第7戦オートポリス GT300予選、埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2年ぶりの優勝【SUPER GT 2022】

■トップ2台が激しくバトルした序盤

10月1日(土)、2日(日)に大分県オートポリスで開催の2022 AUTOBACS SUPER GT第7戦「FAV HOTEL AUTOPOLIS GT 300km RACE」。2日には決勝レースが行われました。

スタート直後の第1コーナー
スタート直後の第1コーナー

今回のオートポリス戦は10月にもかかわらず夏を思わせるような陽気の中で行われ、決勝レースが間もなく行われるという13時30分の段階では気温は昨日と変わらずの25度ですが、路面温度は予選時を上回る43度となり日差しの強さが感じられます。

序盤のメインストレート
序盤のメインストレート

全車がスターティンググリッドへと並ぶ予定ではあったものの、18号車 UPGARAGE NSX GT3はマシントラブルのためピットスタートとなり、GT300クラスは26台のグリッドとなりました。

そして13時35分、交通安全啓発のために大分県警察の白バイやパトカーが先導するパレードラップ、そしてフォーメーションラップと続き65周のレースがスタートします。

序盤のトップ争い
激しかった序盤のトップ争い

オープニングラップはポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがトップを守りますが、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが直後に迫り、テール・トゥ・ノーズのドッグファイトを展開。

その後方では予選3番手だったmuta Racing GR86 GTが出遅れ、3番手に88号車 Weibo PrimezランボルギーニGT3、65号車 LEON PYRAMID AMG、55号車 ARTA NSX GT3と続きます。

序盤の3番手争い
序盤の3番手争い

10周目になると、GT500クラスがGT300クラスを追い抜いていくために大混戦となります。抜いていくGT500マシンをうまく使った埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、SUBARU BRZ R&D SPORTを抜いてトップとなります。

また15周目には15番手を争っていた5号車 マッハ車検エアバスターMC86マッハ号と87号車 Bamboo Airways Lamborghini GT3が第1コーナーで接触し、マッハ車検エアバスターMC86マッハ号がコース外に止めてしまったために、FCY(フルコースイエロー)が導入。

トップとなった埼玉トヨペットGB GR Supra GT
トップとなった埼玉トヨペットGB GR Supra GT

FCYは18周目に解除されます。FCYは全車が80km/h制限となるために、それまで築いてきたアドヴァンテージが大きく変化することはありません。そのため、埼玉トヨペットGB GR Supra GTとSUBARU BRZ R&D SPORTのトップ2台と3番手以降には大きなアドヴァンテージが残ります。

また、このトップ2台の差も徐々に開いてきて、埼玉トヨペットGB GR Supra GTが独走態勢を築きつつありました。

●埼玉トヨペットGB GR Supra GTが2年ぶりの優勝

25周目ころから各チームがドライバー交代のピット作業を行ないます。全チームがピットを終えた41周目頃、埼玉トヨペットGB GR Supra GTが変わらずトップをキープ。

グッドスマイル 初音ミク AMG
グッドスマイル 初音ミク AMGのピット作業

2番手もSUBARU BRZ R&D SPORでしたが、その差は8秒前後にまで開いていました。そして3番手には早めのピット作業を行なったLEON PYRAMID AMG。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORTのピット作業

その後方、4番手争いはWeibo PrimezランボルギーニGT3、ARTA NSX GT3、56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、muta Racing GR86 GT、4号車 グッドスマイル初音ミク AMGという5台の大接戦となります。そんな中、47周目にmuta Racing GR86 GTがコース外にストップ。これで2回目のFCYが導入されます。

埼玉トヨペットGB GR Supra GT
埼玉トヨペットGB GR Supra GT

しかし、FCYが導入されようともトップの埼玉トヨペットGB GR Supra GTは大きなアドヴァンテージもあってトップをキープ。今季初、2020年最終戦以来の優勝を飾ります。

2位はSUBARU BRZ R&D SPORT、3位は激しいポジション争いの末にLEON PYRAMID AMGが死守しました。

優勝の埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバーら
優勝の埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバーら

ドライバーランキング1位の、56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは5位となり、そのランキングトップをキープ。このレース2位となった昨年のチャンピオンSUBARU BRZ R&D SPORTが2.5ポイント差のランキング2位に浮上で、最終戦もてぎでチャンピオン争いの戦いに臨むこととなりました。

優勝した埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバー、吉田選手と川合選手
優勝した埼玉トヨペットGB GR Supra GTのドライバー、吉田選手と川合選手

次戦、いよいよチャンピオンが決まる最終戦は11月5日(土)、6日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催となります。

【SUPER GT2022 第7戦 オートポリス GT300 決勝結果】

順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー
優勝 52 61周 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田広樹 川合孝汰
2位 61 60周 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝
3位 65 60周 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗
4位 88 60周 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥
5位 56 60周 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ
6位 4 60周 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也
7位 10 60周 TANAX GAINER GT-R 大草りき 塩津佑介
8位 96 60周 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一
9位 20 60周 シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎
10位 244 60周 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞
11位 87 60周 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮 坂口夏月
12位 7 60周 Studie BMW M4 荒 聖治 近藤 翼
13位 9 60周 PACIFIC hololive NAC Ferrari ケイ・コッツォリーノ 横溝直輝
14位 11 60周 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍
15位 31 60周 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴
16位 25 60周 HOPPY Schatz GR Supra 松井孝允 野中誠太
17位 30 60周 apr GR86 GT 永井宏明 織戸 学
18位 55 60周 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織
19位 18 60周 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進
20位 6 60周 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン
21位 50 59周 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平 末廣武士
22位 60 59周 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑
23位 360 59周 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 柴田優作
24位 22 58周 アールキューズ AMG GT3 和田 久 城内政樹
25位 5 57周 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次
26位 48 57周 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉
27位 2 46周 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤 優威

(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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