ホンダがヴェゼルにソックリな「高性能EV」を今春発売!日本導入は?

■ホンダがEV開発でSONYと新会社設立へ

2022年3月4日(金)にEVの企画、設計、開発、販売などを行う新会社設立を発表したホンダ

ホンダとSONYがEV開発で新会社設立を発表

新会社はSONYとの合弁により年内に設立予定で、ホンダが長年培ってきたモビリティ関連の開発力と、SONYのセンシング、通信、エンタテインメント技術を持ち寄ることで、新時代のモビリティやサービスの実現を目指すそうです。

今回の協業はホンダがSONYに話をもちかけたそうで、新会社では2025年のEV発売を目標にしており、初期モデルの生産についてはホンダが製造を担う模様。

そうしたなか、新会社設立に関する説明会で注目されたのが、ホンダの三部社長が明言した「SONYとの協業はホンダのEV戦略とは一線を画すもの」としている点。

新会社では“従来のクルマに無い新しい価値を見出していくこと”を目標にしており、現時点ではホンダの量産EV開発と直接的な関連性は無いようです。

●SONYはマグナ・シュタイア社ともEVを開発

一方のSONYは一昨年、BMW Z4やトヨタ スープラなどの生産を手掛けるオーストリアのマグナ・シュタイア社と共同開発したEV「VISION-S」を公開して話題を呼びました。

また「VISION-S」をプレイステーション・ゲームの如く、東京からの5G通信により、ドイツのテストコースでリモート走行させるなど、技術力をアピール。

SONYのEV「VISION-S02」のエクステリア
SONYのEV「VISION-S01」のエクステリア

そんな「VISION-S」にはセダンのVISION-S01とSUVのVISION-S02が存在。セダンのボディサイズは全長4,895mm×全幅1,900mm×全高1,450mmと、現行の「アコード」に近いサイズ感で車重は2,350kg。

モーター出力200kW×2(前後)の4WD仕様で最高速度は240km/h。0-100km/h加速は4.8秒。

●ホンダが今春、ヴェゼル似の新型EVを発売

ホンダの新型EV「e:NS1」

対するホンダは2021年4月にEV・FCVの販売比率を2030年に40%、2035年に80%、2040年に100%にするという目標を発表。

同社は2030年以降に市場投入する四輪車は、すべてハイブリッド車やEVなどの電動車とする方針で、「e:N」シリーズのEVを中国からの輸出も視野に、5年間で10車種投入する計画になっています。

ホンダが中国に建設予定のEV生産工場

東風&広汽ホンダ両社が、それぞれEV生産工場を新規に建設して2024年に稼働させる計画で、今春には「e:N」シリーズ第1弾となる「e:NS1」(by東風)と「e:NP1」(by広汽)を両社から発売する予定。

ホンダの新型EV「e:NP1」のエクステリア

ちなみに「e」はenergyを、「N」はNew、Nextをそれぞれ意味しており、ホンダではこの「e:N」を通じて「動」(人車一体、スポーティで爽快な走り)、「智」(安全・快適・スマートな移動空間)、「美」(未来を感じるデザイン)による新体験を世界最大のEV市場である中国を皮切りに提供する考え。

●新型EVの日本導入の可能性は?

ホンダのEV用プラットフォーム「e:N」アーキテクチャー

新型EVのベースになるのが、F1やNSXを始めとする電動スポーツモデル開発の知見を活かした、それぞれ駆動方式が異なる「e:Nアーキテクチャー」。

ホンダの新型EV「e:NS1」のプラットフォーム

500km以上のロングランを実現する大容量バッテリーを採用しており、モーターは一般的なEVの40倍以上となる最大2万以上の制御シナリオ・アルゴリズムを擁し、あらゆる走行シーンにおいて瞬発的な出力と繊細な制御を実現するとともに、モータースポーツで培った空力技術により、正確且つダイレクトなハンドリング、加速応答性など、あらゆる面でスポーツカー並みの走行性能を実現しています。

ホンダの新型EV「e:NS1」

走行時の静粛性向上では、低・中・高速域での各ロードノイズに対応するホンダ独自のノイズ低減技術を投入。上級車並みの静粛空間を実現しており、スポーツモードで加速する際にはホンダEVサウンドにより、ドライバーに未来感・高揚感を提供。

ホンダの新型EV「e:NS1」の先進的なインテリア

デジタルコクピットは、クラス最大の15.2インチセンターディスプレイと10.25インチ液晶メーターで構成。

スマートフォンを介した様々な車両操作を可能にしており、安全面ではドライバーの運転状況や表情までモニタリングするDMC(ドライバー・モニタリング・カメラ)の搭載により、クルマからアクティブにリコメンドします。

ホンダのEV用バッテリー

ホンダでは、電動化をスピーディに実行していく上で鍵となるバッテリーについても、戦略パートナーであるCATLとの協業を加速し、高い競争力をもつバッテリーの供給体制を一層強化していくとしています。

おりしも昨年12月14日にはトヨタ自動車がバッテリーEV戦略に関する説明会を開催し、開発中の新型EV16車種を一挙公開するなど、いよいよ日本の自動車大手によるEV開発競争が本格化する様相を見せ始めています。

新型EV「e:NS1/NP1」についてもホンダが注力する高性能モデルだけに、日本に導入される可能性が高く、同社の今後の動きが注目されます。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

HONDA e:NS1
https://www.dongfeng-honda.com/car/ens1/

SONY VISION-S
https://www.sony.co.jp/SonyInfo/vision-s/

マグナ・シュタイア
https://www.magna.com/

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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