「先祖返り」したホンダ新型ステップワゴンのリヤビューは、現代の技術でモダンに先進感あふれるデザインに

■新設された「AIR(エアー)」のフロントマスクは、威嚇せず、可愛すぎない表情を狙う

ホンダ新型ステップワゴンは、クローズドされたスタジオ内で初めて見ると、存在感が一気に増した印象を受けました。現行型に対する評価をリサーチした結果、ライバルに対して「外観デザイン」がやや劣っているという分析結果が得られたそう。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴンのエクステリアデザイン

新型ステップワゴンは、個人的には使いやすいと感じられた「わくわくゲート」も廃され、とくにリヤビューは、初代や2代目を彷彿とさせる細長いリヤコンビランプが最も目を惹きます。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴン・エアーのフロントグリルとヘッドライト

最大のポイントともいえるエクステリアデザインをチェックします。

ミニバン・ユーザーが求めるデザインは、精悍でスタイリッシュ、「オラオラ」系ともいえる志向が7割、自然で肩ひじ張らないナチュラル志向が3割だそう。

新設定となる「AIR(エアー)」は、後者に対応し「Life Expander BOX」、前者に対応する「SPADA(スパーダ)」は「Premium Life BOX」というサブコンセプトが掲げられています。

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新型ステップワゴンの「AIR(エアー)」のリヤビュー

ここでは「エアー」の外観からご紹介します。

ホンダ・ステップワゴン
「AIR」のスケッチ

ユーザーに提供したい価値として、「安心」と「自由」をひと目で伝わるようにしたい、というのが狙いと明かしています。塊そのものと骨格で、安心と自由を表現したそう。

シンプルな見せ方に落ち着いたという「エアー」は、新設グレードらしい新鮮さを感じさせるフロントフェイスにしながらも、ミニバン本来のクリーンな顔立ちに戻したそう。とは言ってもシンプル過ぎて商用車に見えないように、グリルのディテール、メッキの配置、部品の配置を綿密にチューニングすることで、立派に見える顔立ちに仕立てたとしています。

ホンダ・ステップワゴン
新型ステップワゴン「AIR」のスケッチ

メッキの配置は、横通しとすることで、立派にワイドに見えるように注力。とくに苦労したのはヘッドライトで、周囲を威嚇することなく、可愛すぎにならないよう親しみのある目つきに仕上げられています。

L型のシグネチャーは発光体になっていて、ポジションとデイライトを兼ねています。さらに、シーケンシャルを発光するのも特徴です。

サイドビュー最大の特徴は、乗員の居心地を重視するため、Aピラーを大きく後ろに下げたこと。インテリア、パッケージングの担当者と議論しながらデザインを進めたそうです。

最も機能性が高いと判断したデザインを素直に表現。心地良い室内空間を目指すべく、現行型よりもベルトラインをかなり上げて、結果的に分厚くてしっかり感のあるボディが描かれています。

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新型ステップワゴン・エアーのサイドビュー

さらに、太くてしっかりとしたリヤピラーも復活したことで、ここで塊をしっかり閉じて安心なキャビンになっています。

また、サイドビューは、極端に線の少ない造形になっていて、電車のようにシンプルになりすぎないように、ドア中央付近をピークに、上から見ると樽型のシェイプになり、張りのあるフラッシュな印象をもたらしています。

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現在の最新技術で表現された初代、2代目へのオマージュは、リヤビューでより感じられる

そして、リヤビューは、初代、2代目のオマージュを捧げたというデザインになっています。現代の技術で先進感と上質感を抱かせる後ろ姿は、とくに縦型のリヤコンビランプ、横のリフレクターが目を惹きます。

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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