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■夜間や雨天時でもあおり運転を確実に録画
ドライブレコーダーの普及が進んでいます。
パイオニアが20代~60代のクルマを保有している男女1000名を対象に、ドライブレコーダーの利用状況に関する調査を実施したところ、ドライブレコーダー普及率は、クルマ保有者の54.5%と半数を超えていて、今後、新規購入や買い替え、買い増しの意向も29.1%と3割近くになっているそうです。
91.2%のクルマユーザーが、当て逃げやドアパンチなど駐車時に不安を抱えているものの、クルマの側面や車内を撮影できるレコーダーの普及率は、約10%にとどまっているそうです。また、録り逃しに対する不安を抱えているユーザーも56.5%と半数を超えていて、万一の際にきちんと録画できているのかなど、漠然とした不安を抱いている人が多いのが分かります。
さらに「録画映像を確認したことがない」と回答した半数以上の方が「映像確認方法が分からない」と回答。ほかにも、映像をスマホで確認したい人も38.4%と4割近くに迫っています。
こうしたドライブレコーダーの普及や、ユーザーの実情が明かされた上で開催されたのが、パイオニアによるドライブレコーダーの試乗会(クローズドコース)です。
2022年5月には、カロッツェリアの最新ドライブレコーダーとして、ハイグレードモデルの「VREC-DZ800DC」、ベースモデルの「VREC-DH301D」が発表されています。なお、前者は6月発売、後者は7月発売となっています。
ハイグレードモデルの「VREC-DZ800DC」は、あおり運転への対応(自動検知と保護。特許出願するような技術も含む)をはじめ、夜間でも鮮明に録画、駐車監視に対応できるのが特徴です。本体をフロントガラスに直接装着できるのもポイントで、Wi-Fiの搭載によりスマホ・アプリで手元で見られるようになっています。
本体をフロントスクリーンに直接貼り付ける形状、本体の電源ケーブルとリヤカメラ用ケーブルに、L型端子が採用されています。配線露出を低減するとともに、フロントスクリーンの上部寄りに取り付けが可能になっていて、吊り下げ形状よりもすっきりとした広い視界を確保できます。
主なターゲットにするのは、ドライブレコーダーの購入歴など知識がある方(買い替えニーズ)で、もちろん、初めてでも高価格帯のドライブレコーダーが欲しいニーズにも応えてくれます。
ほかにも、昼夜などのシーンを問わず、鮮明な映像が残る高感度センサーへのニーズや、シガータイプではなく電源ケーブル同梱により、ヒューズボックスから電源が取れるなどスマートな装着性も含めて対応。もちろん、車上荒らしや当て逃げなど、暗闇に強い駐車監視性能も美点となっています。
●撮り逃しや鮮明に映っていなかった…を防ぐ高画質を実現
また、パイオニアでは、ドライブレコーダーのユーザーが失敗した経験、つまり「撮れていなかった」「はっきりと映っていなかった」などがないように、画質、夜間、駐車監視を強化することで、映像の証拠能力を確保しています。
証拠能力では、ハイグレードモデルの「VREC-DZ800DC」は、駐車監視機能衝撃で前後撮影が可能なのはもちろん、低電力のセキュリティモードを備え、暗い場所でも撮影できるのが魅力です。
もちろん、ドライブレコーダー普及の理由であるあおり運転にも注力した開発が行われています。
パイオニアによると、あおり運転(チューリッヒのデータ)は、半数があおられたことがあるそうで、76%超があおられないように意識。対策として、リヤカメラを備えた前後ドライブレコーダーの装着はもちろん、後方ステッカーを貼っている人が多いようです。
カロッツェリアの最新モデルでは、人の感覚に近い検知精度(あおられた際)を重視しているだけでなく、検知精度を運転スキルや感覚に合わせて設定できるのが特徴で、前後20秒間の前後録画が可能になっています。
また、同社のテストによると、雨や夜間などの悪条件だと後方検知をしにくいメーカーも多く、こうした厳しい条件下でも徹底したテストを繰り返すことで、誤作動を排除し、高い精度を実現したとしています。
■あおり運転に正確に反応
今回のクローズドコースでの同乗走行では、最大のポイントである「後方車両接近検知機能」を体験できました。約50km/hで走行中、後方からのあおり運転を受けると、警告音を発するだけでなく、2.0インチのディスプレイに「後方注意!」という表示が行われます。あおり運転を受けると、自動的にイベント録画されます。
加えて、ハイグレードモデルの「VREC-DZ800DC」には、前走車の急ブレーキ、強引な割り込みなど急ブレーキを掛けた際に自動で記録する「急制動検知機能」も搭載されています。
こちらも映像は、イベントフォルダに記録され、上書きされる心配も不要です。映像の確認は、先述したようにWi-Fi接続により手持ちのスマホで可能。事前にアプリをインストールしておけば、本体で操作する必要も不要。なお、同モデルはカーナビ連携機能はなく、手元のスマホなどで確認するのが基本です。
まとめると、ハイグレードモデルの「VREC-DZ800DC」は、本体をフロントガラスに直接装着できる高い装着性、少ない光量の夜間でもはっきりと映し出す映像をはじめ、24時間365日監視できる駐車機能、あおり運転の正確な検知、自社の急ブレーキ時の録画、スマホでの映像確認などが特徴となっています。
ベースモデルの「VREC-DH301D」は、フロントカメラに約370万画素、リヤカメラに約200万画素の高画素数カメラが採用されていて、シーンを問わず細部まで高画質での録画が可能。主なターゲットは、自らドライブレコーダーを選ぶ人が難しい人、ビギナーなどになります。
「VREC-DH301D」において、同社が重視したのは、選びやすさはもちろん、デザイン部のデザイナーが意匠を決めるスタイリッシュな見た目で、インテリアにマッチするようにデザインされています。
ほかにも、駐車監視機能がアップデートされ、従来型の「300D」で物足りなかった要素が進化しているほか、コストパフォーマンスの向上も図られています。夜間では、ソニー製CMOSセンサーの搭載により、高感度録画「ナイトサイト」に対応。トンネル内や出口などの明暗差の激しい場所でも鮮明な映像を残せます。
また、別売の駐車監視ユニット「RD-DR001」を組み合わせることで「駐車監視機能」が利用できます。従来型の「300D」の映像評価において判明した結果、厳しい状況下の証拠能力が強化されていて、暗い場所、逆光のナンバー、白飛び対策なども施されています。
(塚田 勝弘)