■ヤマハ発動機の台湾の現地法人が車体設計を担当
ヤマハ発動機は、台湾のGogoro(ゴゴロ)との協業によるバッテリー交換式電動スクーターの第2弾となる「EMF」を、2022年3月に台湾で発売すると明らかにしました。
以前お伝えしたように、筆者は住友商事とタッグを組んで石垣島で「スマートスクーター」の実証実験を行うなど、日本上陸時の発表会を取材したことがあります。
交換式バッテリーを採用するGogoroの電動スクーターは、「バイク版テスラ」と呼びたくなるほど革新的なコンセプトで、台湾で圧倒的なシェアを獲得しているそうです。
なお、日本でも2021年3月、本田技研工業、川崎重工業、スズキ、ヤマハ発動機の4社が「電動二輪車用交換式バッテリーコンソーシアム」により交換式バッテリーとそのバッテリー交換システムの標準化(共通仕様)に合意しています。
台湾では、すでに急速に増えているという電動スクーター。ヤマハ発動機とGogoroの協業によるバッテリー交換式電動スクーターの「EMF」は、Gogoroの市販車をベースにOEMモデルとして2019年に台湾で発売された「EC-05」とは異なり、「Gogoro Design Kit」をベースに、ヤマハ発動機の台湾の現地法人Yamaha Motor R&D Taiwan Co., Ltd.が車体設計を担当。同現地法人が生産と販売を行うそうです。
また、これまでのEVとは異なる独自のスタイルや小径ホイールによる優れた加速性能も特徴で、遊び心や楽しさを感じさせるモデルです。なお「EMF」は、Gogoroエナジーネットワーク社により、台湾国内に設置されているバッテリー交換ステーション「GoStation」を利用できるそうです。
ヤマハ発動機は、2021年7月、2018年に策定された「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」が見直され、2050年までに事業活動を含む製品ライフサイクル全体のカーボンニュートラルを目指す目標が新たに立てられています。
そのなかでも、2050年までに「スコープ3(主に製品使用時など)」におけるCO2排出量を2010年比90%の削減を目標に掲げていて、「EMF」はその目標達成に向けて市場投入する電動製品戦略車に位置づけられています。
(塚田 勝弘)