ホンダの中国市場向け新型EV「e:NS1」の発売が開始。「e:NP1」の予約受付もスタート

■新開発の「e:N Architecture F」をベースに、510kmの航続距離を実現

ホンダの中国における四輪車生産販売合弁会社である東風本田汽車(以下、東風Honda)は、新型EVの「e:NS1(イーエヌエスワン)」を2022年4月26日に発売しました。

ホンダ e:NS1
「e:NS1」のエクステリア

また、5月には同じく四輪車生産販売合弁会社である広汽本田汽車(広汽Honda)も新型EV「e:NP1(イーエヌピーワン)」の予約受付をスタートします。

中国における初の「ホンダ」ブランドのEVである「e:NS1」と「e:NP1」は、独創性やものづくりへの情熱などホンダらしさの厳選であるDNAを受け継ぐモデルとしています。ホンダが誇る最新の電動化、知能化技術を融合させて開発された「e:N(イーエヌ)」シリーズの第1弾となります。

ホンダ e:NP1
「e:NP1」のリヤビュー

「心動 未体験EV」をコンセプトとして掲げ、乗る人の心を揺さぶる新しい価値を提供。最新EVにふさわしい走りを備えています。

ホンダ e:NS1
「e:NS1」のインテリア

ベースとなるのは、専用のボディ骨格などで構築される新開発の「e:N Architecture F(イーエヌ アーキテクチャー エフ)」。

多様な走行シーンで瞬発的な出力と繊細な制御を両立するモーター、510kmの航続距離(中国CLTC基準)を実現する大容量バッテリーを搭載。さらに、スポーツモデルの開発で得られたという空力技術などホンダらしい技術が投入され、ホンダらしいスポーティで爽快な走りが追求されたそう。

ホンダ
広汽Hondaの電動車専門店のイメージ

ほかにも、知能化技術として、中国で展開される最新のコネクティビティとしてEV専用の新世代コネクテッド技術「Honda CONNECT 3.0(ホンダ コネクト)」をはじめ、15.1インチの大型ディスプレイオーディオが標準化されています。

ドライバーのわき見などの不注意や眠気などを検知し、安全運転をサポートする「ドライバーモニタリングカメラ(DMC)」が設定されるなど、安心で快適なスマートなキャビンを実現。

エクステリアデザインでは、フロントに発光する「Hマーク」エンブレムが備わり、リヤには従来の「H」マークから新たな「Honda」エンブレムが採用され、「e:N」の新たなアイデンティティが表現されています。

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東風Hondaのe:Nブランドコーナー

また、「e:NS1」「e:NP1」を皮切りに、中国で2027年までに10車種の「e:N」シリーズを投入する構えです。同時に、販売や生産などバリューチェーン全体で電動化の取り組みを推進するとしています。

販売では「e:NS1」「e:NP1」の発売に合わせてオンライン店舗が本格的に展開されます。オンライン店舗では、1対1のダイレクト対話などにより検討からオーダーまでをオンラインで実現。「e:N」の未来の世界が案内され、新しい購入体験を提供するとしています。

従来からのショールームも刷新されます。広汽Hondaは、北京、上海、広州などを皮切りに電動車両専門店の展開をはじめ、ショッピングモールへの店舗設置が開始され、東風Hondaは既存の全店舗で「e:Nブランドコーナー」を展開。

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東風HondaのEV専用工場俯瞰図

生産面では、今後ラインアップが拡大される「e:N」シリーズを質と量の両面から安定的に供給するために、広汽Honda、東風Hondaともに、2024年の稼働開始を目指してEV専用工場が建設されます。

ソニーとの協業を打ち出したホンダは、北米ではGMとタッグを組み、日本では2024年前半に100万円台の商用軽EVを投入すると発表済みです。世界最大のEV市場である中国では、「e:N」シリーズがいよいよ動き出しました。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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