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■シトロエンのCセグメントモデルが日本上陸
●パワーユニットはガソリン・ディーゼル・電気の3種類
シトロエンのCセグメントモデル「C4」がフルモデルチェンジ、日本に正規導入が始まります(2022年1月22日より)。
シトロエン・ブランドのCセグメントモデルを振り返れば、GSやBX、クサラなど個性的なモデルを思い出しますが、新型C4もそれらに負けず劣らず、個性的なルックスのハッチバックスタイルに仕上げられています。
全高は1530mmと高めで、サイドビューにはSUV的な雰囲気もあります。一方で、ルーフはクーペ的なラインとなっているなど、ともすればバラバラになりそうな要素を掛け合わせつつ、シトロエンとしてまとめられているのはさすがといったところでしょう。
そんな新型C4にはガソリン・ディーゼル・電気と3種類のパワーユニットが用意されています。
ガソリンエンジンは、1.2Lの3気筒ターボで、トランスミッションは8速AT。ディーゼルエンジンは1.5L 4気筒で、こちらも8速ATとの組み合わせになります。
そして、日本仕様のシトロエンとしては初となるフル電動モデルとなるのが Ë-C4 ELECTRICで、こちらは50kWhのバッテリーと交流同期電動機で構成されたものとなっています。
では、この3種類のパワーユニットでもっともパワフルなのは、どれになるのでしょうか。それぞれのスペックを整理してみましょう。
1.2Lガソリンエンジン:最高出力96kW、最大トルク230Nm
1.5Lディーゼルエンジン:最高出力96kW、最大トルク300Nm
電気自動車:最高出力100kW、最大トルク260Nm
わずかな差ですが電気自動車がもっともパワフルなのでした。さらにいえば、ガソリンとディーゼルの最高出力は同じ数値です。最大トルクこそ異なりますが、どのパワーユニットを選んでもパフォーマンスは大きく変わらないと考えることができます。
●使い勝手が良い電気自動車 Ë-C4 ELECTRIC
こうなると気になってくるのは電気自動車版のË-C4 ELECTRICの使い勝手です。
新型C4の基礎となっているCMPプラットフォームは、そもそも電動化を前提としてもので、バッテリーの分散配置を前提とすることで、ラゲッジスペースにおいてエンジン車と電気自動車で同等になるよう考慮されているのが特徴です。基本的な使い勝手において電気自動車だから不利ということはありません。
さらにË-C4 ELECTRICで注目したいのは一充電航続距離です。WLTCモードで405km、JC08モードでは459kmと発表されています。
この数値は、50kWhのバッテリー総電力量からするとかなり優れたもので、非常に高い効率を実現した電動車であることがわかります。
いずれにしても、モード値で400km以上走るということであれば、日常的に一充電で300km程度を走ることは可能といえますし、上手に乗れば400kmに迫る航続距離も期待できるといえます。
これだけ走れるのであれば、「電気自動車はドライブ途中での充電が面倒だから……」といって避ける必要はないでしょう。
しかも前述したように新型C4においてもっともパワフルなのが、電気自動車のË-C4 ELECTRICです。電気駆動ならではの滑らかな走りは、シトロエンの伝統である魔法のじゅうたんのような乗り心地にマッチすることでしょう。
実際、新型C4には、メカニカルタイプながらかつてのハイドロニューマチックのDNAを受け継ぐPHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)を採用したサスペンションが採用されています。
3種類のパワーユニットから積極的に電気を選んでみたくなるのが、新しいシトロエンC4なのです。
●ガソリン車は290万円からの手頃な価格が魅力
とはいえ、新型C4において電気自動車を絶対的に推すということもできません。なぜなら、価格帯がずいぶんと異なるからです。
メーカー希望小売価格を並べてみると、ガソリンエンジンのC4 FEELは290万円、C4 SHINEは325万円。ディーゼルエンジンのC4 SHINE BlueHDiは345万円、そしてË-C4 ELECTRICは465万円です。
電気自動車には様々な補助金も期待できますが、それでもガソリンエンジンのフレンチCセグメントとしては絶妙なコストパフォーマンスを感じさせる、手の届く価格設定は魅力です。
なお、新型C4のボディカラーは、ブラン バンキーズ(白)、 ブルー アイスランド(青)、グリ プラチナム(灰)、ブラン キャラメル(橙)の4色。ブラン バンキーズ以外は、6万500円の有料色となっています。
(山本 晋也)