■カーナビは対話型の音声操作や充電設備の空き情報も確認できる
アイシンは、BluE Nexusとデンソーと共同開発されたバッテリーEV向け(トヨタbZ4Xに初採用)のeAxleを発表しました。さらに、bZ4Xに採用されたロッカーEA材(アイシン)、ESUクロス(アイシン軽金属)、カーナビゲーションシステム (アイシン)も合わせて発表しています。
ロッカーEA材はロッカーパネル(サイドシルガード)部の部材で、床下電池ケースの側部(左右)にそれぞれ組み付けられ、側突時に電池を保護する役割を担っています。EA材は、Energy Absorptionの略で、エネルギー吸収ができる部材です。
バッテリーEVは、床下全域に電池が搭載されていることが多く、bZ4Xも同様です。
そこで、側部衝突時に乗員を保護するだけでなく、床下の電池を保護する構造が必須になります。トヨタの超小型EVのc+podも側突への対策が念入りに行われています。
ロッカーEA材は、CAE解析と実機試験によって、最適にエネルギーを吸収できるラダー断面構造が開発されています。
側面衝突を受けた際に、製品自体が最適に変形することで、エネルギーを吸収。電池に伝わる衝撃を小さくする仕組みになっています。また、材料にアルミを使うことで、車両の軽量化に貢献できます。
ESUクロスは、トヨタがbZ4Xで初導入した「Electricity Supply Unit(ESU)」を保持する部材。ESUは、充電機能と電力分配機能を集約したユニットで、BEVの電気系統の中核を担う重要部品となっています。
従来の鉄フレーム構造からアルミダイカスト一体構造が採用され、十分な剛性を確保しつつ大幅な軽量化が図られています。また、低圧鋳造技術により、設備のダウンサイジングが行われ、低コスト化にも寄与しています。
bZ4Xに採用されたカーナビもアイシンが開発。車載通信機器が搭載され、クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得できるコネクティッドナビ。
通常のナビ機能に加えて、目的地設定時にバッテリー残量に基づき目的地に到着できないと判断すると、ルート沿いの充電施設をあらかじめ中継地点として提案する「移動支援」機能をはじめ、航続可能エリアの円形表示、バッテリーが少なくなると周辺の充電施設を提案する充電施設検索など、バッテリーEVならではの機能も搭載されています。
また、周辺の充電器の空き情報も表示されます。自然な対話型による音声検索も可能で、従来のように特定のコマンドをユーザーが発しなくてもAIによる学習機能により、会話する感覚で目的地やスポットなどの検索できるとしています。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠、トヨタ、アイシン)