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■「若者のクルマ離れ」はクルマの価格高騰が原因?
「若者のクルマ離れ」と言われるようになってから久しいですが、確かに東京など大都市に住む若い世代には、クルマを所有していない人も多いようです。一方で、地方ではクルマがないと生活できない地域が多いのも実状。
では、地方に居住し、2022年に新成人となった人たちは、クルマが生活などに必要だったり、実際に所有していたりするのでしょうか?
定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、東京都を除く全国の2022年新成人(2001年4月2日〜2002年4月1日生まれ)男女994名に、生活にクルマが必要かなどについて調査を実施。
その結果、生活の中で、クルマが必要だと回答した人は68.7%いたものの、必要でも持っていない理由で最多だったのは「経済的理由」だということなどがわかりました。
●3人に1人以上が必要なのにクルマを持っていない
今回の調査は、2021年11月25日〜12月7日の期間、インターネットによるアンケート形式で行われたものです。
調査では、まず、「クルマは生活に必要かどうか」について質問。その結果、
・「必要」 68.7%
・「必要ではない」 31.3%
と、生活するためにクルマが必要な人が過半数を超えました。
次に、調査では、「クルマは生活に必要」と回答した人に、「自家用車を持っているかどうか」も聞いています。結果は、
・「持っている」 64.4%
・「持っていない」 35.6%
と、3人に1人以上が、生活にクルマが必要にも関わらず、実際には所有していないようです。
●持っていない理由は購入費用が最多
また、調査では、生活にクルマが必要なのに、自家用車を持っていない人に、その理由も聞いています。結果は、次の通りです。
1位:「経済的・金銭的理由」 40.8%
2位:「免許がない」 23.6%
3位:「学生だから」 10.3%
4位:「購入後の維持費が高いから」 5.2%
5位:「家族・知人のクルマがある」 5.2%
6位:「駐車場がないから」 4.6%
*「その他」 10.3%
1位の「経済的・金銭的理由」には、主に「クルマは高いから」「経済力がない」など、購入費用を理由にした人が多いようです。4位の「購入後の維持費が高いから」と合わせると、お金に関わる理由で持っていない人は50%と、全体の半数を占める割合となっていることも分かります。
ちなみに、持っていない人の交通手段は電車が最も多く、次いで自転車、徒歩という順番だったそうです。
●燃費のよさなど経済的なモデルが人気
調査では、ほかにも「自家用車を持っている」と回答した人に、「理想のクルマに乗っているか」も質問。
結果は、
・「乗れている」 55.9%
・「乗れていない」 44.1%
と、やや「乗れている」人の方が多い結果に。
さらに、同じ人たちに、「理想のクルマの条件」も聞いています。その結果は、以下の通りです。
1位:「デザイン・色味がいい」 22.6%
2位:「燃費がいい」 15.1%
3位:「運転がしやすい」 13.1%
4位:「固有の車種、型」 12.9%
5位:「お金がかからない」 7.7%
6位:「車内が広い」 6.3%
7位:「安心安全性能」 3.4%
*「その他」 18.9%
「かっこいい」「かわいい」などを含む「デザイン・色見がいい」が最多となりましたが、注目なのは2位「燃費がいい」と5位「お金がかからない」。燃費のよさやお金がかからないことは、つまり経済的なモデルがいいということで、これらを合わせると22.8%と、1位のデザインやカラーを超えます。
近年、ハイブリッド車など、燃費がいいクルマが人気であることは、若い世代でも変わらないようですね。
●理想のクルマに乗れない理由は?
調査では、さらに、「理想のクルマに乗れていない」と回答した人たちに、「なぜ理想のクルマに乗れていないのか」も聞いています。結果は以下の通りです。
1位:「経済的・金銭的理由」 69.5%
2位:「家族のクルマだから」 9.3%
3位:「学生だから」 5.1%
4位:「免許がないから」 5.1%
5位:「譲り受けたクルマだから」 2.5%
*「その他」 8.5%
「経済的・金銭的理由」が圧倒多数ですね。理想のクルマを所有するには、お金に関わる問題が大きい人が多いようです。
今回の調査では、新成人の中で、クルマが生活に必要でも所有できていない人や、持っていても理想の車種に乗れていない人の多くが、「経済的・金銭的理由」を持つことが分かりました。
最近のクルマは、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置など、先進装備が搭載されているモデルも増え、安全面ではかなり進歩しました。
ところがその一方では、たとえば軽自動車でも購入価格の総額が200万円を超えるモデルも出てくるなど、クルマの価格は上昇傾向です。
特にこれから社会人となり、収入を得ようとする新成人の多くにとっては、もし生活にクルマが必要だとしても、なかなか購入しづらいのは確かでしょう。
先進技術は実用化までに膨大な開発費が必要になるため、価格とバランスをとるのはなかなか難しいものです。ましてや今後はカーボンニュートラルの実現に向け、100%電気とモーターだけで走るBEVの普及も期待されていますが、心配なのはやはり購入価格です。
高価なBEVばかりでは、こうした若い世代をはじめ、誰もが購入できないことになります。地球環境にやさしく、価格も手ごろ、電費向上などで維持費も安い、そんな(夢のような? )モデルの登場に期待したいものです。
(文:平塚 直樹 *写真はすべてイメージです)