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■2ストモデル「YZ125X」はエンジンなども刷新
ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、エンデューロレースなどのクロスカントリー競技用「YZシリーズ」4機種に、新カラーなどを採用した2023年モデルを発表しました。
今回、124ccの水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載する「YZ125X」に、2022年モデルで17年ぶりにフルモデルチェンジした「YZ125」と同様のエンジンやボディを採用。
また、249cc・水冷2ストローク単気筒エンジンの「YZ250X」もマイナーチェンジ。
ほかにも、4ストロークマシンの「YZ450FX」や「YZ250FX」に新カラーを採用し、2022年10月31日から順次発売を開始します。
●クロスカントリー競技用マシンとは?
今回発売されるクロスカントリー競技用の「YZシリーズ」は、大自然の地形を活かしたオフロードのコースを比較的長時間走り続ける、エンデューロレースなどの競技向けマシンです。
オフロードのバイク競技にモトクロスもありますが、こちらは大きなジャンプやコブが連続するフープス(ウォッシュボード)と呼ばれるセクションなど、整地されたコースや人工的に作られたセクションを飛んだり跳ねたりする競技。
また、競技時間も1レース30分など比較的短時間に行われ、その分、超高速の走りや派手なアクションなどを楽しめることが特徴です。
一方、クロスカントリー競技は、ウッズ、ガレ場、マディ、ダートなど、さまざまな路面状況に遭遇することが多い競技。特にエンデューロレースなどは、2時間や3時間、10時間など、かなり長時間走り続けるといった特徴があります。
そのため、マシンには、速さだけでなく、耐久性などもより求められることが多く、モトクロス競技用マシンなどをベースに、エンジンのパワー特性や足まわりなどを最適化したバイクなどが使われています。
●YZ125Xの2023年モデル
そんなクロスカントリー競技用「YZシリーズ」の2023年モデルでは、まず、124ccの水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載する「YZ125X」を刷新しています。
ベースは、17年ぶりにフルモデルチェンジしたモトクロス競技用「YZ125」の2022年モデル。
YZ125向けに新開発したエンジンの高回転域での力強さを維持しながらも、より多様な路面状況下を走るクロスカントリー競技向けに、低中回転域での扱い易さを徹底的に追求しています。
シリンダーヘッド、YPVS(ヤマハパワーバルブシステム)、CDIユニットには専用パーツを使用。加えてキャブレターには専用セッティングを施すことで、クロスカントリーモデルとして最適化を図っています。
さらに、吸気方法に2022年モデルのYZ125/YZ250で採用された後方ストレート吸気を採用。2ストロークエンジンならではの高回転域での伸び感、優れたオーバーレブ特性などを体感できます。
ほかにも、前後サスペンションには、日本仕様に専用セッティングしたKYB製を搭載。ベテランや上級ライダーだけでなく、クロスカントリーの初心者などにも安定した操作性を得られるように、減衰特性などを最適化。
ウッズ、ガレ場、マディ、ダートなどの低中速度域を多用する走行シーンから、ギャップやジャンプ着地時などの高負荷時、高速度域の走行シーンまで、クロスカントリーに必要な「長時間走行」と「さまざまなセクションの走行」に適した特性を実現しています。
なお、価格(税込)は74万8000円です。
●YZ250Xもマイナーチェンジ
一方、249cc・水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載する「YZ250X」もマイナーチェンジ。ベースとなる2022年モデルのモトクロス競技用「YZ250」の基本性能を継承し、YPVS、前後サスペンションなどのセッティングをクロスカントリー向けに最適化しています。
価格(税込)は、79万2000円です。
ほかにも、449cc・水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載する「YZ450FX」や249cc・水冷4ストローク単気筒エンジン搭載の「YZ250FX」にも、新色を採用した2023年モデルが登場。
YZ125XやYZ250Xも含めた各4モデルには、YZシリーズの共通コンセプトである直線的なホリゾンタル・ムーブメントのグラフィックと、ヤマハブルーに異なる色域のブルーを組み合わせたカラーリングを採用。よりレーシーな雰囲気を演出しています。
価格(税込)は、YZ450FXが112万2000円、YZ250FXが97万9000円です。
これらモデルは「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2022年12月25日までの期間限定で予約受付中です。
(文:平塚直樹)