流麗なフレームデザインに一目惚れ!SUV的な活用を想定したヤマハの新型e-Bikeが登場

■注目点が山盛りのヤマハのスポーツ電動アシスト付き自転車

1月13日、ヤマハ発動機(※以下、ヤマハ)のe-Bike(スポーツ電動アシスト自転車)2車種が発表されました。

発表会でまずお披露目されたのが「WABASH RT(ワバッシュ アールティー)」。

1月13日に発表されたWABASH RT(ワバッシュ アールティー)

「いろいろ使えそう。ONもOFFも。」をコンセプトに開発されたWABASH RTは、欧米でブームとなっているグラベル(砂利や砂利道、林道などの未舗装路)での走行に対応できる走破性を有していながら、日常使いでも快適に走行できる開発者いわく「SUVみたいなモデル」とのこと。

いわば、高いオフロード走破性を備えつつオンロードでの快適性にもこだわったジープ・ラングラーやランドローバー・ディスカバリーみたいなe-Bikeといえるでしょう。

そしてもう1台が「CROSSCORE RC(クロスコア アールシー)」。

街中でのコミューティングから郊外のロングライドまで快適に走行できる点に注力し開発されたCROSSCORE RC(クロスコア アールシー)

こちらは「365 days,1 bike」とのコンセプトをもつように、日々の通勤使いから休日のロングライドまで快適に走行できることに力を入れて開発されたモデルです。

クルマに例えるならば、車高や地上最低高を高めに取り悪路での走行性も備えたハリアーなどのシティー派SUVがそれにあたるのではないでしょうか。

両モデルともバッテリーが内蔵されたフレームやドライブユニット、500Whの大容量バッテリー、多機能メーターは共通ですが、ターゲットに向けそれぞれのモデルで特徴を持ちます。

ドライブユニットも2車種同じものを搭載
フレームは2車種とも共通

●ターゲット向けに2車種それぞれの特徴を備える

まず未舗装路での走行性能を重視するWABASH RTの主な特徴は以下の通り。

オンロードでの快適性とオフロードでの走破性を求めるユーザーがターゲット

・アップライトなハンドルグリップポジション
・オフロード走行時に最適な「フレアハンドル」
・クッション性を考慮した「ワイドタイヤ」
・「サスペンション付きドロッパーシートポスト」
・外装11段変速
・様々なアクセサリーの装着を可能とする拡張性の高さ

そして幅広いシーンでの活躍を想定しているCROSSCORE RCは次のような特徴を備えています。

CROSSCOREはコミューティング&レジャー併用で利用を想定したユーザーにぴったり

・路面の凹凸などの衝撃を吸収する「サスペンションフォーク」
・クッション性とグリップ性を発揮する「ワイド&セミスリックタイヤ」
・油圧式ディスクブレーキ
・外装9段変速
・ゆったりと走れる「アップライトなポジション」
・日常的な利用に最適な実用装備

●バイクメーカーだからこそ生まれたデザイン

自転車で一番目を引くフレームが同じながらも、それぞれに獲得したいユーザーのニーズに合わせた特徴を備えたことで2台の見た目はかなり異なります。

ただ、両車ともデザインがスタイリッシュなことに大きな感銘を受けました。

その理由を考えてみたのですが、フレーム内部にバッテリーを搭載しつつ、ボテッとしていないフレームのデザインが貢献しているのは間違いありません。

2台が採用したバッテリー内蔵フレームは条件が許す限り極限まで絞り込んだダウンチューブ

2台をデザインしたヤマハのプロダクトデザイン部・吉田健人さんはこのデザインについて

「数々のバイクを産み出してきたヤマハのデザイン理念を踏まえ、バイクらしいデザインを追求したことや、フレームを限界まで絞り込んだこと。
また、デザイナー側からの要望や開発側からの制限、それぞれの無理を押し付けたり押し付けられながら実現したデザインであること」

などを語ってくれました。

個人的主観ですが、ヤマハのスポーツ電動アシスト自転車シリーズ「YPJシリーズ」で販売されていた従来モデルや他メーカーが販売している多くのe-Bikeがバッテリーを外付けしていることに対して、WABASH RTやCROSSCORE RCは電池やドライブユニットをフレームやカバーと一体化したデザインとし、さらに極限まで絞り込んでいることがスタイリッシュに感じる要因なのでしょう。

もちろんこのフレームはデザインだけではなくフレーム剛性や重量バランスを最適化しています。

コロナ禍で注目が集まっていると話題のe-Bike。電動アシスト自転車のパイオニアであるヤマハが発表した2つのモデルにより、さらに注目度が増すのではないでしょうか。

(テヅカツヨシ)