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■旧車のメーカーと車種の印象について調査
国内外の自動車メーカーが、EVの開発や生産にしのぎを削る近年の自動車業界。
一方で、昔ながらの内燃機関で走る旧車は、クルマの電動化により「今しか乗れないかも」と思うユーザーも多いためか、最近ちょっとしたブームになっています。
特に80年代から90年代のスポーツカーのなかには、中古車価格がかなり高騰しているモデルがあることも、ちらほら耳にします。
そんな中、旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車では、旧車に興味のある135名を対象に、旧車のメーカーと車種の印象について調査を実施。
旧車ファンが投票した、最もイメージが強いメーカーや車種、ボディタイプなどのランキングを発表しました。
●2位トヨタを大きく引き離し日産が1位
今回の調査は、2021年12月13日〜2021年12月15日の期間、アンケート形式で実施されたものです。なお、ここでは、2010年式以前のクルマを旧車と定義しています。
調査では、まず、「旧車といえばどのメーカーの印象が最も強いですか?」という質問を実施。結果は以下の通りです(上位7位までを掲載)。
1位:「日産」 61票
2位:「トヨタ」 21票
3位:「ポルシェ」 6票
3位:「ホンダ」 6票
5位:「ダットサン」 5票
5位:「メルセデス・ベンツ」 5票
7位:「プリンス」 4票
1位になった日産といえば、「スカイラインGT-R」や「ハコスカ」など、数多くの車種が長い間愛されているメーカーですよね。最近は、女優の伊藤かずえさんが30年以上乗っている愛車の初代「シーマ」を日産がレストアしたことも話題となりましたから、より旧車のイメージが強いのかもしれません。
また、2位に入ったトヨタも、全世界で人気を獲得している最大手メーカーだけに、旧車というジャンルにおいても一定数のファンを獲得していることが伺えます。
ちなみに、輸入車では「ポルシェ」と「メルセデス・ベンツ」がランクイン。911やEクラスなど、旧車好きに長年愛されている車種があるこれらメーカーは、日本においても旧車の印象が強いことがわかりました。
●車種別でも日産車が上位を独占!
次に、調査では「旧車といえばどの車種を思い浮かべますか?」といった質問も実施。結果は次の通りです(上位6位までを掲載)。
1位:日産「スカイライン」 20票
1位:日産「ハコスカ」 20票
3位:日産「スカイラインGT-R」 13票
4位:トヨタ「2000GT」 8票
5位:日産「フェアレディZ」 6票
6位:ポルシェ「911」 4票
6位:トヨタ「セリカ」 4票
「スカイライン」と「ハコスカ」が同率首位に。また、3位にスカイラインGT-R、5位にフェアレディZが入るなど、車種別ランキングにおいても日産が上位を独占しました。旧車のイメージが強いメーカーで1位となったことを裏付ける結果ですね。
ちなみにスカイラインは、1957年に発売されて以来、現在の13代目まで60年以上販売されている日産を代表するモデル。また、同率1位のハコスカは、1968年に発売された3代目で、スカイラインを一躍人気モデルに押し上げた伝統のモデルです。
くわえて、スカイラインGT-Rはスカイラインのスポーツ仕様で、1969年から発売された初代モデルPGC10型/KPGC10型と1973年発売の2代目KPGC110型を第1世代、1989年からのR32型、R33型、R34型は第2世代と呼ばれています。
特に最近は第2世代の人気が高く、なかには中古車価格が2000万円を超えるものもあるほどです。
ともあれ、こうしたスカイラインのシリーズは、今回のランキングをみても、国産旧車の代表格だといえるでしょう。
●スポーティなボディタイプが人気
調査では、さらに、「旧車の中で最も好きなボディタイプはなんですか?」という質問も行っています。結果は以下の通りです。
1位:「クーペ」 45.9%
2位:「セダン」 30.4%
3位:「オープン」 11.1%
4位:「SUV」 3.0%
4位:「ステーションワゴン」 3.0%
6位:「コンパクトカー」 1.5%
6位:「ミニバン」 1.5%
6位:「スポーツカー」 1.5%
「そのほか」 2.2%
約半数がクーペを選んでいることから、やはり旧車ではスポーティなボディタイプが人気のようです。
前述の車種別ランキングでも、スカイラインには4枚ドアのセダンタイプもありましたが、ほかにランクインしたモデルのほとんどが、2ドアのクーペモデルや3ドアのファストバックモデル。いずれも、スポーツモデルの代表的なボディスタイルを採用しています。
また、2位に入ったセダンも、現在ではあまり販売台数は思わしくありませんが、かつてはかなり高い人気を誇っていたボディタイプです。
たとえば、これも前述した1988年発売の初代Y31型シーマなどは、1980年代中盤から1990年代前半のバブル景気に後押しされ起きた、当時の高級セダンブームを牽引した1台です。あまりの爆発的な売れ行きから、「シーマ現象」という言葉さえ生まれたほどの人気車種でした。
そう考えると、旧車の世界であれば、セダンについても、一定数の人気があることが納得できますよね。
(文:平塚 直樹)