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■生産中止となった4代目アルトワークスの代わりに登場したホットモデル
2002(平成14)年11月12日、スズキから「Kei」のスポーツモデル「Keiワークス」がデビューしました。スズキを代表するホットモデル「アルトワークス」の4代目が2000年末に一旦生産を中止。その2年後に登場したのが、Keiワークスです。
●軽のクロスオーバーSUVの先駆けとなった「Kei」
Keiワークスのベース「Kei」は、1998年にデビュー。街並みもオフロードも似合う軽自動車のクロスオーバーSUVとしての先駆け的な存在でした。
アルトより145mm高い全高のマッチョなボディに大型タイヤを履き、十分な最低地上高を確保。部品や機構の多くをアルトワークスから流用し、特に足回りはどんな走りにも耐えられるように設計されていました。
エンジンは、スポーツグレードには64PSを発揮するアルミ製660cc直3 VVT(可変バルブ機構)付DOHCインタークーラーターボが搭載され、そのほかSOHCインタークーラーターボ、ベーシックなNA(自然吸気)DOHCエンジンの3種が用意されました。
トランスミッションは5速MTと3速&4速AT、駆動方式はFFと4WDが選べました。なかでもターボ仕様は、リッターカーを凌ぐ走りとオフロードの優れた走破性を発揮し、ワゴンRとともにスズキの人気モデルとなりました。
なお、2000年にはKeiをベースにして、1.3Lエンジンを搭載して全幅を広げた小型車の初代「スイフト」が誕生します。
●Keiのホットモデルとして登場したKeiワークス
スズキのワークスと言えば、1987年にデビューしたホットモデル「アルトワークス」ですが、4代目アルトワークスは2000年末をもって一旦生産を中止しました。その2年後に登場したのが、Keiワークスでした。
Keiワークスには、Keiのスポーツグレードと同じ高出力の660cc直3 VVT付DOHCインタークーラーターボが搭載されましたが、さらによりスポーティさを強調した装備を追加。
具体的な装備としては、専用フロントグリル&バンパー、大型フォグランプ、大型ルーフエンドスポイラー、専用15インチアルミホイールなどです。インテリアについてもシートは専用で、前席はレカロと共同開発した専用バケットシートが組み込まれました。
アルトワークスの代わりのホットモデルとして期待されたKeiワークスでしたが、アルトワークスのような人気は得られず、Keiとともに2009年に生産を終えました。
●重いKeiワークスの走りに不満の声
Keiワークスが不評だった最大の理由は、アルトワークスに比べて走りが劣っていたことが挙げられます。
1998年に登場した4代目アルトワークスとKeiワークスの諸元を比べると、基本的には同じ出力のK6Aエンジンを搭載していますが、最大の違いは車両重量です。
Keiワークスは、全高が4代目アルトワークスより80mm高く、車両重量はアルトワークスの670kg(FF)/720kg(4WD)に対して、Keiワークスは790kg(FF)/820kg(4WD)と、約100kg重いことが分かります。
このクラスで100kg車重が変わると、走りにも大きな影響が出てしまいます。何よりも走り自慢のアルトワークスのイメージにKeiワークスはそぐわなかったのです。
アルトワークスの代わりに登場したKeiワークスでしたが、期待通りの人気が得られませんでした。リトルモンスターと呼ばれたアルトワークスのイメージが強すぎ、走りに不満を持った熱烈なファンから逆に反感を受けたという事情があったようです。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)