リーフに続くEVは商用車「日産e-NV200」がデビュー【今日は何の日?6月9日】

■商用車NV200バネットにリーフの電動システムを搭載

2014(平成26)年6月9日、日産自動車はEVの商用車「e-NV200」を発表、発売は同年10月から始まりました。e-NV200は、2009年にデビューした商用車「NV200バネット」をベースにしたワンボックス型のEVです。

2014年にデビューした商用車EVのe-NV200
2014年にデビューした商用車EVのe-NV200

●21世紀を迎えて日産は電気自動車の開発を加速

世界中で地球温暖化問題がクローズアップされた2000年頃から、日産は本格的にゼロエミッションビークルである電気自動車の開発を加速しました。

その第1弾として2010年12月に登場したのが、5ドアハッチバックの「リーフ」。最高出力80kW(109PS)/最大トルク280Nmを発揮するモーターで前輪を駆動するEVです。床下にバッテリー容量24kWhのラミネート型リチウムイオン電池を搭載して、満充電時の航続距離は200kmを実現。また同時期に、2名乗りの小型モビリティEV「ニューモビリティ・コンセプト」を公開しました。市販化はされていませんが、横浜など日本中の観光名所を中心に観光者の足として活躍しています。

●リーフの電動システムを流用した商用車e-NV200

e-NV200のベースとなっている2009年にデビューしたガソリン車NV200バネット
e-NV200のベースとなっている2009年にデビューしたガソリン車NV200バネット

e-NV200のベースは、2009年から発売されているガソリン商用車NV200バネットです。ただしフロントマスクはリーフとの共通性を持たせ、内外装はEV専用のデザインを採用しています。

e-NV200のサイドビュー。床下にリチウムイオン電池を搭載するも、車室&荷室スペースはガソリン車と同等
e-NV200のサイドビュー。床下にリチウムイオン電池を搭載するも、車室&荷室スペースはガソリン車と同等

駆動モーターやリチウムイオン電池、制御モジュールは、基本的にすべてリーフと共通。ただし商用車であることから低速で力強い走りを発揮できるように、減速比はリーフよりも大きく設定しています。リチウムイオン電池の容量も24kWhとリーフと同様ですが、NV200バネットと同等の荷室スペースを確保するため、バッテリーモジュールの配列を工夫しています。航続距離はJC08モードで185km~190km、最高速は120km/h、満充電に要する時間はAC200Vで約8時間、急速充電で約30分でした。

●緊急時に役立つ外部給電「パワープラグ」を装備

リーフが持っていない装備として、「パワープラグ」と名付けられた外部給電機能が設定されています。最大1500Wの電力を外部へ供給でき、目安としては1000Wで約8時間の使用が可能です。災害時の停電の際には、個人や避難所などでの使用、一般家庭では約2日間の電力がまかなえます。外出先でPCやプリンターが利用できるなど、幅広い活用が可能です。

電気で走るだけでなく、蓄電池として外部に電気を供給するという新たなEVの役割をもたらしたのです。


e-NV200のEVらしい力強い走りは評価されましたが、積載時や高速運転時の航続距離が大幅に悪化することが不評で、日本での販売は2019年10月に終了しました。現在リーフの航続距離は初代の倍以上に改良されています。e-NV200も最新バッテリーに乗せ換えて、今発売したら評価は変わるかもしれませんね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン

Mr. ソラン 近影
某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。