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■旧車の購入経路と購入金額をアンケート
旧車は、近年、昔からのクルマ好きを中心に高い人気を誇っています。旧車といえば、ひと昔前ならメルセデス・ベンツやBMW、フェラーリやポルシェ、ランボルギーニといった輸入車のイメージが強かったのですが、ここ数年は、国産の旧車も大きな注目を浴びています。
特に、日産「スカイラインGT-R」やマツダ「RX-7」、ホンダ「S2000」などのスポーツモデルは、中古車相場が高騰し、なかには1000万円を超える車体もあるようです。
そんな中、旧車を購入したユーザーには、どういったルートを使い、幾らぐらいのクルマを買うことが多いのでしょうか? 旧車に特化した買取サービス「旧車王」を運営するカレント自動車では、旧車に興味のある男女144名を対象に調査を実施。
その結果、購入価格帯の最多は「201万円〜500万円」で、一般的な購入経路である中古車販売店などで買う人が多い一方、個人売買で購入する人も一定数いることなどが分かりました。
●一般的な購入経路が約7割
今回の調査は、2021年11月17日〜2021年12月1日の期間に、アンケート形式で行われたものです。なお、ここでいう旧車とは、2010年以前に作られたクルマを意味します。
調査では、まず現在旧車を所有している、もしくはこれまでに旧車を所有していたユーザーに、「旧車をどのような経路で購入したか」を質問。その結果は以下の通りです。
1位:「中古車販売店」 38.2%
2位:「メーカー系ディーラー」 31.3%
3位:「個人売買」 20.8%
4位:「整備業者」 4.2%
5位:「中古車買取店」 2.1%
6位:「オークション代行」 2.1%
7位:「その他」 1.4%
上位2位までで全体の7割弱を占めていることから、旧車の購入についても、一般的な購入経路とされる「中古車販売店」と「メーカー系ディーラー」で購入しているユーザーが多いことが分かります。
ただし、3位となった「個人売買」についても、20.8%と全体の2割を超える結果となりました。
クルマの個人売買は、名義変更や受け渡しなどで手間もかかるし、場合によってはトラブルが発生することもありますが、旧車の場合は意外に多いような気がします。
これは恐らく、特に、旧車には1点ものが多いことも影響しているのでしょう。旧車を所有するユーザーには、クルマ好きだったり、趣味としてクルマを所有している人も多く、自分のこだわりの年式やグレードなどを手に入れるためには、手間などを惜しまないことが伺えます。
ちなみに今回の調査では、少数ではありますが、通常は販売車両を置いていないことが多い「整備業者」から購入しているユーザーも一定数いることも分かっています。
●旧車の購入価格は比較的高め
調査では、さらに「旧車の購入金額」についても質問。結果は以下の通りです。
1位:「201万円〜500万円」 31.9%
2位:「101万円〜200万円」 23.6%
3位:「51万円〜100万円」 17.4%
4位:「50万円以内」 13.2%
5位:「501万円〜1000万円」 9.7%
6位:「1001万円以上」 4.2%
「201万円〜500万円」の価格帯で購入した人が最も多く、31.9%という結果に。
調査をしたカレント自動車では、これについて、「中古車購入単価の平均が155万円(「カーセンサー中古車購入実態調査2021」より)であることから、旧車は比較的高い価格帯で購入されることが多い」と分析しています。
また、今回の調査では、「501万円〜1000万円」「1001万円以上」と回答したユーザーが全体の1割を超える結果に。このことから、やはり1点ものが多い旧車の場合は、高い価格帯でも購入するユーザーもある程度いることが伺えます。
●どんな旧車が高くなる?
ちなみに、旧車の買取事業を行う「旧車王」を運営するカレント自動車では、どんなクルマが高額査定されるのかについてもポイントを紹介しています。
それによると、まずは「修復歴があるかないか、整備点検記録簿や新車時の保証書の有無、車種によってはオプションやカスタムが重要になることも多々」だといいます。
特に、国産スポーツカーの場合、例えば日産の「シルビア」や「スカイライン」、トヨタ「スープラ」などは、エアロパーツなどのカスタムを施している車体も多いのですが、査定金額はその内容によっても左右されるとか。
統一感のあるまとまったカスタムだったり、車が傾いていないかなどが高評価ポイントになるといいます。
また、ポルシェやフェラーリなどの輸入車では、オプションの有無で査定額が左右されることも多いとか。あと、高年式のクルマの場合は、車検がいつまであるかも重要だそうです。
いずれにしろ、旧車の価格が上がっている近年は、ある意味「旧車ブーム」だといえます。その背景には、カーボンニュートラル対策などによる、将来的な「新車の100%EV化」といった昨今の動向も影響しているのかもしれません。
昔ながらのガソリンエンジン車を楽しみたい愛好家の中には、「旧車を手に入れるのは今でしょっ! 」といった意向が働き、それが旧車の需要増に繫がっている可能性も十分ありますね。
(文:平塚直樹 *写真は全てイメージです)