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■予選22位からの大進撃
5月29日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで2022 AUTOBACS SUPER GT第3戦「たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。
予選では道上龍監督曰く、「タイヤのピークを外してしまい」21位というポジションというからスタートすることとなってしまったGT300クラス、BUSOU Drago CORSEの34号車 BUSOU raffinee GT-R。
しかし、その道上監督が予選後のインタビューで、「決勝は気温が30度を超える予想で、路面温度もかなり高くなるようです。攻めすぎてタイヤのライフを削るよりは、タイヤマネージメントをしっかりとしながら確実にポイントを取っていく、という方向で戦っていこうと考えています」と語るように、タイヤマネージメントが重要なタフなレース展開となった第3戦鈴鹿。
早くも2周目でGT500マシンが原因となるフルコースイエロー(FCY)となり4周目で再開されますが、8周目にはGT500マシンが原因となるセイフティーカー(SC)導入。序盤から荒れた展開を見せています。
BUSOU raffinee GT-Rのスタートを担当した井出有治選手は、スタートラップで予選20番手だった25号車 HOPPY Schatz GR Supraをパスし、FCYの時点で18位まで順位を上げています。そして、SC導入までにもう二つポジションを上げて16位となります。SCが解除されGT500クラスでの16周目には、もう13位まで浮上。井出選手の爆走は止まりません。
GT500クラスでの20周目あたりになると、ライバルたちはドライバー交代のためにピットに入り始めます。BUSOU raffinee GT-RはGT500クラスでの27周目に3位でピットイン。ここで井出選手から柳田真孝選手に交代します。
レース後のインタービューで道上監督は、「プロフェッショナルとして、またベテランドライバーとしてこの2人には本当に信頼を寄せていますが、井出選手の大活躍で一気に前に来れました。だからと言って、クルマに無理をかけたかと言えばそんなことはなく、しっかりとしたタイヤマネージメントの上であの走りが出来ていたわけで、だからこそ柳田選手の後半の走りにつなげられたのです」と語ります。
●ラストラップに魅せたオーバーテイクで6位フィニッシュ!
GT500クラスでの30周目にGT300のマシンが全てピットアウトすると、BUSOU raffinee GT-Rは11位というポジションでした。道上監督が毎レースで必ず欲しいと語っていたポイント圏内まで、あと1台というところ。
そんな後半戦、気温が35度にも達し路面温度もかなり上がってきており、いっそうのタイヤマネージメントが必要な状態となってきました。GT500での37周目に前を行く11号車 GAINER TANAX GT-Rが、逆バンクコーナー付近でコースアウト。そしてGT500での39周目に、244号車 HACHI-ICHI GR Supra GTとGT500マシンがヘアピン手前で接触し、FCYからのSC導入となります。このSCの時点でのBUSOU raffinee GT-Rは、8位という順位。
このSC解除の際の再スタートで、60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GTを抜き7位に順位を上げると、残り周回数は10周を切っています。そんなスプリントレース状態の再スタートで順位を上げたBUSOU raffinee GT-R。おおかたの予想では、タイヤライフもそろそろ限界に近いのではないかと思われていました。
そんな第3戦鈴鹿もファイナルラップに差し掛かり、コース後半の最後の最後、BUSOU raffinee GT-Rはスプーンコーナーで前を行く30号車 apr GR86 GTに追いつき、追い抜くタイミングを図っていました。そんな状態での西ストレートで、GT500のトップである3号車 CRAFTSPORTS MOTUL ZがこのバトルをかわしながらGT300マシンたちを追い抜いていきます。そのCRAFTSPORTS MOTUL Zが追い抜いたタイミングを見計らったかのように、BUSOU raffinee GT-Rの柳田選手は130Rでapr GR86 GTを追い抜き、6位でチェッカーを受けることとなりました。柳田選手の、まさかのファイナルラップでの追い抜きは職人技と言っても過言ではないでしょう。
「気温が上がってタイヤにはかなりつらいレースとなることがわかっていましたので、柳田選手も攻めるところは攻めますが、基本的にはタイヤを労わりながらチャンスに備えていたといってもいいでしょう」と、ファイナルラップでの追い抜きを語る道上監督。
「今回の6位は、井出選手と柳田選手のプロフェッショナルなコンビが、タイヤやマシンに負担をかけずに走らせることが出来たからこその結果です。出来過ぎと言えば出来過ぎかもしれませんが、この先に続く富士と鈴鹿の気温が高くなる450kmレースを戦う上で、かなり弾みになるレースだったと思います」。
次戦の富士は8月6日~7日という真夏の100周、約450kmのレースとなり、いっそうのタイヤマネージメントが必要な局面となるでしょう。そんな熱い中でも、冷静にドライブ出来るかどうかが勝敗のカギとなりそうです。BUSOU raffinee GT-Rは、そんなレースこそ上に行けるタフなチームになる予感を秘めています。
(写真・文:松永 和浩)
【SUPER GT2022 第3戦 鈴鹿 GT300 決勝結果】
順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー
優勝 7 49周 Studie BMW M4 荒 聖治 近藤 翼
2位 5 49周 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次
3位 56 49周 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ
4位 52 49周 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 川合孝汰 菅波冬悟
5位 88 49周 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥
6位 34 48周 BUSOU raffinee GT-R NISSAN GT-R NISMO GT3 柳田真孝 井出有治
7位 96 48周 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一
8位 30 48周 apr GR86 GT 永井宏明 織戸 学
9位 60 48周 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑
10位 55 48周 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織
11位 4 48周 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也
12位 61 48周 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝
13位 65 48周 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗
14位 2 48周 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤 優威
15位 10 48周 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎 大草りき
16位 87 48周 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮 坂口夏月
17位 9 48周 PACIFIC hololive NAC Ferrari 木村武史 ケイ・コッツォリーノ
18位 6 48周 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン
19位 360 47周 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 柴田優作
20位 50 47周 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平
21位 48 47周 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉
22位 244 35周 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞
23位 31 34周 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴
リタイア 11 33周 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍
リタイア 25 22周 HOPPY Schatz GR Supra 松井孝允 野中誠太
リタイア 18 8周 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進
リタイア 20 出走せず シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎
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