2022年4月時点で国産・電気自動車で最長距離を走れるのはスバル・ソルテラという事実【週刊クルマのミライ】

■スバル・ソルテラが価格やスペックを発表

トヨタスバルが共同開発した電気自動車(BEV)発売・受注のタイミングが5月12日と発表され、相次いでメーカー希望小売価格や認証を受けた公式スペックが明らかとなっています。

SUBARU SOLTERRA
スバル・ソルテラET-SSグレードFWDのメーカー希望小売価格は594万円。補助金は85万円が期待できる

トヨタ版である「bZ4X」とスバル版「ソルテラ」の基本スペックはほとんど変わらないと予想されていましたが、意外にもBEVにおける重要スペックの「一充電航続距離」はbZ4Xの559kmに対してソルテラのほうが567kmと、若干ですが長いという結果になりました。

FWD(前輪駆動)仕様のメーカー希望小売価格も、bZ4Xが600万円なのに対して、ソルテラは594万円とわずかに安くなっています。このあたり現金一括など買い切りでの販売を想定しているソルテラと、KINTO(サブスク)前提のbZ4Xという違いもあるかもしれません。

こうした違いがなぜ生まれたのか現在リサーチ中なので、詳細は追ってお伝えする予定ですが、いずれにしても150kWの最高出力といったスペックは共通ですから、共同開発のBEVとして比べるとソルテラのほうが”コスパがよい”といえるスペックになっています。

では、そうしたソルテラの性能・スペックはライバルと比べてみるとどうなのでしょうか。

●一充電航続距離は国産ライバルを凌ぐ

SUBARU SOLTERRA
ET-SSグレード・FWDの車両重量は1910kg。バッテリー総電力量は71.4kWhで、WLTCモードでの一充電航続距離は567kmと国産BEV最長を誇る

あらためて国産BEVのWLTCモード一充電航続距離をランキング形式で整理してみると以下のようになります。

スバル・ソルテラFWD:567km(71.4kWh)
トヨタ・bZ4X FWD:559km(71.4kWh)
日産アリアB6 FWD:460km(66kWh)
日産リーフe+:458km(62kWh)
日産リーフ:322km(40kWh)
ホンダHonda e:283km(35.5kWh)
マツダMX-30:256km(35.5kWh)
※()内はバッテリー総電力量

日産アリアについてはバッテリー総電力量91kWhのグレードも用意されていますが、まだWLTCモードでの一充電航続距離が正式に発表されていません。つまり現時点でソルテラは国産BEVとして一回の充電で最長距離を走ることができるモデルということになります。

価格と性能のバランスを見てもアリアB6のカタログモデルは539万円です。ソルテラの594万円は航続距離とのバランスでリーズナブルな印象もあります。最大85万円の補助金を考慮すると、現時点で“もっとも買うべき”BEVといえるかもしれません。

●価格と距離のバランスで輸入車と競争できる

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ヒョンデ・アイオニック5のRWD車は一充電航続距離618km、バランス72.6kWh。メーカー希望小売価格は519万円とコスパに優れる

では、輸入車と比べたときの価格と性能のバランス、つまり”コスパのよさ”はどうなっているのでしょうか。

ドイツ系のBEVはもっと高価な設定となっていますし、ステランティス系のBEV(プジョーe208やFIAT 500e)はコンパクト系なので車格が違います。価格と性能からライバルといえる輸入車はヒョンデ・アイオニック5やテスラ・モデル3といえるでしょう。

たとえば、アイオニック5のRWD(後輪駆動)グレードの一充電航続距離は618kmとなっていて、メーカー希望小売価格は519万円。こちらも補助金は85万円が期待できますので、コスパでいうとアイオニック5に軍配が上がりそうです。

コスパでいえばテスラも無視できません。エントリーモデルであるモデル3・RWDの一充電航続距離は565km、メーカー希望小売価格は549万円となっています。

ただし、テスラの場合は期待できる補助金は65万円、自動運転テクノロジーである「フルセルフドライビング」機能を追加するには87万1000円の追加コストが必要ですから、実際のコスト感でいうとだいぶ上がってしまうかもしれません。

いずれにしても、ヒョンデやテスラはオンライン販売がメインとなります。従来型の店舗によるサービス体制を求めるユーザーにとっては、ソルテラは”コスパのよい輸入BEV”のライバルとしてガチンコで比較できるモデルになっているといえそうです。

自動車コラムニスト・山本晋也