新型ステップワゴン・スパーダは、単なる「オラオラ」系ではない、力強い存在感と伸びやかなシルエット、品格ある雰囲気を追求

■過去4代のスパーダらしさを継承しつつ、新しいスパーダ像を実現

ホンダ新型ステップワゴンの売れ筋グレードになると思われる「SPADA(スパーダ)」のエクステリアデザインは「Prime Life BOX.」というサブコンセプトが掲げられています。

「家族をしっかり守る」という想いからデザインが進められたそうです。

ホンダ・ステップワゴン
右がステップワゴン・スパーダ、左側がエアー

ファイナルスケッチでは、力強く、分厚くて、大胆で塊を意識して推進したそう。そこに、品格を表現するため、緻密なディテールが加えられています。

基本的な骨格は、「AIR(エアー)」と同じで、フロントバンパーは「エアー」よりもオーバーハングを20mm延長し、力強さを強調。精悍なフロントマスクになるように、各パーツの配置にこだわったそう。

ホンダ・ステップワゴン
エアーよりも20mm伸ばされたステップワゴン・スパーダのフロントバンパー

メッキ加飾も闇雲に多く、広範囲に配置するのではなく、効果的な位置・量を徹底的に追求し、断面も金属を無垢材を削り出したような質感を追求したそうです。

「エアー」よりも低く、伸びやかなシルエットを描く「スパーダ」のサイドビューも印象的です。フロントロアを流れるメッキは、サイドシルを途切れることなく続き、リヤに回り込む造形が採用されています。

ホンダ・ステップワゴン
分厚いリヤピラーと伸びやかなシルエットを描くテールゲートスポイラーが目を惹く

サイドシルも一見すると一定断面に見えるものの、前後、中央で微妙に変化が与えられていて、タイヤが踏ん張って見えるように、前側と後ろ側で内側に入れることで、踏ん張りを効かせた造形になっています。

また、BピラーとCピラーのガーニッシュをピアノブラックとしているのも「スパーダ」の特徴で、クオリティアップに寄与しています。

ホンダ・ステップワゴン
新型ホンダ・ステップワゴン「スパーダ」のリヤビュー

「スパーダ」専用テールゲートスポイラーは、サイドビューの伸びやかなシルエットを形成するのに貢献しています。リヤも「エアー」よりもオーバーハングを15mm延長することで、力強さを強調。下端を約10mm下げることで、大きな塊感も演出しています。

真後ろから眺めたテールゲートスポイラーは、しっかりと角を張ったスクエアな形状にすることで、「スパーダ」のリヤを大きく見せています。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴン・スパーダのテールゲートスポイラーとリヤコンビランプ

加えて、フロント、サイドと流れてきた細いメッキがリヤにも回り込むことにより、リヤまで1周グルリとまわることで、後ろ姿を大きく見せることに寄与しています。

ドアメッキを通すことで、リフレクターをリヤコンビランプの中にインストールしたことで、すっきりとしたリヤまわりになっているのも特徴となっています。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴン・スパーダのファイナルスケッチ

新型ステップワゴンの「スパーダ」は、素人目には、フロントのメッキ加飾などをもっと大きく大胆にする手もあるのかな、と思いました。

しかし、ご紹介してきたとおり、単なる「オラオラ」系ではなく、品格や質感も重要ポイントであり、これが見た目の高級感につながっている印象を受けます。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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