■新型ノア&ヴォクシーのサードシート跳ね上げは、さらに簡単にできるようになった!!
新型ノア/ヴォクシーに限らず、ミニバンの低床化が代を重ねるごとに進んでいます。
床面が低ければ乗降が楽になり、荷室の地上高(道路から開口部下端までの高さ)が低ければ、自転車などの大きな荷物や重いゴルフバッグなども楽に出し入れできます。
また、空間効率の高さ、外から見たときの広さ感を演出するため、全高も高くなる傾向もあります。新型ノア/ヴォクシーも、先代よりも70mm高い、全高1895mm(4WDは1925mm)でさらに背高傾向になっています。
こうなると、当然ながらテールゲートを開けた際の張り出しが長くなります。
ミニバンに乗っていると、ラゲッジスペースの荷物を出し入れする際に、一度駐車させたのに再度運転席に乗り込んで、少し前に出すという経験をした方も多いはず。
あるいは、荷物を出し入れすることを考えて駐車位置を決めるケースもあります。日産セレナなどのガラスハッチや、横開きも可能なホンダ・ステップワゴン(従来型)の「わくわくゲート」であれば、テールゲートを全開させなくても大きな荷物でない限り荷物の出し入れが可能です。
また、パワーテールゲート仕様であれば、任意の位置で止めることが可能できます(挟み込みを防止する安全面からも停止する)。
新型ノア&ヴォクシーのパワーバックドアは「快適便利パッケージ(High)」としてセットオプションされています。
非パワーバックドアには、今回新たに「フリーストップバックドア」が世界で初採用されています(2022年1月現在。トヨタ調べ)。こちらは、「ユニバーサルステップ」と同じ、からくり(機械仕掛け)を使ったアイディア装備。使い方は簡単で、バックドア開閉時に、停めたい角度(任意の角度)でバックドアを下に押すとそこで停止します。
一度、位置を決めると、再度の位置調整はできません。全開閉してリセットする必要がありますが、後方が狭い場所でも荷室から荷物を取り出せます。
さらに、パワーバックドア仕様にも工夫が凝らされています。ボディ両サイドにあるリヤクォーターパネルに、電動開閉用スイッチを用意。横からテールゲートの自動開閉操作が可能になり、とくに開ける際に後ずさりしなくてもよくなっています。
また、跳ね上げ式サードシートの操作性が気になる方も多いはず。先代と同様にサードシートはスライドはしません。
3列目座面下中央にあるレバーを操作すると、スプリングのアシストで楽に跳ね上がります。さらに新型は、先代のようにフックで固定する必要がなくなり、そのままカチッとロックさせるだけで完了。
シートを戻す際は、ロックを解除するだけで手間はほとんど要らず、慣れると片手で操作できます(背もたれのリクライニングは自動で調整が必要)。なお、キャプテンシート車は、サードシートを跳ね上げて、2列目を一番前に出した状態が最大時。
ベンチシート車は、チップアップさせて一番前にスライドさせた状態が最大時になります。さらに、新型はハイブリッドシステムの高効率化により、床下にあったハイブリッド車の補機バッテリーがエンジンルームに移動したことで、床下には104Lのアンダーボックスが確保され、工具や洗車用品などの収納、フロアボードをサードシートに固定すれば、高さのある荷物も容易に積載できます。
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠、塚田勝弘)