■いかついロマンを感じさせる「シビックType R」
「メカニカルな雰囲気ね。大きなリヤスポイラーにロマンを感じるわ」
世間的には“ガンダムチック”なんて言われることもある「シビックType R」のいかついスタイリング。見るからに戦闘的なオーラです。
余談ですが、エクステリアを担当したのはスマートで愛嬌のある現行「フィット」と同じデザイナーということですから驚かずにはいられません。
ところで、MT免許を持ち、普段はアルファロメオ「MITO」のクアドリフォリオに乗っている彼女。エンジンは1.4Lのターボで最高出力は170ps。もちろんトランスミッションはマニュアルだそうです。
●本当の心地よさとは
Type Rはそんな彼女の愛車よりもサイズがひとまわり大きく、重量も140㎏ほど重いもの。いっぽうパワーは倍近い320psと強心臓です。
ワインディングロードへ到着するなり、まるでボクからキーを奪うかのように自分自身で運転を始めた彼女。
「とっても軽快なのに安定感が抜群。思い通りに気持ちよく走れる。まるで私を導いてくれるみたい」
それがType Rに対する彼女のファーストインプレッション。
“私を導いてくれる”なんてクルマを運転した感想としてはあまり聞かれないものですが、正しく楽しい運転を教えてくれる存在だと感じたのかもしれません。でも、クルマ自身が意思を持つかのようにドライバーをエスコートしてくれる…、もしかするとType Rがそんなクルマなのかも。
ボクらはつい、Type Rを「速さ」という基準だけでとらえがちです。しかし、Type Rの本当の心地よさ、それはドライバーとクルマが心地よく対話するかのような運転感覚だと彼女は気づいているのかもしれません。
そう、このクルマには、速さだけでなく走る楽しさが積まっているのです。それは、繊細な運転をする人ならゆっくり走っていても感じ取れるものでしょう。
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:あいみ/ヘア&メイク:有本 昌代/写真:ダン・アオキ)