構により、振動を抑えながら軽量・コンパクト化を実現。街乗りはもちろん、長距離ツーリングなどでも、振動の少なさはライダーの疲労軽減に繫がるでしょう。

スズキ Vストローム800DE。走行シーン
オフロードでも高い走破性を実現するVストローム800DE

また、様々な走行シーンに対応する電子制御システムS.I.R.S(スズキインテリジェントライドシステム)を採用したほか、トラクションコントロールシステムに未舗装路向けのGモードを設定。

調整式の前後サスペンションと、フロントには大径の21インチホイールを装着、前後タイヤにセミブロックパターンのタイヤを採用するなど、オンロードだけでなく、オフロードでも高い走破性を実現します。

外観には、シリーズ共通のイメージを踏襲しながらも、よりシャープなスタイリングを採用。タンクの下まわりやフロントカウルの先端部分にアクセントカラーを採用することで、アウトドアにもマッチするワイルドなイメージも演出しています。

●GSX-8S

新型のGSX-8Sは、アグレッシブなスタイルと、スポーティな走行性能を両立するネイキッドバイク、ストリートファイターというジャンルに属するモデルです。

スズキ・GSX-8S(欧州仕様)
スズキ GSX-8S(欧州仕様)

開発のコンセプトは、ライダーの年齢やスキルを問わず、多様なライディングを楽しめるよう、無限の可能性を提供できるバイク。

エンジンには、Vストローム800DEと同じ新開発の776cc・並列2気筒エンジンを採用。軽量・コンパクトかつ低振動で、どんなシーンでも快適な乗り味を実現します。

軽快な走りが楽しめるストリートファイタースタイル
軽快な走りが楽しめるストリートファイタースタイル

このモデルにも、独自の電子制御システムS.I.R.Sを採用。3段階から選択可能なトラクションコントロール、クラッチやスロットルを操作せずにシフトアップ/ダウンが可能な双方向クイックシフトシステムなどの装備により、様々な走行シーンやライダーのスキルに対応しています。

また、軽量アルミ製スイングアームを採用することで、高い操縦性も実現。特徴的なショートマフラーに加え、エンジンやシートレールを露出させるなど、機能部品を美しく見せる工夫を施し、時代を先取りした斬新なスタイルを演出しています。

スズキ・GSX-8S(欧州仕様)のメーター
スズキ GSX-8S(欧州仕様)のメーター

なお、Vストローム800DEは2023年2月より、GSX-8Sは2023年3月より欧州・北米を中心に全世界で順次販売を開始する予定。

日本への導入時期や価格などは未発表ですが、新型エンジンによってどんな乗り味が楽しめるのか、今から楽しみですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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