■インプレッサ生誕30周年でオフ会も大盛り上がり
初代の鮮烈なデビューから数えて30年、今年はスバル・インプレッサにとって、アニバーサリーイヤーです。
時代は電動化や省燃費がマストとなってしまい、水平対向ターボエンジンにとっては生き残りも厳しいのですが、その一方で過去のスバルの名車「インプレッサWRX」を再評価する動きも顕著です。
とりわけ初代のGC/GF型(=GCはセダン、GFはスポーツワゴンの型式)は、90年代日本製スポーツカー人気とも相まって、中古車市場でも異常なほどの高騰を見せています。
400台限定のスペシャル版「WRX STi 22B」などは滅多に出回ることもありませんが、もし市場に出るとなれば数千万円のプライスがつくほどのプレミアぶりなのです(新車当時の価格は500万円)。
また、某走り屋アニメやレーシングゲームの影響もあって、若いファンが増えたことも人気に拍車をかけているのだとか。
そんな初代インプレッサですが、今でも乗り続けている現役のオーナーたちは、大事にノーマル状態をキープすべく整備したり、思う存分チューニングを施して走りを楽しんだりと、キャラクターもさまざまですが、いずれも二度と現れることのない名車を愛してやまぬ、熱烈なスバリストばかり。
今回は、毎年開催されている初代インプレッサの大規模ミーティング「GCGF榛名オフ2022」に潜入し、その生態をレポートします。
イベントの発起人は、初代インプレッサのデザイン開発に携わった手島 彰さん。インプレッサの功績を後世に残すべく活動を続ける中、「IMP IZM」というオリジナルブランドをプロデュースしていることでも知られる方です。
当初、数十台の集まりからスタートしたという「GC/GF榛名オフ」も、いつしか世界最大規模の初代インプレッサミーティングに成長。
もはや一人では手が足りず、ボランティアの有志がイベントをサポートしてくれているのです。
●スバルの聖地・群馬に集いし、240台ものGC/GFインプレッサ
会場には約240台のインプレッサが集結。前期、中期、後期、スポーツワゴンといった隊列で整理され、会場内を埋め尽くす光景は壮観。
海外でも人気が高まっている初代インプレッサがこれだけ揃うことはないので、香港のメディアも取材に訪れておりました。
会場には、自身もGCインプレッサを所有する、自動車ライターのマリオ高野さん、ラリードライバーの新井大輝選手も登場。オーナーたちとの交流を楽しんでいました。
今回の注目マシンは、実際にWRCなどに参戦した経歴のあるラリーカーたちの展示コーナーにもありました。
GCインプレッサをベースに英国の名門・プロドライブ社が仕上げた戦闘車両。日本の公道で走れるようにレストアを施し、幾多の困難を乗り越えてやってきたマシンたちです。
ラリーカーコレクターの方に聞くと「たとえばコリン・マクレーが何年のどこのラリーでこのマシンに乗った、なんて歴史を振り返りつつ、当時に思いを馳せるところにロマンを感じる!」とのこと。実際、スバルファンはラリー好きも多いので、WRカーの周囲は終日人だかりができておりました。
現在、残念ながら「WRX STI」のネーミングは消滅している状態ですが、初代インプレッサ(GC/GF)から脈々と続く、SUBARUピュアスポーツのDNAは未来へと引き継がれていくことでしょう!
(TOKYO CIAO MEDIA)