クルマの売却先はどう決める? 買い取り価格を重視する人が多いなか「軽く脅しをかけられる」など接客態度の悪さも決め手に

■クルマの売却に関するユーザー調査

クルマを売るタイミングは、たとえば買い替え時、維持費の問題、引っ越し時など、人によってさまざまですよね。いずれにしろ、大切な愛車を売却するのですから、どういった業者に買い取ってもらうのかは、慎重に選びたいものです。

クルマの売却先調査
クルマを売る場合、売却先を決めるポイントに多いのは?

では、実際にクルマを売却したことがある人は、どのような理由で、どこへ売却する場合が多いのでしょうか?

また、売却先を決めるポイントとして重要なことには、どのようなことがあるのでしょうか?

WEBマーケティングなどを手掛けるNEXERが運営する「日本トレンドリサーチ」では、クルマの買い取り事業などを手掛ける「会宝産業」と共同で、クルマを売却したことがある全国の男女1323名を対象に、「クルマの売却」について調査を実施。

その結果、クルマの売却は買い替え時が最多で、売却先は買い取り価格の高さで決める人が多いなか、接客態度の悪さにより、その業者を選ばなかったという人も一定数いることが分かりました。

●クルマを売却した理由は「買い替え」が最多

今回の調査は、2022年2月26日〜2月28日の期間、アンケート形式で行われたものです。

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クルマを売ろうと思った時(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

アンケートでは、まず、「クルマを売ろうと思ったのはどのような時か」について質問。結果は以下のようになりました。

1位:「買い替え」 78.6%
2位:「乗らなくなったから」 14.7%
3位:「維持費の問題」 9.2%
4位:「引越し」 7.6%
5位:「廃車になったため」 3.0%
6位:「免許証の返納」 2.6%
7位:「そのほか」1.3%

「買い替え」が圧倒多数ですね。ちなみに、「免許証の返納」と回答した人も2.6%いましたが、高齢化が進む今の日本では、今後こうした理由で愛車を手放す人も増えていくことが予想できます。

●売却は「下取り」が圧倒多数

調査では、次に、「クルマをどこで買い取ってもらったことがあるか」について聞いていて(複数回答可)、結果は以下のようになりました。

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どこで買い取ってもらったか(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

1位:「買い替え時の下取り」 70.4%
2位:「中古車買い取り業者」 43.9%
3位:「廃車買い取り専門業者」 3.9%
4位:「解体業者」 3.3%
5位:「そのほか」4.6%

多くの人が買い替え時にそのまま下取りをお願いしているようですね。一方、「中古車買い取り業者」と回答した人も43.9%となっており、買い替えの場合でも下取りには出さずに、別の場所で売却している人が一定数いることが分かります。

●売却先を決めた理由は?

続いて、調査では「売却先を決めた理由」についても聞いています。結果は次の通りです。

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クルマの売却を決めた理由(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

1位:「買い取り価格」 56.9%
2位:「手続きのしやすさ」 30.8%
3位:「サービス」 4.7%
4位:「接客態度」 4.3%
5位:「そのほか」3.3%

やはり「買い取り価格」と回答した人が56.9%と最多でしたが、「手続きのしやすさ」も30.8%で2番目に多い結果に。

買い取り価格を重視する人が多いことは当然でしょうが、「どれほどスムーズに手続きできるか」ということも重要なポイントになっているようです。

●相見積もりを取った時、業者を選ぶポイントは?

クルマの売却時には、よく複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行う人もいます。

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相見積もりを取るか(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

調査では、どれくらいの人が相見積もりを取っているかを調べるため、「クルマを売却する際、相見積もりを取るか」についても聞いています。

その結果は、

・「はい」 52.5%
・「いいえ」 47.5%

と、相見積もりを取る人が過半数を超えています。

さらに、調査では、「はい」と回答した52.5%(695名)の人に、「相見積もりの結果、選ばなかった業者はどこが欠けていたか」についても聞いています。結果は次のようになりました。

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相見積もりの結果、選ばなかった業者に欠けていたところ(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

1位:「買い取り価格」 85.2%
2位:「接客態度」 15.8%
3位:「手続きのしやすさ」 13.5%
4位:「サービス」 12.8%
5位:「そのほか」0.4%

「買い取り価格」と回答した人が85.2%と圧倒多数ですが、「接客態度」などを理由に選ばなかった人も少なくないようです。

●買い取り業者を選ぶ際のユーザー体験談

なお、調査では、「選ばなかった業者に欠けていた」各項目について、具体的な意見も聞いています。

クルマの売却先調査
調査のサマリー(出展:日本トレンドリサーチ、会宝産業)

「買い取り価格」に関する意見
・クルマの状態が良いのに、年式だけで判断されて低査定だった(60代・男性)
・買取価格が30万円〜50万円低かった(60代・男性)
・一括査定に申し込んで、一番高額な業者に売却した、選ばなかった理由は値段が安かったから(50代・男性)
・買い取り価格が50万以上違った(70代・女性)

クルマの状態が良いのに年式だけで判断されたとか、査定価格が業者によって50万円以上違うなど、買い取り価格に納得がいかず、その業者を選ばなかったケースもあるようです。

「接客態度」に関する意見
・買い取り価格が低い上に、軽く脅しをかけてきたから(こんなクルマはうちしか買い取らない、うちよりも高く買い取る業者はいない、など)(40代・女性)
・セールスマンの態度の悪さ(60代・男性)
・担当の人が嫌な感じで、やめました(30代・女性)
・相見積もり依頼時の対応が良くなかったため(70代・男性)
・他店での見積もりを半強制的に辞めさせるなど横柄であった(50代・男性)
・契約した後に、事故歴があるといって値引きされた。契約時に、過去に事故歴があってと申請したのに、なぜこのようなことをされるのか、不満に感じた(60代・男性)

クルマの売却先調査
クルマの売約時には、営業マンの接客態度も決め手になるケースもある

このように接客態度が悪いと、もし査定額が良かったとしても「ここには売りたくないな」と思う人も多いのかも。

今回の調査では、「接客態度」を選んだ人は全体の15.8%と少ないため、そうした業者も少数だとは思いますが、セールスマンの態度が悪かったとか、軽く脅しをかけられるなどは、ちょっと勘弁してもらいたいですね。

「手続きのしやすさ」に関する意見
・以前、一括査定でクルマを売ったことがあり、手続きの面倒くささに嫌になったから(50代・女性)
・電話がじゃんじゃんかかってきて嫌になった(60代・男性)
・下取りの方が、納車と手放すタイミングが簡単そうだから(40代・男性)
・買い替えの時は、前車は乗り尽くしているから値段よりもスムーズに処理したいから(50代・女性)

ちなみに、複数の業者に査定を依頼するウェブの一括査定サービスは、筆者も経験があります。筆者の場合、売るクルマの情報を入力した直後に、さまざまな業者から電話が一斉に掛かってきて、かなり大変でした。

クルマの売却先調査
一括査定を依頼すると電話が鳴り止まないことも

日が経つにつれ、電話の数は減りましたが、1ヵ月近くさまざまな業者から連絡があり、対応がとても面倒だったことを覚えています。

「サービス」に関する意見
・選ばなかった理由としては、金額は選んだ業者と同じでしたが、その場で売却するクルマを置いていかなければいけなかったので。拘束が厳しかったのです。売却を決めた業者は、次のクルマが納車される直前まで猶予してくれた(70代・男性)
・多少見積もりが高くても、代車とかほかのサービスが良くなかった(60代・男性)
・クルマは価格だけでなく、購入後のサービスが不可欠だから(70代・男性)

代車などのサービスや、購入後のサービスなども売却先を選ぶうえで重要なポイントになっているようですね。

クルマの売却先調査
メンテナンスや整備、車検など購入後のサービスも重要

今回の調査では、売却の際に相見積もりを取る人が52.5%と過半数以上いて、しかもそのうち85.2%の人が「買い取り価格」を理由に業者の選定をしていることも分かりました。

ただし、なかには、接客態度や手続き、サービスによって業者を選ぶ、選ばないといったことを決めるケースもあるようです。

大切な愛車ですから、できるだけ高く買い取って欲しいのも人情ですが、どうせ売るのであれば、できるだけ気持ちのいい対応やサービスなども望みたいですからね。

(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)

【関連リンク】

「日本トレンドリサーチ」
https://trend-research.jp/12952/

「会宝産業」
https://kaihosangyo.com/

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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